[11月25日14:30.天候:晴 神奈川県足柄下郡箱根町 某日帰り浴場]
魔女3人に見習魔道士1人の温泉日帰り旅。
これは魔女の1人、ルーシーが新幹線に乗りたがったからこその旅である。
が、帰りはもっと違う電車に乗るつもりの稲生。
稲生:「ふぅ……。やっぱり温泉はいいよなぁ……」
露天風呂で寛いでいると、内湯の方から稲生の知っている顔がやってきた。
ケンショーグリーン:「先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
稲生:「また出た……。ホント懲りないなぁ……」
稲生はもはや呆れ顔。
ケンショーグリーン:「クフフフフ……。稲生さん、よく会いますね?お隣、失礼します」
稲生:「アンタに『よく会うね』って言われたくないよ。さっきの枕詞からして、今度は魔界共和党理事としてではなく、ケンショーレンジャーとして僕に会いに来たわけ?」
ケンショーグリーン:「折伏は顕正会員としての使命です」
稲生:「それは宗門も同じだよ。カントクはロクにやってないけど……」
雲羽:ギクッΣ(゚Д゚)→φ(`д´)→『余計なこと言うな!』(←スケッチブックに書かれたカンペ)
ケンショーグリーン:「以前にも申し上げましたが、ケンショーレンジャーは解散しました」
稲生:「創設者のポテンヒットさんが来られなくなったからねぇ……」
ケンショーグリーン:「ええ。いずれはカントクを顕正会に連れ戻してくれる役を期待していたのですが……」
稲生:「それで?今日は僕に何の用?マリアさんの下着ならやらないよ?」
ケンショーグリーン:「いえいえ。今日はたまたま街頭折伏に来ただけ。これは偶然です。御仏智ですね。稲生さん、引いてはカントクに顕正会に戻って頂く為の」
稲生:「ヤだよ!」
ケンショーグリーン:「それに、『戦利品』なら既に頂きましたので。クフフフフフ……」
稲生:「お、おい、まさか?」
ケンショーグリーン:「御覧になりますか?クフフフフフ……」
稲生:「マリアさんの下着じゃないだろうな?」
ケンショーグリーン:「それは分かりません」
稲生:「なにっ?」
ケンショーグリーン:「私の分析によれば、確かに魔女さん達のどなたかの物ではなかろうかと思うのですが、いやはやさすがは魔女さん達です。これ以上は魔法のプロテクトで、私の分析力が働かないのです」
稲生:「歳を取って、ヤキが回っただけじゃないのか?」
ケンショーグリーン:「これは手厳しい。クフフフフフ……」
稲生:「とにかく見せろ。どこにある?」
ケンショーグリーン:「それでは脱衣所にご案内致しましょう。クフフフフフフ……」
稲生はケンショーグリーンに付いて、露天風呂から脱衣所に戻った。
ケンショーグリーン:「私の秘蔵コレクションの中の最新品、とくとご覧あれ!」
グリーンの服の中に隠されるようにして、一組のブラショーツが現れた。
青色の少し高そうな下着である。
シルクを基調とした素材だった。
稲生:「……いや、マリアさんのじゃないな。マリアさんはあまり、こういう素材のは着ないんだ」
ケンショーグリーン:「クフフフフフ……。私の分析通り。さすがの私も先約のいらっしゃる方は、御遠慮させて頂いておりますよ。ですから、どうかご安心を」
稲生:「そういう問題じゃないって」
ケンショーグリーン:「ついでにお伺い致しますが、では、この下着はどなたのでしょう?」
稲生:「うーん……。多分、エレーナのじゃないかなぁ?」
ケンショーグリーン:「あの跳ねっ返り魔女の!?……どうしてそう思われるのですか?」
稲生:「ルーシーはボクサーショーツ派だし、エレーナの契約悪魔のシンボルカラーは青だし、確か鈴木君がエレーナに青いブラショーツをプレゼントしたとか言ってたけど……」
ケンショーグリーン:「おおっ!どこかで見たことがあるかと思っていましたが、これは正しく私が鈴木君にアドバイスしたものですよ!」
稲生:「ちょっと待ってくれ」
稲生、自分の荷物の中からスマホを取り出す。
稲生:「あー、もしもし、エレーナ?下着泥棒の犯人、ケンショーグリーンだったんだけど、どうする?」
すると電話の向こうで怒号が聞こえた。
エレーナ:「なにぃっ!?やっぱケンショーグリーンだとォ!?首根っこ掴んで引きたてーい!!」
ケンショーグリーン:「嗚呼ッ、そんな!稲生さん、同じ男じゃないですか!御無体な!」
稲生:「下着ドロは犯罪だからな!」
稲生、グリーンの首根っこを掴んで脱衣所の外へ引き立てた。
