AKira Manabe ブンブン日記

enjoy eating fun to cooking

四代目創業物語その1

2012-04-18 03:36:01 | Weblog
【マルブン四代目創業物語1】

マルブンは、初代文吉が大正十二年に食堂旅館として業を興した。

私が二十年前に修業から帰り、跡を継いだとき、小松の町はさびれており、お客さまは少ない、働く人はいない、お金もわずかしかなかった。

十八でこの小さな町を出て、十二年ぶりに帰ってきたが、町は昔と変わらない景色のままだった。

時代から取り残されたような気がした。

マルブンは創業から随分経つが誇れるものは何もないと思っていた。

無い無い無いと毎日のように思っていたら、ふとあることに気づいた。

マルブンには何もなかったわけではなく、初代 文吉とダイ、二代目 秀雄と喜美子、三代目 行義と辰子、この三代が築いてくれた信用と看板があった。

一緒に働いてくれる父や母がいた。パートさんがいた。昔から来てくれている常連のお客さまがいた。

それからは、無い無いと嘆くのではなく、あるあると考えるようになった。

これが私の創業時スタートの心の支えになった。