学校教育を考える

混迷する教育現場で,
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応援の意味を込めて書いています。

電子黒板は使えない

2014-10-02 | 教育
電子黒板が教室に革命をもたらしたりなんかはしないのである。そもそも据え置きタイプの電子黒板は,普通教室で使うにはまだまだ小さすぎて後ろの席からは見にくい。それに,驚くほどの機能もない。しかも,価格が高い。黒板と手書きの模造紙で十分その機能は補える(ひところ,拡大プリンタで模造紙ぐらいの大きさに教材を拡大するのがはやったが,あれも後ろの席からは見にくいのである。図や絵の拡大率よりも,文字の拡大率を大きくしないと,見やすい教材提示にはならないのである。だから手書きがいいのである)。

それでも,「電子」黒板を使いたいならば,高い機械を買わなくても,いろいろやりようはあるのである。今の技術レベルでは,プロジェクタでスクリーンに映す方が,解像度の点では難があるものの,見やすさという点では勝るのである。そこでうまく組み合わせれば,PCとフリーソフトとペンタブ,それにプロジェクタとの組み合わせですら,電子黒板並みの機能は簡単に安価に手に入る。なにも,今の機能の電子黒板に数十万円以上ものお金をかけなくとも,せいぜい数万円以下で同じような機能が手に入るのである。wiiリモコンをコントローラやペン代わりに使うことも工夫次第では可能である。

高価な電子黒板や教材提示装置のデモに来られる企業の方に,「その機能なら,これとこれの組み合わせで安く似たようなことができるでしょ」などと,いじわるな質問をしてみると,「そうなんです。詳しい先生で,そうされている先生方もいらっしゃいます」などと答える正直な方もいらっしゃる。

私はケチでいじわるなので,高価なものを買うよりも,工夫してやりくりするのが好きである。黒板全面の大きさのiPadが出現するまでは,ケチを通すつもりである。



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2 Comments

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自慢話になり恐縮 (tsuguo-kodera)
2014-10-03 04:48:40
 私の父は旧制高校の数学の教師でした。大学を選ばず、新制高校を続けた変わり者でした。私はその学園で初等科から高校まで過ごしました。
 謄写版の蝋紙にほとんど毎日書いて配布資料を準備していたのですが、修正液を使ったのを見たことはほとんどありませんでした。
 私は授業を受けたことも見たこともありませんが、隣の部屋で授業を受けていた時もありました。物音ひとつしない珍しい隣の部屋になっていました。
 父は子供の時絵描きになりたかったと言っていました。絵はいろいろ描いてくれました。似顔絵やいろいろな立体図形も私は好きでした。
 忘れられない思い出は円がコンパスで書いたようにほとんど真円なこっとでした。
 叔父3人は父の教え子でしたので、父の授業を受けたので、話をしてくれました。
 チョークを折らない、大きなきれいな円をかく、運動靴は音がせずどこにいるか分からない、いつの間にか後ろにいる、教室はシーンとしていて、高い声がよくとおっていた、などなどいつもお酒を飲みながら話してくれました。
 大学入試問題をよく解いていましたが、全く消しゴムは使っていなかったようです。旺文社の厚い本の模範解答の間違い探しが趣味でした。どの学校の問題も、ゆっくり答えを同じピッチで書くのに制限時間の半分ほどのようでした。
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Unknown (madographos)
2014-10-04 20:18:34
>tsuguo-kodera様。いつもコメントをありがとうございます。お父様のお話に襟を正す思いです。教師かくあるべしと思います。よいお話をありがとうございました。
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