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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

福島原発事故 やっぱり圧力容器の下の方に穴が開いている

2011-03-28 20:33:04 | Weblog
原発事故発生の翌12日、原子力安全・保安院が記者会見で行った状況説明が私にはさっぱり飲み込めない。まずは事故が一体どのような段階にあってどのような手段を取っているのか、具体的な説明が欲しいと思った。そこで私は「原子力発電所の原子炉が、原子爆弾のように爆発を起こすということはありえない」 しかし・・・で述べたように、R.T.ゲイル・T.ハウザー著、吉本晋一訳「チェルノブイリ―アメリカ人医師の体験―」(岩波新書)からメルトダウンにいたる経過の部分を引用し、とくに次の部分を強調した。ここに再掲する。

 一般に、原子炉の炉心は水漬けになっている。しかし、新たな冷却水の供給が途絶えると、圧力容器にすでに入っている水は加熱し、沸騰し、蒸発してしまう。この現象が起きると、原子炉内の温度が上昇を初め、粒状の燃料を収容している燃料棒の被覆菅が溶融する。やがて、ウラン燃料も溶融を始め、炉心を溶融した放射性金属の塊に変えてしまう。 そうした経過をたどったあと、最終的には炉心は圧力容器の底部に「たまり」となって崩れ落ちる。やがて温度は華氏5000度(摂氏2760度)にも達し、炉心は容器を突き抜け、原子炉を封じ込めている外部構造物の底部へと溶融してゆく。これら構造物は放射能の漏洩と爆発に耐えられるように設計されているが、メルトダウンに対しては抗する手段は与えられていない。

そして翌13日の福島原発の「電源」と「水」への対応が超スローモーなのは何故なのかでは次のように述べて容器かパイプ類にヒビがはいった可能性を指摘した。

東京電力福島第一原発1号機の炉心は、水位低下が止まらずとのことであるが、炉心の水位低下が燃料棒を水面から露出させることになり、これが危険だから水を供給して水面を上昇させようとしているはずなのに、なぜ水位低下がとまらないのかが分からない。地震で容器かパイプ類にヒビがはいり、そこから漏れ出したのだろうか。私が取材者ならそれを問いただすだろうにと思った。

この日より15日目になる今日(28日)のasahi.comの記事(抜粋)である。

東電、核燃料の圧力容器損傷に言及「健全性は維持」

 しかし1~3号機いずれでも、圧力容器の水位計の数値は思うように上がっていない。東電は28日未明の会見で、注水しても圧力容器が満杯にならない原因を、「(圧力容器の)下の方に穴が開いているイメージだ」と認めた。穴が開いた理由は「わからない」という。

 圧力容器は燃料ペレット、燃料被覆管、格納容器、原子炉建屋と合わせた5重の放射能閉じ込め機能の中で、最も重要な位置づけだ。福島第一原発の圧力容器は厚さ16センチの鋼鉄でできており、底部には、計測装置などを外部から差し込む貫通部などがある。その周辺から漏れている可能性が考えられる。

 東電は、水面から露出した核燃料が過熱して損傷した可能性を認めている。専門家によると、核燃料を束ねた燃料棒が損傷して崩れ、圧力容器下部に落下してかたまりになると、表面積が小さくなって効率よく水で冷やせなくなる。極めて高温になった燃料が圧力容器の壁を溶かして穴を開けた可能性もある。
(2011年3月28日15時0分)

素人が一般常識で予測した「容器破損」の可能性に東電がいつ気づいたのかは分からないが、今頃になってその事実を発表するこの超スローモー振りはやはりただ事ではない。危機管理の鉄則はその状況下で最悪の事態を想定し対策を講じるべきではないのか。それが出来ていなかったからこそ今に至るまでに圧力容器内の燃料棒に由来する放射性物質が大量に外部に漏出し、先ほどの午後6時前のニュースで《福島第一原発2号機タービン建屋の外にある地下溝に水がたまり、表面から毎時1千ミリシーベルト以上の放射線を計測》と報じられるまでになってしまった。

私が福島第一原発に即刻米軍専門部隊の投入を!と声を上げてもう10日になるが今からでも遅くない、一刻も早く米軍投入に踏ん切るべきであろう。米軍も怖じ気付く事態になっていないことを祈るのみである。

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