ちょこっと本音

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落語「明石」

2014年08月27日 | 観劇徒然草

「本当にあった?世にも奇妙な怖~いお話」シリーズの真夏の落語会は、橘屋文左衛門師匠の「明石」で始まった。
これは5年位前に、源氏物語を落語でやろうという企画が持ち上がり、瀬戸内寂聴さんの指導のもと行われたものだそうだ。
その時に知っていたら観に行ったのに。
私は大の源氏物語ファン。
谷崎潤一郎のと田辺聖子の両方と、田辺聖子さんのは「私本源氏」という、もしかしたら光源氏はこんな人だったかも・・・・・という普通の人間として扱ったものも読んだ。
もちろん「あさきゆめみし」も、宝塚で演ったのも全部観ている。
というか、宝塚公演での榛名由梨さんの源氏にあこがれてファンになったようなものだから。

話がずれたが、源氏が天皇の妹君朧月夜に手を出して、都にいられなくなり須磨へ下るところから話は始まる。
都からこんな田舎の須磨へと、源氏はブータラブータラ惟光に文句を並べたてる。
そこからして、自分の立場をわきまえない、わがまま源氏を師匠はとてもうまく表現して笑わせてくれる。
ある夜、夢枕に先の帝、つまり源氏の父が立ち「明石へ行け」という。
そして言葉どうりに明石の入道に連れられて明石へ行くと入道の娘、見目麗しき明石の君が、美しい琴で慰めてくれる。
明石で思う存分、美味しいものを飲み食いし、明石の君にも手を出しちゃって、妊娠させてしまう。どうしよう、困ったな、もう都へ逃げようかと、またわがままな光源氏。
そういいつつ居眠りをしていて、惟光に起こされる。
「大将、大将、起きてください。」
「ん~、何だ惟光うるさいぞ。明石の君も美しすぎてもう飽きた。早く都へ帰ろう」
「何を言っているんです。須磨へ行くことになったのですよ。ほら、朧月夜の君に手を出して、謹慎しに、須磨へ行くんですよ」
はた、と起きる源氏。
「え?今までの明石での出来事は夢だったの?」

というオチの「明石」にもう笑いっぱなし。

高座が終わって、3人の師匠を囲んでの飲み会。
舞台では文左衛門師匠が、瀬戸内寂聴さんに、「あなたの源氏が一番源氏らしかったわ」と言われたといってたけど、本当はわたしの源氏が一番良かったと言われたんです。
というのは扇辰師匠。
六条の御息所をやったそうだ。
本当のところはわからないけれど、もうこの企画はやらないという。
確かに一つの話が長いし、全身を使っての演技(落語)だけに、大変さがよくわかる。
でも本当に観たかったな。

飲み放題だったのでじゃんじゃん飲んでいたが、実は料理も結構でて、これも食べてしまったので、よく考えたらその日は4食食べていた。
朝食、昼の部を観る前の昼食、夜の部を観る前の夕食、終わってからの宴会。
気がついてびっくり。
これこそ、世にも怖い夏の夜のお話だったと思う。




コメント
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