今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

脱走の詳細

2019-04-03 11:35:37 | 「かれん」
お天気よく風もなく
最高の散歩日和。
しみじみ幸せを感じていた矢先に
事件は起きた。
久しぶりのかれんの脱走である。

浜に降りて用を済ませ
堤防の階段をのぼろうとした時のこと。
以前一度、堤防から落ちかけて
以来、のぼるときに
少しためらうようになっていた。

リードを軽く引っ張り
促したところ、
首輪がすっぽり抜けてしまったのである。

そうなれば
自由という言葉はかれんのもの。
追いかければ逃げるという
犬の法則に則って
追いかけるほど逃げていく。
やっと近づいて
首輪をしようとすると
サッと逃げる。
帰るふりをすれば
ついてくれるかと思ったが、
飼い主など眼中になし。
ふんふんと拾い食いに大忙しである。

毎日のように通っている散歩道、
きっと帰ってくるだろうと思って
諦めて家に帰る。

それでもと思って
おやつを持って再び浜に行ってみる。
かれんの姿はなく
呼べどおやつの袋を振れども
動くものは見当たらない。

車を追っかけたり
車の前に飛び出したりしてはいないだろうかと
心配しながら家へと向かう。

家に近づくと
「ウォンウォン」
まるで「帰って来たよ」というような
犬の鳴き声。
やっぱりかれんだった。

首輪をしなさいと言っても
なかなかさせてくれない。
おやつでつると
何度目かに
ちょっとビリビリしながらさせてくれた。
自由を取るか
食べものを取るか。
遠い祖先が食べ物を取って
人間と暮らすようになったごとく
かれんも食べものを取って
首輪をすることを意を決して選んだのだった。

以前、この浜で脱走したときも
発情が近い時だった。
発情中に脱走しては大変と
ハーネス型の首輪を注文した。


石像「ロマンティチスト」