報恩坊の怪しい偽作家!

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クロノ・ストーリー

2013-09-07 15:19:45 | 日記
 “顕正会版人間革命シリーズ”の“妖狐 威吹伝”より。

「……ふんふん」
 威吹はユタの部屋で、ある本を読んでいた。
「よし。予約できた。“やきそばエクスプレス”1号」
 ユタはパソコンのキーボードを叩きながら呟いた。そして、振り向く。
「威吹。御書、読めるの?」
「そりゃ読めるさ。この時代の字と用法を覚えればね」
 威吹は江戸時代から生きる妖狐であり、顕正会的には都合のいい存在ではないかもしれない。
 何故なら、とある稲荷神社の狐の石像に封印されていたからである。彼が何故、そこに封印されていたのか。それは明かされていない。
「ねぇ、威吹よりずっと年上の妖狐達……」
「うん」
 威吹などまだ若輩者で、威吹の剣の師匠などは齢1000年は数えている。
「鎌倉時代、本物の日蓮大聖人を見たことがあるのかな?」
「どうだかねぇ……。その日蓮とかいう坊さん、色々な所を回ったみたいだね」
「そうなんだ。威吹、鎌倉へは?」
「行ったことないなぁ……。封印前は江戸と青梅街道しか知らない」
 江戸はともかく、青梅街道は大聖人と縁は無かっただろう。ちなみに江戸が取り上げられなかったのは、当時の江戸はただの田舎町でしかなかったからであるし、そこで大聖人が何かされたという伝説も無いからである。
「鎌倉時代に、威吹の知り合いはいる?」
「山の中に住んでいた奴なら知ってるよ。ただ、そいつも鎌倉に幕府があった後の生まれだからね」
「それじゃ、あの光球の正体は知らないか……」
「光球?」
 ユタは腰越での大聖人の伝説を話した。
「ふーむ……」
「何か、心当たりはあるかい?」
「妖術の中に、いくつか似たようなものはあるけど……」
「それかな?」
「ユタの話じゃ、坊さんの周りを多くの武士が取り囲んでいたわけでしょ?その光球がどれだけの大きさにもよるな……」
「あっ」
「小さい玉が複数飛んできたのかい?それとも、大きな玉が1つ飛んできたのかい?武士達にケガ人や死人は出たかい?」
「……後で調べておくよ」
 ユタはそう言って、再びパソコンに目を向き直した。威吹は何故かホッとした顔になった。
(人間にとっては、日蓮が八幡菩薩に命じて起こさせた法力ということにしておいた方がいいんだろう。ヘタに否定して、ユタに嫌われたくないからなぁ……)

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 “ボカロマスター”のリメイク前の作品だと、敷島達がタイムマシンで鎌倉時代に飛び、光球の正体を探るというエピソードがある。その際、光球の正体は【自主規制致します】。
 “妖狐 威吹伝”だと、鎌倉時代から生きていた威吹の人生の先輩に話を聞くというエピソードになっている。但し、威吹自身が結構後まで渋るため、かなりストーリーが進んでからである。

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