報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「浅草に到着」

2019-12-08 21:21:36 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[11月24日10:35.天候:雨 栃木県日光市今市 特急“きぬ”120号5号車内]

 下今市駅から出ている路線は日光線と鬼怒川線の2つ。
 そのうち、日光線が本線で鬼怒川線が支線という扱いである。
 実際、日光線は複線のまま緩やかな左カーブで東武日光に向かうのに対し、鬼怒川線は単線になって、更に厳しい速度制限の掛かる右急カーブである。
 その支線から本線に合流した東武スペーシアは、東武日光方面から乗り換えて来た客を更に乗せて、満席に近い状態で発車した。
 この駅から北千住駅まで、ビュッフェと車内販売の営業が行われる。

 車販嬢:「お食事にお飲み物は如何でしょうか〜?」
 稲生:「すいません。こっちにバニラアイス2つと……」

 稲生は荷棚の上からジーッと見据えて来る人形達の視線を感じながら、真っ先に所望品を注文した。
 忘れていたら、恐らくただでは済まない。

 稲生:「あとホットコーヒー1つと……」
 マリア:「Tea.」
 ルーシー:「Tea.」
 稲生:「紅茶を2つ……」

 ティーだけだと何のお茶だか分からないと思うだろうが、注文した2人が共にイギリス人という時点で【お察しください】。

 エレーナ:「私はコーラ」
 稲生:「コーラ1つください」
 ルーシー:「あと、このお菓子……」
 マリア:「じゃあ、私も」
 エレーナ:「稲生氏のおごりだぜ、ゴチっス!」
 稲生:「しょうがないなぁ……」

 昨夜、密やかに二次会をやってくれた御礼にと、稲生は魔女達に飲み物とスイーツを奢った。

 エレーナ:「ほれ、クロ。チーズ鱈だ、食え」
 クロ:「ニャ」
 ルーシー:「ブラッキー、カルパスのおやつよ」
 ブラッキー:「ハッ、ハッ、ハッ!」

 エレーナは帽子の中に入れてある使い魔の黒猫に、ルーシーは足元の影に隠している使い魔の黒犬におやつを与えた。
 マリアの使い魔は自作の人形(に魔法で作った人工魂を入れたもの)であるが、しっかり人形形態でありながら、スプーンを使って上手に車内販売の硬いアイスを食べるのだった。

 エレーナ:「ん?今のワゴン、隣の車両に行ったのか?」
 稲生:「6号車?そりゃ行くよ」
 エレーナ:「あーあ。商売とはいえ、しばらく出て来れねーぜ」
 稲生:「え?どういうこと?」
 エレーナ:「まあ、しばらく経てば分かる」
 稲生:「?」

 他の魔女達の中には3号車のビュッフェに行って、直接買い付ける者もいた。
 逆にそこでないと買えない冷凍食品(を温めたもの)もあって、しっかりとそれを購入していた。

 エブリン:「マリアンナ、1個食べる?」
 マリア:「おっ、ありがとう。……何これ?」
 エブリン:「Takoyakiっていう日本食。食べたことある?」
 マリア:「ああ、たこ焼きね。あるよ。勇太に連れて行ってもらったことがある」
 稲生:「“築地銀だこ”ね」
 魔女B:「ルーシー、チップス(フライドポテト)食べる?」
 ルーシー:「ありがとう。じゃあ、代わりに“コアラのマーチ”あげる」

 とまあ、このように魔女同士基本的に仲が良い。
 稲生は思いっ切り警戒されるし、カネ絡みでも無ければあまり他人とつるもうとしないエレーナもそんなに相手にされる方ではないが。

 稲生:「……?あれ、車内販売が戻ってこない!?」

 電車が新鹿沼、栃木と停車駅を発車して行くが、車内販売員が戻って来る気配は無かった。
 春日部を出た時にようやく戻ってきたのだが、そのワゴンは殆ど空の状態であった。

 エレーナ:「絶対ェ、先生達が買い占めたパティーンだぜ」
 稲生:「うわ……」
 ルーシー:「個室席でもドンチャン騒ぎしてるのね。元気な先生方だわ」
 マリア:「『魔法道を極めし者の特権』なぁ……」

 あれで本当に良いのかどうか、マリアは正直首を傾げてしまった。

[同日12:15.天候:雨 東京都台東区花川戸 東武浅草駅]

