[12月19日12:50.埼玉県さいたま市中央区 西武バス・上落合8丁目バス停 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット]
除雪された歩道を進むユタ達。
幸いにして、あれから雪が降ることはなかった。
ずっと晴れ。
日差しの照り付ける所は雪が融けているが、日当たりの悪い所は相変わらず雪が残っている。
大人達が突然の大雪で難儀していたにも関わらず、子供達は逞しく、雪ダルマなんかを作っていた。
バス路線のある県道は、地下に首都高速さいたま新都心線が通っていて、その構造上、地上の県道は広い分離帯によって仕切られている。
そのあまりにも分離帯としては広過ぎるが故に、当局は遊歩道として整備している。
そこも雪が積もっていて、ベンチ脇に雪ダルマなんか置いてあると、子供達の逞しさが分かるのだ。
「うう……っ」
時折吹き荒ぶ寒風。
「今年の冬は寒そうだなぁ……。これも、魔界の揺さぶりか何かですか?」
ユタの質問に、マリアが答える。
「必ずしもそうとは言えないが、少なからず影響はあると思う。ただ、関東の雪に関して言えば、(雪女郎)連合会の仕業だ」
「雪女共め。余計なことしやがって」
「まあまあ、先生。逆にオレ達は雪に慣れているので、却って不慣れな魔界の者達を掃討することができました」
「何か、オレ達の実力が疑われているようで、少し癪に障るのだが……」
「そんなことはないさ。確実性を更に強くしただけのことだよ」
ユタもフォローするように言った。
そこへバスがやってくる。
ガラ空きのバス車内は、暖房が効いていて温かった。
4人して1番後ろの座席に座る。
〔発車します。お掴まりください〕
〔次は日赤入口、日赤入口。……〕
「キノ達はどうするんだ?」
威吹がユタに聞いた。
「今日は栗原さんが高校の終業式だから、それ終わって即行で来るってよ。あ、お昼は食べてくるだろうけどね。僕達みたいに」
「そうか……」
「イリーナさんは現地でお待ちなんですか?」
今度はユタがマリアに聞く。
「ああ。既に知り合いに頼み込んでいるみたいだ」
「刀の修理が2〜3日でできるなんて、さすがは魔道師ですね。ファンタジーでも、魔法が使える刀鍛冶が、それで主人公の剣を強化するって話があったような……」
「“ベタなファンタジーの法則”だな」
「……ですね」
ユタとマリアは2人して笑った。
(マリアさん、笑えるようになったなぁ……)
と、ユタ。
[同日13:00.JR大宮駅東口→構内→京浜東北線ホーム 上記メンバー、栗原江蓮、蓬莱山鬼之助]
〔お待たせ致しました。まもなく終点、大宮駅東口。終点、大宮駅東口でございます。……〕
ユタの母親が事故に巻き込まれたスクランブル交差点も、今ではそれが嘘みたいに穏やかになっている。
さいたま市のダウンタウンの1つなので、人の多さは相変わらずだが。
大宮高島屋の前でバスを降りると、4人はまた寒風に襲われた。
だが、あちこちで見かけるクリスマス・セールの案内を見ると、如何に平和であることが分かる。
これだけ見れば、魔界の脅威にさらされているとは、とても思えない。
「おう、遅かったじゃねーか」
「お前が早過ぎだ!」
駅構内の待ち合わせ場所に行くと、既にキノと江蓮が待っていた。
キノの嘯きにツッコミを入れるのは威吹。
この剣客達、実は漫才コンビとしてもイケるのでは?と、ユタは密かに思っている。
意外と気が合うし、激戦で刀が折れたのも奇遇過ぎる。
「栗原さん、何かこれから大会に遠征するって感じだね」
ユタは江蓮の恰好を見て言った。
「そう?まあ、逆にこれの方が怪しまれなくていいっしょ」
制服姿に剣道の竹刀(木刀?)を布袋に入れて肩に担いでいる。
まるで、これから剣道の大会に向かう女子剣道部員って感じだ。
実際、剣道部員ではあるのだが。
キノが稽古を付けたことにより、県内最強クラスにのし上がったことは知る人ぞ知る。
一応、功徳として支部内で体験発表したことも。
「まあ……実際、合宿みたいなものだ」
マリアはフッと微笑を浮かべた。
「おう、ユタ。これからは、お前の案内だ。マニアックなルートはカンベンだぜ?」
「はいよ。じゃあ、行きましょうか」
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、13時14分発、快速、大船行きです。発車まで、しばらくお待ち願います〕
京浜東北線の先頭車に乗り込んだ。
「……って、こいつで東京まで行くのかよ?」
「乗り換え無しで楽じゃないか」
文句を言いたがるキノに、ユタは平然と答えた。
「急ぐ旅でもないのだからいいだろう」
威吹もユタに援護した。
ブルーの座席に座って、発車を待つ面々。
〔この電車は京浜東北線、快速、大船行きです。田端までは、各駅に止まります〕
[同日13:14.JR京浜東北線車内 上記メンバー]
JR大宮駅・京浜東北線ホームの発車メロディは、さいたま市の市歌をアレンジしたものが流れる……というが、市民の作者をして、どの部分をアレンジしたのかは謎だ。
恐らく、出だし部分の市民有志によるアカペラコーラスだと思われるが……。
せっかくだから、タケカワユキヒデが歌っている部分を使えと思うのは作者だけ?
〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は京浜東北線、快速、大船行きです。停車駅は田端までの各駅と、上野、秋葉原、東京、浜松町です。浜松町から先は、各駅に停車致します。次はさいたま新都心、さいたま新都心。お出口は、右側です〕
「マリアさん、手が赤いですけど、大丈夫ですか?」
ユタは隣に座るマリアの手を見て言った。
「ああ。肌が白いものだから、寒いとすぐ赤くなるだけだ……から、心配ない」
ユタはパッと同じ白い肌の威吹を見た。
「いや、ボクは大丈夫」
「オレもです」
銀色の妖狐2人は、寒さくらいでは赤くならないらしい。
「そうか。じゃあ、僕が温めてあげます」
ユタがマリアの手を握る。
本当にヒヤッとした。
「あ……その……ありがと……」
「いえいえ」
その様子を見ていたキノ、江蓮に、
「おい、手が冷たくなってねーか?オレが温めてやるぞ?」
と、振るが、
「あ?何か言った?」
スマホでゲームに夢中の江蓮、その指先は逆に熱そうだった。
「……何でもねぇっ」
「キノ、家の方は大丈夫なのか?」
威吹はキノに苦笑しながら聞いた。
「ああ……まあ、何とかな。今は家の修復中だ。弟も妹も療養中で、戦うことしか能の無ェオレは何もできやしねぇ。肝心の刀が折れりゃ、尚更だ。それが2〜3日で直るってんなら、その話に乗らねぇ手は無ェ。だからこうしてやってきた」
「栗原さんとも一緒にいれるからね」
ユタはニヤッと笑って言った。
「おう、さすがユタ。分かってんなー」
手は握らせてもらえなかったキノだが、肩ポンポンはやらせてもらえたようだ。
「あの、先生……」
「何だ?」
カンジがポーカーフェイスを崩さずに、タブレットを見ていた。
そのタブレットの画面を威吹に見せて言う。
「相模湖周辺は、雨の予報が出ています」
「ほお……。雪の次は雨か。まあ、これから剣の林がやってくるのだ。弾の雨でなければ、どうということはない」
「はい」
威吹は四字熟語の剣林弾雨に掛けたのだが、カンジ以外の者には分からなかったという。
剣客のキノも知らなかった。
除雪された歩道を進むユタ達。
幸いにして、あれから雪が降ることはなかった。
ずっと晴れ。
日差しの照り付ける所は雪が融けているが、日当たりの悪い所は相変わらず雪が残っている。
大人達が突然の大雪で難儀していたにも関わらず、子供達は逞しく、雪ダルマなんかを作っていた。
バス路線のある県道は、地下に首都高速さいたま新都心線が通っていて、その構造上、地上の県道は広い分離帯によって仕切られている。
そのあまりにも分離帯としては広過ぎるが故に、当局は遊歩道として整備している。
そこも雪が積もっていて、ベンチ脇に雪ダルマなんか置いてあると、子供達の逞しさが分かるのだ。
「うう……っ」
時折吹き荒ぶ寒風。
「今年の冬は寒そうだなぁ……。これも、魔界の揺さぶりか何かですか?」
ユタの質問に、マリアが答える。
「必ずしもそうとは言えないが、少なからず影響はあると思う。ただ、関東の雪に関して言えば、(雪女郎)連合会の仕業だ」
「雪女共め。余計なことしやがって」
「まあまあ、先生。逆にオレ達は雪に慣れているので、却って不慣れな魔界の者達を掃討することができました」
「何か、オレ達の実力が疑われているようで、少し癪に障るのだが……」
「そんなことはないさ。確実性を更に強くしただけのことだよ」
ユタもフォローするように言った。
そこへバスがやってくる。
ガラ空きのバス車内は、暖房が効いていて温かった。
