詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

みんな子供だった。そして、夢見てる

2016-08-14 | ショートPoem
みんな子供だった。そして、夢見てた。
優しい夢だった。
幼い時は、夢は夢と思わない、
すぐに叶う現実と隣り合わせだった。
いつだって、信じていた。
目の前には、これから素敵なことが
起きることを。

雨をつたい降りてくる天使がいて、
土に眠る  小さな種の夢を
膨らませていくように。

光と風と雨と
鳥と虫と
みんなが、優しい子供の夢を
叶えてあげたい、と
思っていた。
それは、みんなが見る夢だった。



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

人は、言葉を待っている

2016-05-15 | ショートPoem
人は、言葉を待っている。

私たちは、光の中に生まれでた。
だから、光の種を毎日1つ2つ
食べないと生きられない。
光なしには、生きられない。

私たちが生まれでたのは、
空気と水の惑星。
そして、
新しい光が宿る場所。

光は私たちの細胞をつくる。
光はいつも降り注ぎ
だけど、
人は、言葉によって光を知る。
言葉という光なしには生きられない。

人はいつだって、言葉を待っている。


ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

夕陽が美しいのは

2016-04-14 | ショートPoem
夕陽が美しいのは、
皆が悲しい絵の続きを描かなくて済むように、
絵の具を置いていくからかもしれないね。
だから夕陽は、空に
皆からもらったたくさんの色を塗って、
毎日見たことも無い美しい夕焼けを、
描いて見せてくれるのかもしれないね。
朝、透明な光に包まれて、
また素敵な日がはじまるように。



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

はじめて歩いた道だった。雨上がりの石畳を…

2015-12-05 | ショートPoem
はじめて通る道だった。
雨上がりに光る石畳だった 。
歩いた時間は輝きに充ち
あまりにも美しく。
帰り際、もう一度振り向き、
景色を目と心の奥に焼き付けて
深く一礼した。
楽しい道だった。ありがとう。
美しさの記憶は、時間への礼儀だと思う。
心を彩る時の移ろいを、
美しいままにしておきたくて
このままで…本を閉じるように、
日常へ戻ろうか。



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

空と海のこと

2015-08-08 | ショートPoem
空と海のことを考える

空と海って 全然違うのに
よく似ている
空も海も どちらも青く
空には白い雲
海には白い波頭

空には 鳥がいて
海には 魚がいて

空は 海がなければ
淋しくて
空っぽになる

海は 空がなければ
退屈して
干上がってしまうだろう

空は海なしでは 生きていけない
海は空なしでは 生きていけない
どちらがなくても生きていけないと

空の涙は 流れて海に注がれ
海の涙は 吸い上げられ空に帰る

2つの涙は生きるための涙
地球という星を作る涙

空が青いのは なぜだろう
海が青いのは なぜだろう
それは鏡のように
お互いの姿に憧れて
空が海を 海が空を
映しているからなんだ



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村


1番星を見つけたら

2015-07-23 | ショートPoem
1番星を見つけるのが好きだった
2番星 3番星…
次々に 空は星の灯りがともされる

1番星を見つけたら
忘れないうちに 絵に描いてもいいんだよ

1番星を見つけたら
1番星の歌を うたってもいいんだよ

1番星を見つけたら
誰にも 内緒にしておいてもいいんだよ

1番星を見つけたら
そっと 教えてあげる

ご飯を待っている犬たちに
うとうと眠る猫たちに
ボールで遊ぶ子供たち
ガラスの向こうで仕事をしてる大人たち
カーテン閉めてる誰かにも

淋しがり屋の友達に
そして 自分にも
一番星が光ってるよ
見てみないっ、てね



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

愛の言葉を

2015-05-21 | ショートPoem
言葉が現実を掴むことが
できなくなったら
立ち止まれ

言葉が
未来を志向できなくなったら
立ち止まらせなさい

力強く沈黙せよと
言葉たちは 戸口にせめぎあい
出口を封鎖する

暗闇のなかで
秘密の言葉が生まれ
ひかりだそうとするとき
口元から
言葉は 深く深く
包み込まれ
心の奥底に
降りていく

眠りについてのち
いつかいつか
過去という
長い裾を持つ衣装を
持ち出して
言葉は 扉をあけて
出かけていくだろう
閉ざされていた
何千という日の朝陽が
なだれ込んできて
語られるだろう

今日なのか 明日なのか
未来永劫の何処かで


ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村





夢のつづき

2015-05-07 | ショートPoem
きっと
夕涼みをするために
ここへきたのだった

夢を置き忘れてきたという
人の横にすわり
夢の話をはじめたかった

キリンも夢を見るって
知ってる?
蛇も さっきまで
夢を見ていたんだよ

そろそろと
陽が沈んでいくのは
皆が夢のつづきを
見るためさ

そして
陽が昇るころには
私もあなたも
夢を食べかけて
歩きはじめてる

1日の終わりに
夕涼みをするために
ここにきたのだった
昨日のつづきを話したくて
今日のつづきを聞きたくて
また明日



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村