乗換駅の改札内、通路隅に小さな書店がある。
小さいといっても大きな書店のチェーン店。
ただ坪数が小さい。
朝、時間をもって通勤しているので、ちょこっと覗くことがある。
小さいスペースなのに品ぞろえが良い。
特に文庫本は私にとって興味を引くものが多い。
もちろん今、売れている作家のもあるけれど、
それよりも私の知らなかった作家のものが多い。
それらは結構目に入る置き方をしていて、つい手に取ってしまう。
今までなら手に取ることもなかった作家の本。
そして読んでみると結構面白い。
シリーズものならば、全作みたくなる。
そして、どれもこれも、読み終わりにほっこりするような暖かい本だった。
新しい作家の新しい本を買う時は勇気がいる。
面白いだろうか・・・。
ワクワクする心と不安な心。
この書店で買ったものには、はずれがなかった。
書店員さんの本の選択がいいと思う。
反対に、会社の近くの大きな書店。
大きいだけにたくさんの本を扱ってはいるが、
私の心に訴えるものがない。
いや、あったとしても、手に取るまでにいかない。
本を見つけにくいのだ。
たぶんディスプレイの仕方だと思う。
そこが最近変わった。
テーマごとの本を置くコーナーを設けたのだ。
この間は「カフェ」がテーマだった。
このお店では、扱っていたかもしれないが、私には見つけられなかった本。
駅中の小さな書店にあった本が並んでいた。
なんだか嬉しくなった。
書店員さんたちの努力で、私たちは本を買うことができる。
心に残る本、楽しい本に出会うことができる。
本の流通ルートを知っていると、この努力はすごいことだと思う。
本は取次から自動的に送られてくることの方が多い。
それを書店員さん自らが、選んでくれる、読者目線で選んでくれる。
私たち読者は与えられたものを選ぶしかないから、そういう書店に出会うことが
本当にうれしくなる。
これからもつい足が向くような書店が増えてくればいいなと思う。