Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

富める貧者の国    佐和隆光+浅田彰(ダイヤモンド社)

2005年12月03日 | 本と雑誌
Hitorigaten
京都に根っこがある賢人の目に映った、日本の繁栄や日本人の内面性に迫った対談集。
幅広い分野から「現代日本」の分析がなされており、拙い知的好奇心は、「ひとりブレーンスト-ミング」状態に陥ってしまった。


○日本という国が豊かのは、日本人が貧しいからだ、という逆説も成り立つように思える。
(仏、社会学者ジャン・ボードリヤール)
○クアラルンプール街の落ち着き→イスラム教
(宗教が自己規律の安全弁)
○80年代初頭:工業製品生産→14億人
(OECD、ソ連、東欧、NIES)
○80年代後半:工業製品生産→45億人
(OECD、ソ連、東欧、NIES+アジア+中南米)
○何か理論的な裏付けがある訳じゃないから、本当に信頼できるかどうか確証は持てないが、とりあえずアクティブに動く用意のある人達が出現
○成長は数字で一目瞭然、成熟は見えない。
○日本人:中空構造→アイデンティティが無い→強い外部との接触により呑み込まれないよう一丸。
○モノが豊富にあることを前提にして、倫理観や世界観を確立。
○利己的遺伝子:生物の進化はただ目的無く起こる→先見性は何もない:リチャードドーモンス
○「弱者との共存」を忘れ「弱肉強食」に戻ってしまうなら、人間は人間であることをやめ、単なる生物になってしまう。
○日本の風土はすごい:これだけ経済成長しておきながら、75%は山と森。
○グローバルパラドックス:グローバル化が進むほど、より小さなユニットの重要性なり役割が増すという逆説。
○議会における議論は、結果を出すためのプロセスに過ぎず、アセスメントや調査費も即ち着工を意味している。
○米国は巨大な政府:公務員割合 米国18%
  (教職員 学校!)、日本6%