日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

マラソンにも政界にもペースメーカーは不要

2010-01-31 18:31:54 | Weblog
今朝の雨模様に大阪国際女子マラソンが心配になったが、お昼頃には雨雲も薄くなり予定通りマラソン開始の号砲が鳴った。優勝への期待がかかりながらも故障で出場が危ぶまれた赤羽有紀子選手をはじめ、小崎まり選手や初マラソンの木崎良子選手、そして今回の走りで引退を宣言した木幡佳代子選手など、注目すべき選手の活躍をテレビで見守ることになった。

はじめからレースを引っ張っていた赤羽選手が半ばを過ぎた頃から故障の影響か次第に戦闘集団から後れ始め、やがて走りが一転してついに40キロ手前でコーチの夫にレースを止められるという痛ましい成り行きになった。雨と冷たさのせいか記録的には平凡なレースになり、優勝がエチオピアのアマネ・ゴベナ選手(2時間25分14秒)2位がポルトガルのマリサ・バロス選手(2時間25分44秒)で、3位に小崎まり選手(2時間26分27秒)が入り、ベテランのリディア・シモン選手の4位につづき5位に入ったのが木幡選手である。今回も含めて26回のマラソンをすべて完走という記録を打ち立て、有終の美を飾ったのは見事で感動した。初マラソンの木崎選手もそれに続く6位であった。

このレースを観ていて一つ気付いたことは、いつの間にかペースメーカーがマラソンから姿を消えていることであった。ペースメーカーについてはもう5年ほど前になるがかってのブログで次のように書いたことがある。

注文ついでにもう一つ、あのペースメーカーは止めて欲しい。

ペースメーカーはいわば兎の目の前にぶら下げられたにんじん役であろう。ペースメーカーが引っ張るかたちでレースが展開していく。気がついてみるといつの間にか日本でのマラソンレースに『にんじん』が登場してしまった。私は気にくわない。マラソンこそ走る選手のまさに一人勝負ではないのか。だからこそ月桂冠が燦然と輝くのである。もちろんそれまでの練習は監督、コーチをはじめとする支援グループとの共同作業的性格があるだろう。しかし本番で走り出したらもう選手の独壇場である。ペースの配分も含め走りの組み立てるのは自分の体調をもっとも良く知る選手個人である。

選手のその自己完結性に水をさすのがこの『にんじん』である。走りの最初を『にんじん』に引っ張らせて、という発想が間違っている。もっとも肝心なペース作りを選手が『にんじん』に委ねる怠惰さは、マラソン競技の高貴さとは相容れない。日本で率先して使用禁止として、外国の範となるべきなのである。

この願いが通じたのか、ペースメーカーが消えてしまっているのはよかった。何時の頃からだろうか。ひょっとしてマラソンの規約でも変わったのだろうか。そして、それと同時に政治の世界からもこのようなペースメーカー役を追い出したいものだとの思いが湧いてきたのである。昨日の朝日朝刊に次のような記事を見たせいなのかも知れない。


要するに民主党の143人の新人国会議員がここに言う小沢イズムで洗脳され「傀儡(くぐつ)」と化して行きつつある現状が紹介されているのである。その旗振りをしている小沢執行部がいわばペースメーカー役のようなもの、まったく不要の存在である。そう言う判断すら自ら放棄して唯々諾々と旗振り役について走る新人国会議員のどこに国民の負託に応えるという責任感があるというのだろう。私が韓国歴史ドラマにはまっているせいか、これらの新人国会議員が世襲貴族に飼われた私兵のように見えてくるのがなんとも不気味である。早く自分の判断で走り始めて欲しいものである。