報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「家族旅行2日目の夜から最終日の朝にかけて」

2022-05-28 16:33:47 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[5月4日23:30.天候:雷雨 宮城県仙台市青葉区本町 仙台市地下鉄勾当台公園駅→南北線電車(列番不明)先頭車内]

 雷鳴が轟く中、2人の魔道士は歓楽街にあるラブホを出て、最寄りの地下鉄駅に向かった。
 2人とも雨除けの為、ローブを着込んでフードを深く被っている。

 勇太:「凄い雨だ……」
 マリア:「私の予知では、夜半過ぎに雨は止むことになってる」

 しかし雨が止むまで待っていたら、宗一郎に定められた門限に間に合わない為、強行してきた次第。
 幸い魔法のローブは、雨の時は完全防水となる。
 駅への階段を下りて、ローブを脱ぎ、バサッバサッと付着した水滴をはらうと、あら不思議。
 ズブ濡れになっていたローブがたちまち乾くという優れものだ。
 その為、魔道士は傘を差すことはない。
 これもまた、魔女狩りが魔女を狩る時の目安になっていたりする。

 勇太:「はい、キップ」
 マリア:「ありがとう」

 券売機で勇太は、マリアに乗車券を購入した。
 勇太自身はSuicaで乗車する。

 マリア:「勇太、少しゆっくり歩いて」
 勇太:「えっ?」
 マリア:「……勇太が激しかったせいで、下半身が痛いの」
 勇太:「ご、ゴメン……」

 マリアの最近の性の悩みはこれ。
 欧米人女性にしては体が小さいせいか、性器も小さく、勇太の名前の通り『勇ましくて太い』ナニを受け入れるのが大変になっている。
 最近というのは、どうも勇太のナニが更に『勇ましくて太く』なったのか、はたまた自分の性器が更に小さくなったのかは分からないが、とにかくサイズが合わなくなったのである。
 ヤっている最中は、『痛気持ちいい』感じなので、決してヤるのも嫌になったというわけではないのだが……。
 終わった後で、毎回下半身に力が入らなくなる痛みというのが気になり出したということだ。

 マリア:(師匠が帰って来たら、ちょっと相談に乗ってもらおう……)

 エスカレーターを下りて、ホームに辿り着く。
 さすがにホームに、人影は少なかった。

〔1番線に、富沢行き電車が到着します〕

 勇太:「この電車で帰れば、門限に間に合うよ」
 マリア:「そうだな……」
 勇太:「まだ痛む?」
 マリア:「何で毎回、ロストバージンみたいな痛みを……」
 勇太:「こ、今度は優しくするから……」

 電車が入線してくる。
 さすがに車内はガラガラだった。
 乗り込んで、ツツジの模様が入った座席に腰かける。

 

 内装が更新された車両なのだが、座席はバケットシートではない。

〔1番線から、富沢行き電車が発車します。ドアが閉まります〕

 短い発車サイン音がホームに鳴り響く。

〔ドアが閉まります。ご注意ください〕

 車両のドアとホームドアが閉まる。
 駆け込み乗車もなく、電車はスムーズに発車した。

〔次は広瀬通、広瀬通です。一番町、中央通りはこちらです〕
〔The next stop is Hirose-dori station.N09.〕
〔日蓮正宗仏眼寺へは、愛宕橋でお降りください。冨士大石寺顕正会仙台会館へは、終点富沢でお降りください〕

 勇太:「ローションとか使った方がいいかなぁ……」
 マリア:「使っても同じだろう?」
 勇太:「いや、分かんないよ。実家に帰ったら、東京に行って探してみるよ。秋葉原には、そういう専門店とかあるから」
 マリア:「そうなのか……」

 マリアは少し俯いた。

 マリア:(私も変わったな……。いつ……変わったのかな。“魔の者”との戦いの後か?)

 マリアも何故か、勇太の考えている店に一緒に行きたいと思ったのだ。
 『男のロマン』の店なのだから、本当には一緒に行くべきではないはずなのだが……。

 勇太:「どうしたの?まだ痛む?」
 マリア:「いや……何でもない」

 仙台駅までは5分足らずで着いてしまうが、仙台駅に着いてもまだ外は雷雨だった。

[5月5日07:00.天候:晴 仙台市青葉区中央 ホテルモントレ仙台・客室→朝食会場]

 家族が朝の支度をしている最中、勇太は朝の勤行。
 それから一緒に朝食会場へ行く。
 ここでもベタな法則通り、ビュッフェスタイルの朝食であった。

 宗一郎:「今日で帰るんだけど、勇太達はもう少し残ってるかい?」
 勇太:「えっ?」
 宗一郎:「昨夜、勇太達がいない間、思ったんだけどね。そういえば、勇太とマリアさん、2人っきりの時間も必要なんじゃないかと思ったんだよ」
 勇太:「なるほど。それはそうだね」
 宗一郎:「朝食が終わったら父さんと母さん、先に帰るけど、今日中に帰ってくるなら、もう少しここにいてもいいよ?」
 勇太:「でも、帰りの新幹線は?指定席じゃないの?」
 宗一郎:「いや、帰りは特に指定は取っていない。これがキップね」

 宗一郎は2人分のキップを渡した。
 自由席特急券であるが、追加料金を払えば指定席やグリーン車に乗れる。
 しかも、帰りの乗車券は蕨駅までであった。

 勇太:「そうなんだ。じゃあ、そうしようかな。マリア、行きたい所ある?」
 マリア:「うん。実はある」
 宗一郎:「ちょうど良かった。それじゃ勇太、マリアさんを連れていってあげて」
 勇太:「分かったよ。どこへ行きたい?」

 勇太はついてっきり、マリアがどこか遊びに行きたいものだと思っていた。
 だが、意外な行き先を言ったのである。
 勇太はすぐにそこへの行き先をスマホで検索した。

 勇太:「しかしよくマリア、こういうのを見つけたね」
 マリア:「私も本はよく読むんだ。だけど、図書館に行く機会は無い。だから、屋敷から出る機会があったら、是非行ってみたいと思った」
 勇太:「まあ、行き方も分かったから、あとは任せて」
 マリア:「ありがとう。よろしく」

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