日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

腕自慢?

2004-10-12 16:35:24 | Weblog
食い意地が張っているので、せっかく外国に来た以上は本場物を味わってみないといけない。ハンブルグでハンバーガー、フランクフルトではソーセージ、ベルリンでアイスバイン、ウイーンでウインナコーヒ、マルセイユではブイヤベース、ロンドンではローストビーフ、ブダペストではグヤーシュなどなど、ようするにミーハーなのである。

問題なのは目指している料理をどのお店で頂くのかで、ガイドブックなどを参考にはするが、歩いていてたまたまぶつかった感じの良いお店に入ることが結構多い。自慢をすると、ガイドブックのお店で期待を裏切られたことはかずかずあるが、私の感で選んだお店で失望を味わされたところは一カ所たりともない。

最近で一番失望したのは、既に2年前になるが、ブイヤベースである。マルセーユの駅からタクシーで港近くのホテルに乗り付けた。ここを拠点にして歩き回って良さそうな店を見つけようと云うわけである。旧港の波止場では数多くの店が軒を連ねている。まだ日が高い時分であったので店はまだしまっている。そこで店頭に掲示されている献立表の値段などを見て回り、候補を一軒に絞った。なぜか値段が他の店に比べて格段に高いところがあったが、ガイドブックにも紹介されているの店なので、格別の期待を抱いたのである。

適当に街をぶらぶらしてからいよいよ乗り込んだ。迷わずにブイヤベースにワインを注文する。待つ間もなくプレートに材料を盛り上げたものを、テーブルまで持ってきて披露してくれる。お客さんが次第に増え始め、儀式があちらこちらで繰り返される。そして待望のブイヤベースの大鍋がやってきた。まずスープだけが供される。魚介類のエッセンスはほどよくスープに移っているようで、素材の味わいを楽しんだ。が、なにか物足りない。何かが欠けている味わいなのである。そして、魚介類が取り分けられた。余りにも大量なのである。少々食べ進んでも中身が減らない。そして大味。これでいいのかな、これでいいのかな、と自問自答を重ねつつ、満足感を味わえないまま終わってしまった。

妻もまったく同意見、期待が大きすぎたのである。それと、私が自分で作る書生流のブイヤベースが余りにもわれわれの舌に合っていて、プロの漁師風が素朴すぎていたようである。サフランの香りも乏しかった。書生流では実はかならずカニと蛤を入れる。これがスープを豊潤にして手応えを与えるのである。私の作るブイヤベースがどれほどのものか。かって単身赴任をしていた頃、若い連中に振る舞ったことが幾度かある。私が食べる間もなくお代わりの給仕に追われ、気がつけば私の分が残ることはなかったのである。

教訓。普段美味しいものを食べ慣れないようにしましょう。外での食事がまずくなります。
それに、量の多い料理は敬遠しましょう。