日々是好日

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外国人参政権問題解決は時間をかけて国籍生地主義を導入すれば?

2010-01-13 16:49:48 | 社会・政治
外国人参政権法案「錦の御旗として今国会で実現」 民団の新年会で民主・山岡氏

 民主党の山岡賢次国対委員長は12日、都内のホテルで開かれた在日本大韓民国民団(民団)中央本部の新年会で、永住外国人に地方参政権(選挙権)を付与する法案について「一日も早く国会に出てくるようにバックアップし、今国会で実現するよう錦の御旗として全力で取り組む」と述べた。また、山岡氏は小沢一郎幹事長が11日の政府・民主党首脳会議で「日韓関係を考えて政府が法案を出すべきだ」と述べたことを紹介。会場からは拍手がわき起こった。
(産経ニュース 2010.1.12 13:25)

何が錦の御旗かこの記事からは分からないが、永住外国人に地方参政権を付与する法案を通常国会に提出して通過させる、と民主党が張り切っているらしい。あまり関心がなかったので、何故このような話が出てくるのかが分からないまま気にも留めずにいた。それが次の国会で成立させるというのだから驚いた。何をそんなに慌てているのだろう。ちなみに民主党マニフェストを「外国人参政権」で検索しても、何も出てこなかったのでマニフェストでの公約ではなさそうである。私なんぞは参政権は国民固有の権利だと思っているので、日本国民がその権利を行使するだけのことであろうに、日本国籍が無くても日本に長く住んでいる人にも参政権を与えようというのだから、ちょっと訳が分からない。ばらまき大好きの民主党がお金だけではなくて、国民固有の権利まで大盤振る舞いをしようとしているのかのようでもある。

伝えられるところでは小澤一郎民主党幹事長がリーダーシップをとっているとのことである。そしてこの間の経緯をどうも次のようなことらしい。

 民主党議員でつくる「永住外国人法的地位向上推進議員連盟」(岡田克也会長)が昨年まとめた提言書は、「地域社会の一員として、日本人と同様に生活を営んでいる」永住外国人に地方自治体の議員と首長の選挙権を与える方針を示した。立候補する被選挙権や直接請求権など、ほかの参政権は除外している。
 08年末の永住外国人の数は91万人。人口1億2千万人の1%に満たず、半数を在日韓国人・朝鮮人など特別永住者が占める。提言は、世論の反北朝鮮感情を意識して、対象を韓国など外交関係のある国・地域の永住者に限る。
(mytown asahi.com aichi 2009年12月02日、以下同じ)

では対象となる永住外国人がどのような意見を持っているかというと、次がその一例になるだろう。

 外国人選挙権は、在日本大韓民国民団が中心となって求めてきた。在日本朝鮮人総連合会は「まずは(北朝鮮との)戦後補償や国交回復に取り組むべきだ」(総連愛知県本部・文光喜(ムン・クワン・ヒ)副委員長)と以前から反対の立場だ。
 「税金を納め、義務も果たしている。選挙権があれば、参加意識も高まる」。民団愛知県地方本部の副団長、李豊宏(イ・プン・グエン)さん(48)は名古屋市生まれの在日2世。市内で15年ほど不動産業を営み、双子の娘が通う地元中学のPTA会長を務める。地域の盆踊りや餅つきも手伝う。
 反対派の「帰化すればいい」という主張に対し、「民族の歴史と心情を理解してほしい」と訴える。
 植民地化で日本人にされ、敗戦で日本人でなくなり、戦後は差別を受けるなど、在日の人々には国籍制度に振り回されてきた過去がある。「民族の誇りを捨ててしまう気がして、日本国籍取得は心にハードルがある。でも、生まれ育った名古屋への愛着は、日本人と同じなのです」

選挙権がどうしても欲しいのなら帰化して日本国籍を取得すればよいのにと私は思うが、肝心の在日韓国人2世の方が心にハードルがあると仰るとこれまた仕方がないことになる。過去の歴史があるからである。

これまでこのブログの「在朝日本人」というカテゴリーで、私が戦前から戦後にかけて、すなわち幼稚園から国民学校5年生まで朝鮮で過ごした経験に関連した記事を書き連ねてきたように、私には朝鮮の風物に深い愛着があり、故郷と言う言葉で思い出すのは今でも朝鮮なのである。だからここに名前の出てくる李豊宏さんが「生まれ育った名古屋への愛着は、日本人と同じなのです」と言われたことは素直に同感できるし、またその一方、「心にハードルがある」と言われるのも心情的には頷いてしまう。しかしそうかと言って、ではお望みのままに日本国籍を持たないまま参政権をどうぞ、とは言いかねるのである。なぜなら参政権要求の根拠がいかにも便法的と私の目には写るからである。しかも参政権と言いながら地方に限るとか被選挙権は認めないとかまことに中途半端で、その上違憲問題まで取り沙汰されているなど問題山積であるので到底私は乗れない。ではほかに解決策がないのかと言えば、無いわけではないと私は思う。参政権は国民の固有の権利とする原理原則にもどり、それと折り合いのつく解決策を見出せばよいのではないか。

実は私には二重国籍の息子がいる。一家でアメリカに留学していた時に生まれたので、日本国籍に加えて生地主義をとるアメリカの法に従いアメリカ国籍も取得した。わが国では出生や婚姻で自動的に外国国籍を取得した場合には日本国籍留保・選択が認められおり、二重国籍解消は本人の自由意志に任せられているので、現在も二重国籍を保持しているのである。そこで私は思うのだが、外国人参政権なんて中途半端なことでお茶を濁すのではなくて、国籍を生地主義に改めればよいではないか。日本で生まれた限り両親の国籍いかんにかかわらず否応なしに自動的に日本人になるのである。生まれた子供が親の国籍を取得しまた保持することはそれぞれの国の法律との兼ね合いで自ずと決まってくることだろう。今取り上げている在日韓国人について言えば、日本で出生した在日韓国人にはこの法律が発効した時点で自動的に日本国籍を与えてしまえばよいのである。その日本国籍が要らない人は自らの意志で放棄すればよいのであって、その結果参政権を失ったとしてもそれは本人の選択なのである。もちろん日本国籍の自動取得と言っても一定の条件を満たすことを前提に考えるべきなので、すべての永住外国人が日本国籍を得ることにはならないだろうが、何事もすべてが完璧に思うように行かないのは世間の常である、との割り切りも一方では必要になるだろう。

従来血統主義の国籍法をとってきた日本に生地主義に馴染みは薄いが、縁あって異国の日本に生まれた外国人の子どもが、日本人の子どもと同じように育ち、学校に通い、就職もするまで同化する可能性を伸ばしこそすれ妨げることのない環境作りが最重要であると思う。泥縄式の外国人参政権付与より、原理原則が透明な生地主義を採用すべく、国民の間に議論を湧き上がらせるべきではなかろうか。その論議なしの外国人参政権付与を私は拙速と断じたい。蛇足ではあるが、アメリカのオバマ大統領の出現が生地主義の一つの大きな成果であることは間違いない。。