そこでは頭に怒筋をいくつも立てたエレーナが待ち構えており、ホウキにくくり付けられて、どこかへと連行されてしまった。
ケンショーグリーン:「あ〜れ〜……」
稲生:「あーあ……」
恐らく、箱根山ロープウェイの支柱のてっぺんにでもくくり付けられる刑に処されるのだろう。
こんな時、魔女がホウキに乗って行けば楽だ。
稲生:「グリーンもバカだな。よりによってエレーナの貰い物をパクるんだから……」
マリア:「何だかんだ言ってエレーナのヤツ、鈴木からのプレゼントを使ってるんだな」
稲生:「そういうことです。まんざらでもないのかもしれませんね」
マリア:「だな」
ルーシー:「ていうか稲生さん……」
ルーシーは水晶球を手に、眉間に皺を寄せた。
稲生:「な、何だい?僕は下着ドロのことは知らないよ?」
ルーシー:「何で私の下着がボクサーショーツだって知ってるの?」
マリア:「えっ!?」
マリアも怒筋を浮かべて稲生を睨みつけた。
稲生:「お、怒るなよ。ほら、鬼怒川に泊まった時、皆で二次会して、そのまま寝ちゃっただろ?」
ルーシー:「それがどうしたの?」
稲生:「で、起きた時……」
その時、同じく眉間に皺を寄せていたマリアが急に表情を変えた。
マリア:「あっ、あー!そういうことか!」
ルーシー:「なに?マリアンナ」
マリア:「いや、皆して酔っ払って寝たもんだから、寝相とか変なことになってたんだよ。私も含めて」
ルーシー:「それで?」
マリア:「ルーシーは目が覚めた時、気づかなかったの?あんた、浴衣の下はだけてパンツ丸見えになってたよ?」
ルーシー:「は!?」
稲生:「ご、ゴメン。それ、僕見ちゃって……」
ルーシー:「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
ルーシーは急に顔を真っ赤にした。
稲生:「それで分かったんだ。はははは……」
マリア:「いや、私は勇太に注意しといたからね?その後、すぐに勇太の部屋に向かったし……」
ルーシー:「そういう問題じゃない!!」
取りあえず、稲生はマリアの弁護とルーシー自身の不注意ということでパンモロ目撃の罪は不問となった。
稲生:「ルーシーもマリアさんと同じ、綿100%のプリントショーツが似合うと思うよ?」
マリア:「そういうことは言わなくていいから!」
男は皆ヘンタイということで。
魔女3人に見習魔道士1人の温泉日帰り旅。
これは魔女の1人、ルーシーが新幹線に乗りたがったからこその旅である。
が、帰りはもっと違う電車に乗るつもりの稲生。
稲生:「ふぅ……。やっぱり温泉はいいよなぁ……」
露天風呂で寛いでいると、内湯の方から稲生の知っている顔がやってきた。
ケンショーグリーン:「先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
稲生:「また出た……。ホント懲りないなぁ……」
稲生はもはや呆れ顔。
ケンショーグリーン:「クフフフフ……。稲生さん、よく会いますね?お隣、失礼します」
稲生:「アンタに『よく会うね』って言われたくないよ。さっきの枕詞からして、今度は魔界共和党理事としてではなく、ケンショーレンジャーとして僕に会いに来たわけ?」
ケンショーグリーン:「折伏は顕正会員としての使命です」
稲生:「それは宗門も同じだよ。カントクはロクにやってないけど……」
雲羽:ギクッΣ(゚Д゚)→φ(`д´)→『余計なこと言うな!』(←スケッチブックに書かれたカンペ)
ケンショーグリーン:「以前にも申し上げましたが、ケンショーレンジャーは解散しました」
稲生:「創設者のポテンヒットさんが来られなくなったからねぇ……」
ケンショーグリーン:「ええ。いずれはカントクを顕正会に連れ戻してくれる役を期待していたのですが……」
稲生:「それで?今日は僕に何の用?マリアさんの下着ならやらないよ?」
ケンショーグリーン:「いえいえ。今日はたまたま街頭折伏に来ただけ。これは偶然です。御仏智ですね。稲生さん、引いてはカントクに顕正会に戻って頂く為の」
稲生:「ヤだよ!」
ケンショーグリーン:「それに、『戦利品』なら既に頂きましたので。クフフフフフ……」
稲生:「お、おい、まさか?」
ケンショーグリーン:「御覧になりますか?クフフフフフ……」
稲生:「マリアさんの下着じゃないだろうな?」
ケンショーグリーン:「それは分かりません」
稲生:「なにっ?」
ケンショーグリーン:「私の分析によれば、確かに魔女さん達のどなたかの物ではなかろうかと思うのですが、いやはやさすがは魔女さん達です。これ以上は魔法のプロテクトで、私の分析力が働かないのです」
