報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「夏休み初期の動き」 3

2022-09-28 20:16:25 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月26日09:00.天候:晴 千葉県浦安市舞浜 東京ディズニーランド駐車場]

 私達が乗った車は、開園時間くらいにディズニーランドの駐車場に到着した。
 平日なので空いている方だろうが、やはりそこは夏休みなのだろう。
 案外、多くの車が料金所に並んでいた。
 が、満車で入れないなんて事は無いようで、すんなり入場できた。
 まだコロナ禍の影響があるのだろうか。

 高橋:「ん?送迎じゃなくて、駐車なんスか?」
 愛原:「ああ。ディズニーランドの駐車場は、同じ車であれば、当日の再駐車が認められている。送迎は10分だけだろ?今はともかく、帰り、10分の待ち合わせで済むと思うか?」
 高橋:「後ろの連中のことだから、閉園ギリギリまでいそうっス」
 愛原:「そうだろ?それに、園内で何かあった場合、俺達が駆け付けることになる。また駐車券を発行する手間を考えれば、再駐車のことを予測して駐車券をもらっておいた方がいい」
 高橋:「なるほど!さすがは先生っス!」

 尚、平日の普通車料金は2500円である(土休日は3000円)。
 因みに、1日料金。
 適当に空いている所に、車を止める。

 愛原:「はい、着いたよ」
 リサ:「ありがとう」
 絵恋:「ありがとうございます!」
 淀橋:「ありがとうございます」
 小島:「ありがとうございます!」
 愛原:「今日の閉園時間は21時のようだが……?」
 リサ:「もちろん、閉園までいる」
 絵恋:「リサさんの指示に従います!」
 淀橋:「魔王様の御命令です」
 小島:「同じく」
 愛原:「魔王軍か、キミ達はァ……」
 高橋:「あと1人入れりゃ、オメーラ四天王だな」
 絵恋:「はっ!?」
 淀橋:「確かに……」
 小島:「そうねぇ……」
 愛原:「まあ、いいや。それじゃ、21時までに迎えに来る。多分、再駐車場所はこことは別だろうから、帰るってなった時にLINEくれ」
 リサ:「承知!」

 魔王軍……もとい、リサ達は、喜び勇んでディズニーランドのメインエントランスに向かった。

 高橋:「帰りますか、先生?」

 高橋は車のギアをDに入れた。

 愛原:「ちょっと待て。今、善場主任に経過報告をしている。すぐに返事が来るだろうから、それまで待とう」
 高橋:「分かりました」

 どうせもう駐車券を手にしたし、今日1日は駐車できる。
 そして予想通り、善場主任から返信が来た。
 その内容は……。

 善場:「了解しました。駐車料金などの諸経費は、後ほどお支払いします。尚、今回はBSAA極東支部韓国地区本部隊の訓練生達が同行するようです」

 とのことだ。

 愛原:「BSAA韓国地区本部!?何故に!?」
 高橋:「お、パーク内でガチの銃撃戦っスか!?」
 愛原:「どうせやるならウェスタンランドで……って、違う!ちょっと確認するわ!」

 私は善場主任に電話した。

[同日09:15.ディズニーランド・メインエントランス内]

 ……魔王軍もとい、リサ達を待ち受ける者がいた。

 リサ:「あっ!」
 パク・ヨンヒ:「皆さん、おはようございます」
 淀橋:「パクさん!?」
 小島:「どうしてここに?」
 ヨンヒ:「アタシだけ除け者にしようったって、そうはいかないっての。……なーんてね。日本をエンジョイする為です」
 リサ:「ちょうどいい。ヨンヒ、オマエ、今日から四天王入り」
 絵恋:「ええっ!?」
 ヨンヒ:「シテンノー?どういう意味ですか???」
 淀橋:「た、確かに四天王って感じはする……ね」
 小島:「う、うん……」

[同日12:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 高橋:「先生、ホットドッグ焼けましたー」
 愛原:「おー、ありがとう」

 一旦事務所に戻った私は、高橋が手作りしたホットドッグを昼食に食べた。

 愛原:「ディズニーリゾートライン、乗ってみたかったなぁ……」
 高橋:「早めに行って、乗ってみますか?」
 愛原:「口実が無いもんな。本当だったら、ディズニーランドステーションから乗ってみて、ゲートウェイステーションで降り、イクスピアリにあった天賞堂に行きたかったのに……」

 鉄道模型店として有名な天賞堂。
 それが何と、イクスピアリにもあったのだ。
 知る人ぞ知る情報である。
 が、今は既に撤退している。

 高橋:「でも先生、鉄道模型って扱ったこと無いじゃないスか?」
 愛原:「模型店で売っているのは、何も鉄道模型だけではないのだよ、正義君」
 高橋:「さ、サーセン!」
 愛原:「それ以外のグッズも扱っていたりするのだよ?」
 高橋:「そ、そうっスね!すいませんでした!」
 愛原:「! そうだ、高橋!」
 高橋:「はい?」
 愛原:「ランドの駐車券、見せてくれ!」
 高橋:「は、はい!」

 高橋は駐車券を私に見せた。

 愛原:「! これだ!この手があった!」
 高橋:「な、何スか!?」

[同日21:00.天候:晴 千葉県浦安市舞浜 舞浜リゾートライン東京ディズニーランド・ステーション]

 愛原:「お、来たなー」

 約束の時刻になり、少女達はモノレールの駅まで来た。
 彼女らの手には、お土産のディズニーグッズで一杯である。

 リサ:「お待たせ」
 愛原:「本当に閉園ギリギリまでいたんだなー」
 絵恋:「ま、魔王軍は永久に不滅なのよ!」
 高橋:「なに、マジで魔王軍結成してんだよw だいたい、四天王はどうした?1人いねーぞ?」
 リサ:「ヨンヒなら、先に帰った。もちろん、ヨンヒもディズニーグッズ買い込んでた」
 愛原:「パク・ヨンヒさん?……あ、そうか!善場主任の仰ってた韓国BSAAって、彼女のことか!?」
 淀橋:「韓国にはディズニーリゾートが無いからって、1番エンジョイしてましたね」
 愛原:「まあ、確かにアジアだと、日本以外は中国に2ヶ所あるだけか」

 まあ、石景山遊園地も入れると3ヶ所と言えなくもない。

 リサ:「それで、どうしてモノレールの駅に呼んだの?」
 愛原:「実は車は、ディズニーシーの駐車場に止めてるんだ」
 絵恋:「ええっ?!どうしてですか!?」
 愛原:「キミ達、まだ最後のアトラクションに乗ってないでしょ?モノレールが、今回の最後のアトラクションだ」
 リサ:「なるほど。それはうっかりしてた」
 絵恋:「リサさん!?」

 もちろん、モノレールはれっきとした公共交通機関であり、パークのアトラクションとは全く別物である。
 その為、パークのチケットは利用できない。

 高橋:「要はオメェら、先生を除け者にした罪で、モノレールくらい付き合えやってことだ」
 絵恋:「ええーっ!?」
 淀橋:「ま、マジか……」
 小島:「まあ……いいけど……」
 リサ:「先生は魔王の更に上を行く……何だろう?」
 絵恋:「破壊神?」
 小島:「神龍?」
 淀橋:「エビルプリースト?」
 高橋:「勇者って言えや、コラ!」

 まあ、好きに呼んでくれ。
 最後に私はモノレールの乗車体験を、彼女達はモノレールの車窓から見える夜景を楽しんだのだった。
コメント (4)
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