4人して1番後ろの座席に座る。
〔発車します。お掴まりください〕
〔次は日赤入口、日赤入口。……〕
「キノ達はどうするんだ?」
威吹がユタに聞いた。
「今日は栗原さんが高校の終業式だから、それ終わって即行で来るってよ。あ、お昼は食べてくるだろうけどね。僕達みたいに」
「そうか……」
「イリーナさんは現地でお待ちなんですか?」
今度はユタがマリアに聞く。
「ああ。既に知り合いに頼み込んでいるみたいだ」
「刀の修理が2〜3日でできるなんて、さすがは魔道師ですね。ファンタジーでも、魔法が使える刀鍛冶が、それで主人公の剣を強化するって話があったような……」
「“ベタなファンタジーの法則”だな」
「……ですね」
ユタとマリアは2人して笑った。
(マリアさん、笑えるようになったなぁ……)
と、ユタ。
[同日13:00.JR大宮駅東口→構内→京浜東北線ホーム 上記メンバー、栗原江蓮、蓬莱山鬼之助]
〔お待たせ致しました。まもなく終点、大宮駅東口。終点、大宮駅東口でございます。……〕
ユタの母親が事故に巻き込まれたスクランブル交差点も、今ではそれが嘘みたいに穏やかになっている。
さいたま市のダウンタウンの1つなので、人の多さは相変わらずだが。
大宮高島屋の前でバスを降りると、4人はまた寒風に襲われた。
だが、あちこちで見かけるクリスマス・セールの案内を見ると、如何に平和であることが分かる。
これだけ見れば、魔界の脅威にさらされているとは、とても思えない。
「おう、遅かったじゃねーか」
「お前が早過ぎだ!」
駅構内の待ち合わせ場所に行くと、既にキノと江蓮が待っていた。
キノの嘯きにツッコミを入れるのは威吹。
この剣客達、実は漫才コンビとしてもイケるのでは?と、ユタは密かに思っている。
意外と気が合うし、激戦で刀が折れたのも奇遇過ぎる。
「栗原さん、何かこれから大会に遠征するって感じだね」
ユタは江蓮の恰好を見て言った。
「そう?まあ、逆にこれの方が怪しまれなくていいっしょ」
制服姿に剣道の竹刀(木刀?)を布袋に入れて肩に担いでいる。
まるで、これから剣道の大会に向かう女子剣道部員って感じだ。
実際、剣道部員ではあるのだが。
キノが稽古を付けたことにより、県内最強クラスにのし上がったことは知る人ぞ知る。
一応、功徳として支部内で体験発表したことも。
「まあ……実際、合宿みたいなものだ」
マリアはフッと微笑を浮かべた。
「おう、ユタ。これからは、お前の案内だ。マニアックなルートはカンベンだぜ?」
「はいよ。じゃあ、行きましょうか」
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、13時14分発、快速、大船行きです。発車まで、しばらくお待ち願います〕
京浜東北線の先頭車に乗り込んだ。
「……って、こいつで東京まで行くのかよ?」
「乗り換え無しで楽じゃないか」
文句を言いたがるキノに、ユタは平然と答えた。
「急ぐ旅でもないのだからいいだろう」
威吹もユタに援護した。
ブルーの座席に座って、発車を待つ面々。
〔この電車は京浜東北線、快速、大船行きです。田端までは、各駅に止まります〕
[同日13:14.JR京浜東北線車内 上記メンバー]
JR大宮駅・京浜東北線ホームの発車メロディは、さいたま市の市歌をアレンジしたものが流れる……というが、市民の作者をして、どの部分をアレンジしたのかは謎だ。
恐らく、出だし部分の市民有志によるアカペラコーラスだと思われるが……。
せっかくだから、タケカワユキヒデが歌っている部分を使えと思うのは作者だけ?
〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は京浜東北線、快速、大船行きです。停車駅は田端までの各駅と、上野、秋葉原、東京、浜松町です。浜松町から先は、各駅に停車致します。次はさいたま新都心、さいたま新都心。お出口は、右側です〕
「マリアさん、手が赤いですけど、大丈夫ですか?」
ユタは隣に座るマリアの手を見て言った。
「ああ。肌が白いものだから、寒いとすぐ赤くなるだけだ……から、心配ない」
ユタはパッと同じ白い肌の威吹を見た。
「いや、ボクは大丈夫」
「オレもです」
銀色の妖狐2人は、寒さくらいでは赤くならないらしい。
「そうか。じゃあ、僕が温めてあげます」
ユタがマリアの手を握る。
本当にヒヤッとした。
「あ……その……ありがと……」
「いえいえ」
その様子を見ていたキノ、江蓮に、
「おい、手が冷たくなってねーか?オレが温めてやるぞ?」
と、振るが、
「あ?何か言った?」
スマホでゲームに夢中の江蓮、その指先は逆に熱そうだった。
「……何でもねぇっ」
「キノ、家の方は大丈夫なのか?」
威吹はキノに苦笑しながら聞いた。
「ああ……まあ、何とかな。今は家の修復中だ。弟も妹も療養中で、戦うことしか能の無ェオレは何もできやしねぇ。肝心の刀が折れりゃ、尚更だ。それが2〜3日で直るってんなら、その話に乗らねぇ手は無ェ。だからこうしてやってきた」
「栗原さんとも一緒にいれるからね」
ユタはニヤッと笑って言った。
「おう、さすがユタ。分かってんなー」
手は握らせてもらえなかったキノだが、肩ポンポンはやらせてもらえたようだ。
「あの、先生……」
「何だ?」
カンジがポーカーフェイスを崩さずに、タブレットを見ていた。
そのタブレットの画面を威吹に見せて言う。
「相模湖周辺は、雨の予報が出ています」
「ほお……。雪の次は雨か。まあ、これから剣の林がやってくるのだ。弾の雨でなければ、どうということはない」
「はい」
威吹は四字熟語の剣林弾雨に掛けたのだが、カンジ以外の者には分からなかったという。
剣客のキノも知らなかった。
だからだろう。今の紹介者さんが、「元顕正会員だと言わない方がいいですよ」と仰るのは……。
身から出たサビだ。しょうがない。
ま、「どうせオレは元顕だから」と、開き直る方がいいだろう。
確か茜さん、前によっぴんさんの実名をさらしていませんでしたっけ?
だったらよっぴんさんも実名さらしてやればいいのです。
坂井久美子さんも、しつこい顕正会員には実名をさらしているようですからね。
それくらいしないとダメですよ。
パラパラ茜氏のブログ見ましたけど、酷かったですね。
入間の女子大生殺人事件を顕正会の罰と結び付けていますが、そんなの論理的に何の説明になりますか。
完全に被害者や遺族に対する冒涜ですね。
あんな論理が本当なら、顕正会員には近づくな、話も聞くな、もし何か反論でもしたら罰を当てられ酷い目にあう、クワバラクワバラ、触らぬ神に祟りなし、の論理になりますね。これでは顕正会員は嫌われ者よりも、鬼ごっこのお豆的存在、透明人間的存在になりますね。 何せ関わらないのが一番ですから。
何かパラパラ茜氏は、よっぴん氏を左遷デマ攻撃で切れさせられて、イニシャルなど書かれて破れかぶれになってるようですね。まさにそれこそパラパラ茜氏の言う「罰の現証」ではないでしょうか?
メアドを公開しているのだから、ある程度のことは想定していなくてはならない。
無論、その顕正会員のメールは度を過ぎている。実名さらしも、やむを得まい。
ただ、坂井さんのブログ文面に対して「だけ」は感心できない。
あれではパラパラ茜さんと同レベルに見えてしまう。
それに賛同している人達もいるが、私はちょっと無理だ。
やはり私は、武闘派とは相容れないようである。
まだ、一部の駅みたいですね。
大宮駅・京浜東北線ホーム、北与野駅はまだ津田さんのままです。
それと今後はATOS放送にも英語放送が付く?とみられているみたいです。