稲生:「歳を取って、ヤキが回っただけじゃないのか?」
ケンショーグリーン:「これは手厳しい。クフフフフフ……」
稲生:「とにかく見せろ。どこにある?」
ケンショーグリーン:「それでは脱衣所にご案内致しましょう。クフフフフフフ……」
稲生はケンショーグリーンに付いて、露天風呂から脱衣所に戻った。
ケンショーグリーン:「私の秘蔵コレクションの中の最新品、とくとご覧あれ!」
グリーンの服の中に隠されるようにして、一組のブラショーツが現れた。
青色の少し高そうな下着である。
シルクを基調とした素材だった。
稲生:「……いや、マリアさんのじゃないな。マリアさんはあまり、こういう素材のは着ないんだ」
ケンショーグリーン:「クフフフフフ……。私の分析通り。さすがの私も先約のいらっしゃる方は、御遠慮させて頂いておりますよ。ですから、どうかご安心を」
稲生:「そういう問題じゃないって」
ケンショーグリーン:「ついでにお伺い致しますが、では、この下着はどなたのでしょう?」
稲生:「うーん……。多分、エレーナのじゃないかなぁ?」
ケンショーグリーン:「あの跳ねっ返り魔女の!?……どうしてそう思われるのですか?」
稲生:「ルーシーはボクサーショーツ派だし、エレーナの契約悪魔のシンボルカラーは青だし、確か鈴木君がエレーナに青いブラショーツをプレゼントしたとか言ってたけど……」
ケンショーグリーン:「おおっ!どこかで見たことがあるかと思っていましたが、これは正しく私が鈴木君にアドバイスしたものですよ!」
稲生:「ちょっと待ってくれ」
稲生、自分の荷物の中からスマホを取り出す。
稲生:「あー、もしもし、エレーナ?下着泥棒の犯人、ケンショーグリーンだったんだけど、どうする?」
すると電話の向こうで怒号が聞こえた。
エレーナ:「なにぃっ!?やっぱケンショーグリーンだとォ!?首根っこ掴んで引きたてーい!!」
ケンショーグリーン:「嗚呼ッ、そんな!稲生さん、同じ男じゃないですか!御無体な!」
稲生:「下着ドロは犯罪だからな!」
稲生、グリーンの首根っこを掴んで脱衣所の外へ引き立てた。
そこでは頭に怒筋をいくつも立てたエレーナが待ち構えており、ホウキにくくり付けられて、どこかへと連行されてしまった。
ケンショーグリーン:「あ〜れ〜……」
稲生:「あーあ……」
恐らく、箱根山ロープウェイの支柱のてっぺんにでもくくり付けられる刑に処されるのだろう。
こんな時、魔女がホウキに乗って行けば楽だ。
稲生:「グリーンもバカだな。よりによってエレーナの貰い物をパクるんだから……」
マリア:「何だかんだ言ってエレーナのヤツ、鈴木からのプレゼントを使ってるんだな」
稲生:「そういうことです。まんざらでもないのかもしれませんね」
マリア:「だな」
ルーシー:「ていうか稲生さん……」
ルーシーは水晶球を手に、眉間に皺を寄せた。
稲生:「な、何だい?僕は下着ドロのことは知らないよ?」
ルーシー:「何で私の下着がボクサーショーツだって知ってるの?」
マリア:「えっ!?」
マリアも怒筋を浮かべて稲生を睨みつけた。
稲生:「お、怒るなよ。ほら、鬼怒川に泊まった時、皆で二次会して、そのまま寝ちゃっただろ?」
ルーシー:「それがどうしたの?」
稲生:「で、起きた時……」
その時、同じく眉間に皺を寄せていたマリアが急に表情を変えた。
マリア:「あっ、あー!そういうことか!」
ルーシー:「なに?マリアンナ」
マリア:「いや、皆して酔っ払って寝たもんだから、寝相とか変なことになってたんだよ。私も含めて」
ルーシー:「それで?」
マリア:「ルーシーは目が覚めた時、気づかなかったの?あんた、浴衣の下はだけてパンツ丸見えになってたよ?」
ルーシー:「は!?」
稲生:「ご、ゴメン。それ、僕見ちゃって……」
ルーシー:「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
ルーシーは急に顔を真っ赤にした。
稲生:「それで分かったんだ。はははは……」
マリア:「いや、私は勇太に注意しといたからね?その後、すぐに勇太の部屋に向かったし……」
ルーシー:「そういう問題じゃない!!」
取りあえず、稲生はマリアの弁護とルーシー自身の不注意ということでパンモロ目撃の罪は不問となった。
稲生:「ルーシーもマリアさんと同じ、綿100%のプリントショーツが似合うと思うよ?」
マリア:「そういうことは言わなくていいから!」
男は皆ヘンタイということで。