fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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栗むし羊羹on器

2013年09月11日 | 日記

 伊豆の栗むし羊羹。おいしかったです。たまたま伊豆ですが、先日の合宿で買ってきたわけではなく、いただいていました。

    

 ところで、これ普通の白いお皿ですが、私の作です。って、このブログ、陶芸家の方がご覧下さっているので、ホント恥ずかしいです。ろくろで小さな皿を作ったのはいいのですが、分厚い。釉薬は、秋田小町の糠と秋田杉だそうです。写真よりもっと灰色っぽいというか、暖かみのある色合い。これだと、まったくわかりませんね。

 この釉薬を作るのが、大変なわけで、私のようにちょこちょこっとやってみる的なもんは、ただそれだけ、とわかっていますが、体験は体験として楽しい。陶芸一筋の方たちのすごさがわかるし。

 そう、土と火に魅入られている方たち。深い世界だと思います。そして主宰の小鹿田(おんた)焼きを詠んだ句に対して、短い文章を書いたのがあったなあと思い、ファイルからコピーしました。もしかしたら以前もアップしたかな? 

   小鹿田焼櫛目するどく神旅に  辻 桃子
 竈には荒神様が、田には田の神様(かんさん)が、トイレにはトイレの神様が? というのが日本。原子力発電所を建てるときでさえ、地の神を鎮めるべく地鎮祭を行っていた。同じ号の桃夭集に《炉火焚くや韓よりきたる神祀り》とあるように、隣国からは陶師達が韓の神を伴い日本に渡ってきたのだから、神は多彩だ。
 さて焼き物は地から生み出され、いずれ時を経て地にかえる。しかし人が放った放射能がその地を汚し続けている今、掲句の櫛目の鋭さは写生であるが、心情としての引っ掻き傷とも感じ取れる。
 神無月には韓の神もまた出雲へ行き、国際交流をしているのだろうか。そして二〇一一年、神々は出雲でどんな会議を開いたのだろう。轆轤で土を器に盛り上げる陶師も、見つめる俳人も、その様は祈る姿に似ている。俳人は祈るがごとく言の葉を吐き続けるしかなく、辻桃子の「自然に帰依している」という言葉が思い出される。         北柳あぶみ
        (「童子」二〇一二年三月号「桃夭集」より)

                                  (*「童子」に掲載された文章です。)

 神立つや校庭にまだ瓦礫積み     あぶみ  『だだすこ』より