カランバカからアテネ方面へ4時間程バス移動しデルフィ遺跡へ向かいました。
デルフィ遺跡は山の斜面にあります。
<アポロンの神殿>
デルフィに「アポロンの神殿」が創建されたのは紀元前650年だそうですが、2度の火災に会い、現在私達が見ることが出来るデルフィ遺跡は紀元前370年頃のもののようです。
デルフィ遺跡見学の前に遺跡の近くにあるデルフィ博物館を見学しました。ここには遺跡から出土したものが展示されていて、「アポロン神殿の破風」、今は台座だけが残るその上に乗っていたとされるオリジナルの「踊る少女達の像」、参道の脇の円柱の上に乗っていたとされる「ナクソス人のスフィンクス」などが印象に残りました。少しでも考古学の知識があればもっともっと興味深く見学出来たのですが...。
<破風>
<踊る少女達の像>
<ナクソス人のスフィンクス>
遺跡へは、古代の人々が神殿にお参りしたと思われる道順で私達も歩きました。下の写真の右下が古代の参道です。
<古代の参道跡>
<古代の参道跡>
上の写真にも左側に小さく映っていますが、古代の参道跡を歩いて行くと「アテネ人の宝庫」が建っています。ほぼ当時の姿に復元したもので、南壁の献辞によると、アテネがマラトンの戦いでペルシャ軍に勝利した感謝のしるしとして、アポロンに捧げた宝庫と記されているそうです。
<アテネ人の宝庫>
こんな感じで参道跡を歩いて行き、今はドーリア式列柱だけが残る「アポロンの神殿」に辿り着きました。
<アポロン神殿のドーリア式列柱>
道一つはさんだ小高い所に「アポロンの神殿」を見下ろす様に古代劇場が建っています。これも紀元前4世紀の遺跡だそうですが、今でも夏にはここで公演が行われるそうです。ここの観客席から眺めるデルフィの聖域は何だか神秘的でした。
<古代劇場とアポロンの神殿>
古代劇場からさらに少し登るとスタジアムがあります。細長いスタジアムで、観客席が今も残っていました。
<スタジアム>
アポロンの神が予言の神であったことで、古代にはアポロンの神の声を聞こうとギリシャの各地から人々が、この「アポロンの神殿」に集まって来て、この辺りはとても賑わっていました。記録によると、その中にはアレキサンダー大王の名もあるそうです。
この「アポロンの神殿」での神託を受けずして、重要な政治判断が下されることはなかったとまで言われるデルフィ遺跡だそうですが、今はただ山の斜面に遺跡として静かに残っているだけです。途方もない時の流れを感じるとともに、私達のまばたきのような一瞬の生を思いましたね。