田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

講演「ジョン万次郎」

2010-06-06 21:24:03 | 講演・講義・フォーラム等
 日本人として初めてアメリカの地を踏み、その後帰国し数奇な運命をたどったジョン万次郎の生涯をジョン万次郎の直系五代目にあたる中濱 京 氏が講演されたのを聴くことができました。

        
        ※ 「北海道龍馬会」の総会会場に掲示されていた龍馬会 
         の旗と龍馬の肖像画です。       
 
 講演会は6月5日(土)、「北海道龍馬会」が会員だけでなく、一般にも呼びかけて開催したものです。昨今の龍馬ブームも手伝ってか大勢の人が詰めかけ、会場の椅子が足りなくなり立ったまま、あるいは床に座って聴かねばならない人が出るほど盛況でした。

        
        ※ 講演をする合田一道氏です。

 講演は第一部として、北海道における龍馬研究の第一人者(?)であるノンフィクション作家の合田一道氏「ジョン万次郎の漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)を読む」と題しての講演がありました。
 「漂巽紀畧」とは、帰国したジョン万次郎を取り調べた土佐藩の河田小龍が聞き書きしたもの著したものです。合田氏はその一部を実際に読み上げながら解説しましたが興味深い事実をいろいろと知ることができました。
 その中の一つだけ紹介すると、日本に帰国するためアメリカ本土からハワイに着いた万次郎は、共に漂流しハワイに滞在していた3人(1人はハワイ滞在中に病死)に帰国を説くのですが、2人(傳藏、五右衛門)は同意したものの、1人(寅右衛門)は同意せず、三人で懸命に説得をしたがかなわなかったとあり、結局3人での帰国となった経緯が「漂巽紀畧」の中に記されているとお話がありました。

        
        ※ ジョン万次郎直系の五代目 中濱 京 氏です。

 第二部は主賓である中濱 京氏「ジョン万次郎」と題して講演を行いました。
 中濱氏はパワーポイントを用いてジョン万次郎の生涯を丁寧に説明してくれました。ジョン万次郎の生涯について説明すると長くなるので他の書物などに譲ることにします。
 興味深い話としては、ジョン万次郎たちを助けアメリカまで連れて行き、万次郎にアメリカ流の教育まで施したホイットフィールド船長の子孫と、万次郎の子孫が今日まで何代にわたって交流を続けているという事実です。
 中濱京氏は万次郎が暮らしたマサチューセッツ州フェアーヘブンを何度も訪れているようですし、ホイットフィールド船長の子孫もまた日本を何度も訪れ互いに交流を深めているということでした。

 それぞれが自らの先祖に誇りを抱き、鎖国や戦争などの不幸な時代を乗り越えて160年以上5代目にまで及ぶ今なお交流を続けていることに驚きと両家の固い絆を培ってきたことに尊崇の念を覚えました。

              
        ※ 会場に飾られていた坂本龍馬のブロンズ像です。高さ
         は40cm余りの高さでした。