“新人魔王の奮闘記”
草木も眠る丑三つ時……とでも言おうか。魔王城内にも時計台はあって、それが午前2時を指している。もっとも、さすがに夜中は鐘が鳴ることはない。……のだが、今夜だけは違った。今回だけは、鐘が2回鳴る。
「陛下。お時間になりました。“王宮見学会”参加者も、予定通り集まりましてございます」
魔族の侍従が恭しくルーシーに申し上げる。玉座に腰かけているルーシーは、大きく頷いた。
「OK.それじゃ、早速通してちょうだい」
通された“参加者”は、皆ルーシーより年下の者ばかり。参加者は1度に10人前後である。
(ふふ……。まさか、先祖がやってた悪い儀式にインスパイアされるなんて、私も堕ちたか……)
虚ろな目をした参加者達を見て、ルーシーは自嘲の笑みを浮かべた。
(いや……。私は違う。先祖のヘマはしない)
そう決心すると、ルーシーは立ち上がった。そして、横一列に並んで跪く参加者達に透き通る声で言った。
「皆さん、こんばんは。今夜は“王宮見学会”へようこそ。……と言いたいところなんだけど、お家の人達が心配しないように、早めに終わらせるからね。後で参加褒賞として、銀貨1枚プレゼントするからね。じゃ、早速始めましょう」
ルーシーは、左端にいる少年を手招きした。人間界で言えば、高校生くらいだろうか。
「あなた、名前は?」
少年は虚ろな目をしたまま答える。
「フィルモア・ハリシャルマンです……」
「ではミスター・ハリシャルマン、しばしの快楽を……」
ルーシーは鋭い牙を覗かせ、少年の喉笛に食らいついた。
(あら、やっぱり美味しい。でも、ハリシャルマンってどっかで聞いたことある名字ね。貴族達の中にいたっけ……?)
そう考えるが、答えはこの時点で出なかった。
「待てーっ!」
「止まれや、ゴルァ!!」
レナは大勢の衛兵達に追われながらも、謁見の間に飛び込んだ。
そこで、見たものは……。
「フィル!?フィルでしょ!?な、何やってんの!!」
魔王に吸血されている、行方不明の弟だった。レナは剣を構えて、ルーシーに飛び込んで行った。
「きさまーっ!!」
「ちっ!まだ途中なのに……」
ルーシーは忌々しそうに、少年の首から血を放した。そして、手近にあった羽付きの扇で応戦した。もちろん、ただの扇ではない。いざとなれば、鉄扇のような役割も果たすのである。
「英雄気取りの反逆者よ。私の“食事”の邪魔をするなんて許せないわ。生きてこの城から出られると思うな!」
ルーシーは澄んだブルーの瞳を赤く光らせた。
「そっちこそ、よくも……」
その時、謁見の間が騒がしくなった。衛兵達が集まってきたのだ。
「陛下!お怪我はありませんか!?」
「私は大丈夫よ。さあ、この者を引っ捕えよ!そして、地下牢に収監しなさい!」
ルーシーが号令を下すと魔族、人間を問わず、レナに向かって行った。
「くっ!」
レナはレイピアを構え直した。
「あははははは!無駄よ、無駄!悪あがきはやめなさい!春明の元仲間だか何だか知らないけど、一介の傭兵に何ができるっていうの!」
ルーシーは扇で扇ぎながら、高笑いをした。
「や、やめろ!やめるんだ!!」
その時、ようやく春明が駆け付けた。が、
「お前は絶対に処刑してやる!」
「黙れ!極悪魔王め!!」
「……聞いちゃいねーし」
春明、完全に蚊帳の外だった。
草木も眠る丑三つ時……とでも言おうか。魔王城内にも時計台はあって、それが午前2時を指している。もっとも、さすがに夜中は鐘が鳴ることはない。……のだが、今夜だけは違った。今回だけは、鐘が2回鳴る。
「陛下。お時間になりました。“王宮見学会”参加者も、予定通り集まりましてございます」
魔族の侍従が恭しくルーシーに申し上げる。玉座に腰かけているルーシーは、大きく頷いた。
「OK.それじゃ、早速通してちょうだい」
通された“参加者”は、皆ルーシーより年下の者ばかり。参加者は1度に10人前後である。
(ふふ……。まさか、先祖がやってた悪い儀式にインスパイアされるなんて、私も堕ちたか……)
虚ろな目をした参加者達を見て、ルーシーは自嘲の笑みを浮かべた。
(いや……。私は違う。先祖のヘマはしない)
そう決心すると、ルーシーは立ち上がった。そして、横一列に並んで跪く参加者達に透き通る声で言った。
「皆さん、こんばんは。今夜は“王宮見学会”へようこそ。……と言いたいところなんだけど、お家の人達が心配しないように、早めに終わらせるからね。後で参加褒賞として、銀貨1枚プレゼントするからね。じゃ、早速始めましょう」
ルーシーは、左端にいる少年を手招きした。人間界で言えば、高校生くらいだろうか。
「あなた、名前は?」
少年は虚ろな目をしたまま答える。
「フィルモア・ハリシャルマンです……」
「ではミスター・ハリシャルマン、しばしの快楽を……」
ルーシーは鋭い牙を覗かせ、少年の喉笛に食らいついた。
(あら、やっぱり美味しい。でも、ハリシャルマンってどっかで聞いたことある名字ね。貴族達の中にいたっけ……?)