 車内にまもなく終点の浅草駅に到着する旨の放送が流れると、稲生は下車の準備をするように門内の同士達に呼び掛けた。
 あとは6号車の大魔道師達である。

 稲生:「先生方、そろそろ終点に到着しますので、降りる準備をお願いします」
 ダンテ:「うむ。今、仕度をしている。案ずる必要はない」

 ダンテはイリーナとアナスタシアに、服の着付けを手伝ってもらっていた。

 稲生:「お着換えですか、大師匠様?」
 ダンテ:「ああ、そうだが?」

 もちろん個室席なので、そこで着替えをすることは何も問題は無い。
 いや、しかし着付けを手伝ってもらうとはいえ、室内には異性の直弟子達がいたはずだが……。

 ダンテ:「ナスターシャ。あとはイリーナに任せるから、お前は他の者達に下車の準備をするように言ってきなさい」
 アナスタシア:「……分かりました」

 アナスタシアは少し不満そうに頷いて、個室席を出て行った。
 恐らく自分がイリーナの代わりにダンテの着付けを手伝いたかったのだろう。
 しかし、無二の師匠ダンテ先生に断固としてお応えして参る決意をした以上、反発するわけにはいかないということだ。
 その時、電車が大きく揺れた。
 隅田川の橋を渡り切り、浅草駅手前の殆ど直角と言って良い急カーブを曲がったのだ。
 その制限速度は15キロ以下。
 同じ東武鉄道のターミナル駅、池袋駅の場内進入制限速度が60キロ、大宮駅でも35キロであることを考えると、とても厳しいことが分かる。
 その速度でも電車は大きく揺れ、車輪の軋む音が車内に響くくらいだ。
 で、どこにも掴まっていない稲生は体勢を大きく崩し、イリーナの自慢の巨乳に頭から突っ込んで行く形となった。

 稲生:「わぷっ!?……わあーっ!すいません!」
 イリーナ:「いらっしゃーい♪勇太君も甘えんぼさんね〜?」
 稲生:「ちちち、違います!」
 ダンテ:「おやおや、仲がいいね?うんうん、素晴らしい。『仲良き事は美しき哉』『親しき中にも礼儀あり、されど仲良き』。これからも良好な師弟関係を維持していきなさい」
 イリーナ:「はーい、先生ぇ〜」
 稲生:「か、かしこまりました!」
 ダンテ:「分かったら、稲生君は彼女らの所に戻るんだ。可及的速やかにね」
 稲生:「え?」
 ダンテ:「うむ」

 ダンテは咳払いをした。

 ダンテ:「さっきから怖い魔女がこちらを睨みつけておるのだよ」
 マリア:「
 稲生:「わあっ!し、失礼しましたーっ!」

 稲生は急いで5号車に向かった。

 稲生:「マリアさん、違うんです!あれは電車の揺れで……」
 マリア:「あ?別に何も言ってないけど?
 ルーシー:(絶対怒ってる……。でも、それだけマリアンナは稲生さんのことが好きになってるんだね)
 エレーナ:「おい、荷物早く降ろせよ!」

 浅草駅に到着したダンテ一門の面々は、ホームに降りる際に少し手間取ったという。
 稲生の場合、その理由は【お察しください】。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本日の御講 20191208

2019-12-08 20:22:23 | 日記
 今年最後の御講に行ってきました。

 所属が特別布教区なので、御登山も兼ねているのだが。
 カイドウ氏の車に乗せてもらい、東名高速を一路向かう。
 左ルートが工事による通行止めなのに加え、右ルートもまた事故の為に大渋滞であった。
 ただでさえ工事で渋滞しやすい所で事故られちゃね、世話無いよ。
 私の信心じゃ、なかなかスムーズに到着はさせてもらえないようだ。
 もちろん、延着でした。

 まあ、考えようによっては魔の妨害も、渋滞しかネタが無くなったということでもあるのだが。
 因みに最高の回避策は新幹線であるのだが、値段や乗り換えの手間以外にお勧めできない要素はある。
 私の職務上知り得たことなので警備機密の都合上、大きな声では言えないのだが、新幹線の安全神話は大いなる“魔の通力”によって守られている。
 この通力はとてつもなく大きいもので、ちょっとやそっとの障魔なら手出しを逆に遠慮する有り様である。
 何を言っているのか分からないかもしれないが、関係者にでもなれば分かる。
 とにかく、大いなる“魔の通力”だ。
 私と直にお会いした人にだけ話そう。

 道路事情には恵まれなかったが、天候には恵まれた。

 

 このように冬場に御登山すると空気が澄んでいる為か、富士山が絵葉書のようにきれいに見える。
 ただ、肝心の私の撮影技術が【ぴー】なので、この写り方である。
 御講の内容だが、恐らく顕正会の日曜勤行でも浅井会長が取り上げそうな内容だったな。
 多分、聞いたことのある顕正会員はいると思う。
 会員を折伏という名の勧誘に駆り立てる為の方便としてね。

 

 帰りに乗った新東名の途中にある駿河湾沼津SA。
 随分とこじゃれた外観である。
 因みにここで3時のおやつに食べたクレープが美味かった。

 

 駿河湾沼津SAの駐車場から駿河湾を臨む。
 どうして頭に『駿河湾』が付くのか、その意味が分かる風景である。

 

 御殿場で東名高速と合流するランプ上で撮影した富士山。

 ……とまあ、富士山ネタには困らない御登山でありました。
 久しぶりに南風さんとも会えた。
 「今度は逃げないように」と、しっかりと釘を刺されたが。
 もちろん、もう逃げはしませんよ。
 ただ、非常時には流血の惨を見る事、必至であるかもしれない今日この頃ですが。

 東名高速ではしっかりとまた渋滞にハマったが、それでもカイドウさんの回復運転によって20時には帰宅できた次第。
 朝の5時半に待ち合わせして、帰宅が20時か。
 仕事で言えば、少し大きめのイベント警備に出かけるようなものか。

 年末年始は仕事なので、恐らく御登山は今日がこれで今年最後となろう。
 来年1月もまた予定がギッシリなので、御登山できるかどうか【お察しください】。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする