日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

菅直人財務相の登場に期待

2010-01-08 17:48:17 | Weblog
菅直人副総理が財務相に就任し、初登庁しての記者会見で述べた言葉がよかった。「十数年前、厚相になった時にも言ったが、大臣は役所の代表ではなく、国民が役所に送り込んだ国民の代表だ」というのである(強調は私)。久しぶりに信念を貫く政治家の言葉を聞かされた思いがした。また就任会見に先立ち、「財務省は良い意味でも悪い意味でも霞が関の象徴的な役所だから、より公開されたかたちで、意味のある仕事をできるような役所に変えられれば、霞が関を変える一つのモデルになるんじゃないか」とも、「広い意味で言えば情報公開。予算をつくるまでが仕事ではない。予算が本当に国民のためにきちんと効果的に使われているか、予算の執行の管理をする」とも述べたことが伝えられている。本気でやりそうだ、と感じさせるところがいい。

それにしても経済のことが私には分からない。菅財務相が「もう少し円安の方向に進めばいいなと思う」と言っただけで、これを口先介入と言うそうであるが、外国為替市場で円売りが加速し、経済人は「財務相の発言としては直接的過ぎる。市場との対話に不安を抱かせる」(野村證券の木内登英経済調査部長)と批判するし、鳩山首相も「為替は安定が望ましい。急激な変動は望ましくない。政府としては基本的に、為替に関しては少なくとも私は言及すべきではないと思っている」と批判している。財務相のちょっとした一言で大げさに反応する市場のほうがおっちょこちょいだろう、と私は言いたいのに、それが世間には通用しそうもないからである。

2010年度の予算案にしてもそうである。歳出が92.3兆円にもなるのに、財源となる租税及印紙収入が37.4兆円(これ以外にその他収入が10.6兆円)しかないものだから、残りの44.3兆円を国債で賄おうというのであるから大胆としか言いようがない。家のローン資金を銀行から借りるのなら担保は要るし返済計画は厳しくチェックされるのに、考えてみたら国に長期の返済プランなんて無いではないか。それなのに債券を刷るだけで金を簡単に調達できるところがまた私には分からない。借金を返すには長期にわたる景気浮揚策の策定が欠かせないのに、それが国民の前に示されていないから不安になるのである。民主党政権はもうばらまきはほどほどにして、歳入の確保に説得力のある現実的な施策を示すべきであろう。鳩山首相が頼りないだけに、副総理でもある菅財務相のさらなるリーダーシップを期待したいものである。