日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

鳩山首相 ついにヤンキーゴーホームを叫ぶとは

2010-04-01 20:11:05 | Weblog
昨日の国会における党首討論で、鳩山首相は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について「(政府案の)腹案は用意している」と述べるにとどまった。しかし「命がけで、体当たりで行動し、必ず成果を上げる」と意気込みの並みならぬところを示した。自民党政権がすでに米国と取り決めたシュワブ沿岸部の現行計画をそのまま引き継げば命をかけることもないのに、何故ここまで『命』を強調するのかピンとこなかった。というより、この人の言葉の軽さも相変わらずだな、と冷ややかな目で眺めていた。中身を伴わない言葉とは分かっていても、「切腹してお詫びする」とでも言われた方がインパクトがあるのでは、とtwitterで進言申し上げようかと思ったくらいである。

しかし私は軽率であった。洩れ伝わってくるところでは、鳩山首相が確かに重大決心でもって米軍普天間飛行場問題の抜本的解決についに踏ん切り、近々全ての米軍の日本国領土からの完全撤退要求を米国に通告するというのである。私はかって今もアメリカの『占領下』にあるわが祖国日本

アメリカ軍は日本固有の領土から完全に撤退していただく。言葉を換えれば日本は基地の提供を一切廃止する。『占領軍』の撤退でもって、始めてわが祖国日本は文字通り独立国の体裁を取りうるのである。

と主張し、また日本は独立国といえますかでは、私とまったく考えをお持ちの白川静博士の次の言葉を紹介した。

首都圏にアメリカの飛行場も軍港もある。それで独立国といえますか。事実上、今も占領下といっしょ。同盟国なんてのは同等の条件で付きあっての話です。自衛隊のイラク派遣もアメリカの命令に従っているだけ

薄っぺら政治家の典型としか思えなかったあの鳩山首相が、まさかわれわれ安保闘争世代の郷愁を駆り立てる「ヤンキーゴーホーム」宣言を行うことを予知し得なかった私は浅はかであった。つい先日も「私はアメリカ大好き人間なのに、反米・嫌米だととらえられている節がある」と言わずもがなの釈明を首相がしたのも、韜晦の言であったのだ。閣内でも外務大臣、防衛大臣、消費者・少子 化担当にてんでバラバラ言いたい放題言わせて歯止めをかけなかったのも目くらましのためで、また世間から「ここまでアホとは思わなかった」とも「ほんにお前は屁のような」と罵られようと、大石内蔵助の境地さながらひたすら我慢を重ねてきたのも、電撃的に「ヤンキーゴーホーム」を遂行せんがための深慮遠謀かと、今さらながらわが身の不明を羞じるのみである。

そういえば鳩山首相の祖父鳩山一郎元首相にとって、米軍の日本駐留を認めることとなったあの安保条約調印を行った吉田茂元首相は、公職追放となった鳩山一郎が密約の下に党首の座を禅譲したにもかかわらず、その約束を反故にして党首の座を返却しなかった不倶戴天の仇であり、それに恨みを抱く鳩山一郎のDNAを濃厚に受けつぐ鳩山首相が、安保条約、ひいては米軍の日本駐留に心から反発していることをもっと早く察しておくべきであったのである。いずれにしてもこの期に「ヤンキーゴーホーム」の旗幟を鮮明にした鳩山首相に、私も改めて賛意を送りたい。ただ、その通告がアメリカ時間で4月1日のうちに予定されているというのがなんだか気になる。