そう考えるが、答えはこの時点で出なかった。
「待てーっ!」
「止まれや、ゴルァ!!」
レナは大勢の衛兵達に追われながらも、謁見の間に飛び込んだ。
そこで、見たものは……。
「フィル!?フィルでしょ!?な、何やってんの!!」
魔王に吸血されている、行方不明の弟だった。レナは剣を構えて、ルーシーに飛び込んで行った。
「きさまーっ!!」
「ちっ!まだ途中なのに……」
ルーシーは忌々しそうに、少年の首から血を放した。そして、手近にあった羽付きの扇で応戦した。もちろん、ただの扇ではない。いざとなれば、鉄扇のような役割も果たすのである。
「英雄気取りの反逆者よ。私の“食事”の邪魔をするなんて許せないわ。生きてこの城から出られると思うな!」
ルーシーは澄んだブルーの瞳を赤く光らせた。
「そっちこそ、よくも……」
その時、謁見の間が騒がしくなった。衛兵達が集まってきたのだ。
「陛下!お怪我はありませんか!?」
「私は大丈夫よ。さあ、この者を引っ捕えよ!そして、地下牢に収監しなさい!」
ルーシーが号令を下すと魔族、人間を問わず、レナに向かって行った。
「くっ!」
レナはレイピアを構え直した。
「あははははは!無駄よ、無駄!悪あがきはやめなさい!春明の元仲間だか何だか知らないけど、一介の傭兵に何ができるっていうの!」
ルーシーは扇で扇ぎながら、高笑いをした。
「や、やめろ!やめるんだ!!」
その時、ようやく春明が駆け付けた。が、
「お前は絶対に処刑してやる!」
「黙れ!極悪魔王め!!」
「……聞いちゃいねーし」
春明、完全に蚊帳の外だった。
エアクリートとはペダリングの技である。ママチャリ&サンダルのようなクリートしてない時でも、ムリヤリ引き脚を使ってやろうという強引な技であるw
チャリのペダリングは難しい。ただ単にペダルを回すだけなら誰だって出来る。ババアや幼女だって出来る。例えるなら、腹式呼吸できなくてもカラオケなら上手く歌えるようにw
しかし、レースやツールような速く強く長くの走りが要求される状況では、正確なペダリングは必須である。パワフルかつ効率的にペダルを高速回転させなくては勝てないのだorz
そこで俺はエアクリートを開発した。自己満のペダリング練習法であるw
なにはともあれ、練習してみよう。ママチャリ&サンダルだぜ。もちろんクリートなんかね~よ。てか、ママチャリでクリートするヤツいね~よw
ママチャリだから引き脚が使えないが、それでも強引に引く。指でペダルをキャッチして、そっから地面を掘るようなイメージ……う~む、俺ごときの文才では表現するのが難しいが、ネコパンチのような感覚かなぁw
とりあえず、エアクリートでちょっとは引き脚が使えるようにはなると言うか、正しい引き脚が身に付く。そして踏み脚とのリズミカルな天秤を描いてペダルを回すと、たとえママチャリでも40キロは出せるぜw
ちなみに、踏み脚と引き脚のリズムは凄く大事だ。リズムが良ければ、言い変えれば両脚のバランスが取れていれば、ペダリング最大の難所「死点」をスムーズに越えられるのである……
ペダリングにはふたつの死点がある。時計の回りに例えれば、12時の位置を上死点、6時を下死点と言い、そこは踏みと引きがチェンジする力が入らないポイントである。例えになってね~と思うけど、常磐線が藤代のデッドセクションで直流~交流するようにw
しかし、ペダリングのリズムが良ければ強い慣性が生まれ、死点を瞬殺で突破できるのだw
さらに高等テクを言えば、死点で脚力をゼロにするというペダリングもある。ペダルの回転に脚を任せ、死点を休憩地点にするのだ。休憩地点があるなら、当然そのぶん長く脚を使えるし、瞬発力も生まれるぜw
と、まぁ、なんだか専門っぽい事を述べてきたが、俺はただの競輪好きオヤジ。シロ~トの自己満は本気にしないよ~にw
もっとも、東京が暑すぎなだけなのでしょうが。
3時休憩で書いています。
ふるさとも暑いですよ。夏季休暇には戻られるのでしょうか。
先日、中華屋さんで夕食を食べていると、前方の席で会話が盛り上がっている中年女性が二人いらっしゃました。
一人がカメラを持ち出して何やら説明を始めたので、何気なく液晶画面を見ると映っていたのは、三門から塔頭などで、結構の枚数でした。
私は時間切れで店を出ましたので、その後の成り行きは分かりませんが・・・!
体にご自愛のうえ、暑い夏を乗り切ってください。