日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

NHK-BSハイビジョンでメトロポリタン・オペラを楽しむ

2011-02-23 21:59:02 | 音楽・美術
今週は嬉しいことにNHK-BSハイビジョンでメトロポリタン・オペラを観ることが出来る。第一夜は「ばらの騎士」(R.シュトラウス)で日曜日午後10時45分に始まり、終わるのが翌月曜日の午前2時25分の予定であった。こんな時間まで起きていられるかなと案じていたら、案の定、第一幕ですでにウツラウツラが始まった。目の前にベッド・シーンが演じられていたせいなのかも知れない。

しかし第二夜の「カルメン」(ビゼー)、これは始まったのが午後10時なので午前1時までは大丈夫、ということでじっくりと楽しんだ。物語の展開はもちろん、演出や舞台装置などにも注目したいところがたっぷりあるので、おちおち居眠りなどしておられなかった。ホセを演じるアラーニャはまさにはまり役といった感じで、ホセそのものになりきっている。一年ほど前にゲオルギューとアラーニャのメトロポリタンオペラ「つばめ」 迫真演技の謎?で、《2009年8月11日にゲオルギューが年末にメトでアラーニャと共演するはずの「カルメン」への出場を個人的な理由と言うことで取り消したので、この「つばめ」が二人の最後の共演舞台となったのだろうか。》と書いたが、二人の夫婦別れは現実のものになったのだろうか。そのゲオルギューに代わってカルメンを演じたのがエリーナ・ガランチャで、私はこの舞台が初対面であったが、もうぞっこん惚れ込んでしまった。歌といい演技に踊り、これまたカルメンそのものである。

外国で上演されたオペラがテレビで放映されるのは、たとえそれが1年以上前の舞台のものであろうと問題ではない。居ながらにして新しい演出とか舞台装置の工夫を目にすることが出来るからであるが、一番楽しみなのは新しい歌手にお目にかかれることである。エリーナ・ガランチャもそうで、「カルメン」を観た後で調べてみると、ラトヴィアのリガで1976年生まれとのこと。ヨーロッパの数々の舞台での活躍ぶりが報じられており、今や注目の的だそうであるが、私には初見参であった。つい最近もロシア生まれのソプラノ、アンナ・ネトレプコにYoutubeでたっぷりお目にかかったばかりだったので、もしかして二人のデュエットがあればと思い探したら、ちゃんと「ホフマンの舟歌」が登録されていた。人も歌も美しい。二曲目はLeo Delibesのオペラ「Lakme」からの「花の二重唱」。この二人にもう嵌ってしまった。





この「カルメン」については「After 24 Years, the Met Finally Has a Great ‘Carmen’ Again」との見出しで丁寧な舞台評があるので、興味のある方はご覧あれ。

夕べの「シモン・ボッカネグラ」(ヴェルディ)ではシモン役がなんとテナーならぬバリトンのプラシド・ドミンゴ。年齢を感じさせない熱唱と迫真の演技にただただ酔いしれる。ここでもシモンの娘を演じたアドリエンヌ・ピエチョンカに、その結婚相手であるジェノバの貴族を演じたテナーのマルチェルロ・ジョルダーニと二人の歌手を新に覚えて、その歌いっぷりを探す喜びが増えた。

それに楽しみなのがルネ・フレミングによる出演者のインタビューである。観客が知りたいようなことを実に上手に出演者に喋らす。幕間を利用しての限られた時間だけに、その簡にして要を得た問いかけがまた芸術的である。なんて書いているうちに10時からは「ハムレット」(トマ)が始まる。何はともあれ投稿を済ませて、手直しはあとに回そう。

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