日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

コリアンダーの花盛り

2011-05-20 20:01:59 | Weblog
風に吹かれて飛んでくるのか鳥が運んでくるのか、裏庭には蒔いた覚えのない種から草花が結構大きく育ってくる。ところが今年、花壇を埋め尽くすような勢いで大きくなったのがコリアンダーなのである。中には私の背丈を超えるものもあって、ジューンベリーを思わせる可憐な白い花を咲かせている。



もともと菜園の方に種を蒔いていたのに、摘み取る時期を逃したものが花を咲かせ、種を蒔き散らかしたらしい。今年の花壇をどうしようかと考えているうちにもどんどん大きくなるものだから、その勢いに圧倒されてただ眺めているうちにこうなってしまった。あとは種を採るまでと、気長に待つことにした。

コリアンダーは香菜(シャンツァイ)とも呼ぶが、私が始めてお目にかかったのはもう何十年も前のことで、中華料理店で中華粥を注文した際に、お粥の丼と一緒に運ばれてきた小皿の中に生魚の切り身や油条と一緒にコリアンダーを刻んだものが盛られていた。これを全部お粥の中にぶち開けて掻き回して食べる。コリアンダーの癖のある香りがとてもエキゾチックで、私の好物になった。神戸元町の南京街にでかけると八百屋さんで何時でも手に入れることが出来たので買うのが当たり前になっていたが、菜園を作ったのを機に自分で栽培を始めたのである。ピータン粥にピータン豆腐を始め、いくらでも使い道がある。春蒔きの種の育つのが待ち遠しい。

わが家では妻も雑食系なのでコリアンダーがすっかり定着しているが、この匂いに拒絶反応を示す人もいる。かって大学院生を連れてこの店に行き、仕上げに中華粥を注文して小皿が運ばれてくると、「先生、これ絶対に駄目なんです」と日ごろ小憎らしい口をたたく彼が小さな声で言うのである。そうか、彼を黙らすには理屈よりコリアンダーか、と思って愉快になった覚えがある。後年、私が退官する頃、大学は違ったがすでに国立大学の教授になっていた彼に、使って貰えそうな実験装置や実験書・専門書など、正式な移管手続きをしてを引き取って貰ったことを、ふと思い出した。


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1 コメント

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Unknown (nurserygoverness)
2011-05-25 21:14:12
イギリス滞在時はコリアンダーの花も結構見かけました。初夏の時期になると、各家庭それぞれの「ガーデニング」を堪能したものです。
各家庭それぞれ個性があり、公園庭園などに出掛けなくてもどこも美しかったのです。私がお世話になった家庭は庭を出ると一面が丘で、羊もいたりとまるで絵画みたいな風景でした。
緑や花は気持ちを穏やかにしてくれますね。ロンドンにあるChelsea Physic Gardenは特に興味深い薬草もあり楽しませてもらいました。
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