2011年7月に茨城県ひたちなか市で水分混入事故がありました。
当店でハイオクへの水分混入事故があったのは これより少し前でした。
あれは祭日だったか土曜日だったか・・・
(働く車がメインの当店は土曜日や祝祭日の給油台数は少ないのです)
そして水が混入したタンクがレギュラーではなくハイオクのタンクだったことも不幸中の幸いでした。
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あの日、
ハイオクを給油して、送り出そうとしたらエンジンが掛からない。
バッテリーにも異状はなく、「おかしいなぁ」と言いながら取り敢えず車をお預かりすることにして、当店がお世話になっている街の車屋さんへ修理をお願いしました。
まさか「水」なんて思いもしなかったけど車自体にも原因はなさそうで、
こうちゃんが「まさかとは思うけど」と言いながら検水してみたら、そうでした。
その時は原因が分からなかったのですが、前記事のコメントに書いたように水道管の破裂によるものでした。
そのすぐ横に通っていた地下タンクの配管から混入したのです。
(その時の配管の画像は過去記事でアップしてありますが、確かに腐食が酷かったです)
水道管が怪しいと思ったのはタオルを洗おうとしたときの水圧です。
水道管が何故破裂したのかハッキリした原因は分かりません。
ハタと気が付いて、1時間半ほど前に給油して帰られたYさんに電話をすると、
家に帰ってから(一旦駐車してから)移動させようとしたらエンジンが掛からなかったのでカーディーラーを呼んで持って帰らせたとのことでした。
事情を話して謝罪し、修理して貰ってくださいとお伝えしました。
ここまでお読みになって、「自分は保険や共済に入っているから大丈夫」と安心されている方はいらっしゃいませんか?
私たちもそうでした。
しかし、加入していた共済ではお客様の車の修理代の半分も補てんできなかったのです。
Yさんが車を買われた(修理に出された)カーディラーから「念の為、保険が出るか確認してほしい」と当方に連絡があり、加入先(組合)に問い合わせましたら「出ます」との答えでした。
ですから当方も安心してカーディラーにその旨伝えました。
数日後、(新車の外車だったので)修理見積もり150万円ほどになると連絡があり組合にその旨を伝えると、 そこで初めて「上限が50万円」と伝えられたのです。
揉めていてYさんに迷惑を掛けるわけにもいきませんので、カーディラーには修理代は当店が責任を持ってお支払するので兎に角早く修理をしてくれるようにとして話を進めました。
結局共済から出たのは45万円、そして翌年の保険料(掛け金)は上がり 25万円以上になりました。
(要するに、共済はあまり役に立たなかったということです)
又、この時の配管修理にも数百万円掛かっています。
けれども、最初に書いたようにこれはまだ幸いでした。
もしこれが平日で、また、ハイオクではなくレギュラーガソリンのタンクだったとしたら数台では済みません。
他府県からの給油客でどこのだれか分からない人も多いから、こちらから連絡を取ることも出来ません。
そう思うと、とてつもなく恐ろしくなりました。
この件でこうちゃんもいっときは店を続けていく気が失せていたと思います。
しかし数か月後には、地下タンクの電気防食工事をして店を続けていくことを決めていました。
最近また「地下タンク」関連でのキーワード検索が増えています。
これから改正消防法対応時期を迎える販売店の方でしょうか、
電気防食等の地下タンク改正法対応工事をしても、それで安全安心ということはありません。
地下タンク法規制の工事について のコメント欄にも書きましたが、
電気防食工事をして、そのあとに発生した水分混入で(その費用が捻出できなかったのか?)、結局は廃業となった販売店もあります。
リスク管理やリスク回避を講じていても起こり得るリスク。
ガソリンスタンドでは、そのリスクの一つが目に見えない地下にあります。
地下タンク改正法対応工事をしてもそれで終わりではなく、万全ではないのです。