日々是好日

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名古屋市長に河村たかし氏、名古屋市議会は解散 ついでに地方議会廃止の先魁を

2011-02-06 23:03:34 | 社会・政治
今日行われた愛知県知事選、河村たかし前市長の辞職に伴う出直し名古屋市長選、さらに同市議会解散の賛否を問う住民投票で、河村たかし氏の完勝が確定した。

名古屋トリプル投票 河村・大村氏が当選、市議会は解散

 名古屋市長選、愛知県知事選、名古屋市議会の解散の是非を問う住民投票が6日、投開票された。市長選では地域政党「減税日本」代表の河村たかし氏(62)が再選を果たし、知事選では同党推薦の大村秀章氏(50)が初当選。河村氏が仕掛けて実現した住民投票は賛成多数で、政令指定市で初めてリコールが成立し、即日解散された。4月の統一地方選を前に、支援した候補が惨敗した民主、自民の2大政党には大きな打撃となった。
(asahi.com 2011年2月6日22時8分)

これに続く次の記事が、トリプル投票が行われるようになった経緯を簡単にまとめている。

 河村氏は、公約の市民税の10%恒久減税が民主、自民が多数を占める市議会に否決されたため、任期を2年以上残して1月に辞職し、出直し市長選に臨んだ。さらに市議報酬の半減をめぐって対立を深めた河村氏はリコール運動を主導し、住民投票実施にこぎつけた。

総理大臣と違い地方自治体の首長は住民の直接投票で選ばれる。ところがこの首長が公約を実行しようとしても、議会が反対にまわると公約を実現出来なくなる。地方議員も住民の直接投票で選ばれるのであるから、首長選挙で示された民意が議員選挙にも反映されてしかるべきだと思いたいが、現実には議会で首長への反対勢力が大半を占め、いわゆる「ねじれ現象」を生むことが珍しくない。選挙の時期がずれることも「ねじれ現象」の一因であろうが、それよりも住民が異なる判断基準を首長選挙と議員選挙に適用するせいではないかと思っている。

「ねじれ現象」の生じる原因はさておいても、現実に「ねじれ現象」が生じたことが今回のトリプル投票を引き起こしたことは確かなのであって、考えてみれば無駄なことである。今回は河村たかし氏という異色のキャラクターが、市議報酬の半減という施策を打ち出すことによって、既得権益擁護に走る市会議員の姿を住民に見せつけたのがよかった。住民が代表として選んだつもりの議員が、私利私欲の虜になってしまっていたのである。その是非を住民に問うたことが今回の結果をもたらしたと言えよう。

私はかって面白い宮崎県知事選挙の結果で地方自治体議会不要論を次のように唱えたことがある。

私は地方自治体の今のような議会は不要であると思っている。もし住民に何か積極的な意向があれば、県庁とか市役所などに直接に申し入れをすればよい。とりまとめ役は必ず現れる。それもボランティアとして。私的な口利きと自分の選挙運動を除くと、現行の議員が生き生きとして働くような仕事が一体どこにあるのだろう。

県行政の是非をチェックする機能は、これは人間社会である以上必要である。議会の機能をチェックに一元化すればよい。議員は県民有権者のなかから、たとえば裁判員制度のように無作為に選んでもいいが、ボランティアのなかから選挙民が選んでもよい。ただし人数は現在の議員数の十分の一以下とする。いずれにせよ議員は無報酬で、交通費のような必要経費のみを実費支給すればよい。議会の開会は夜とか週末にする。

これは4年前のことであるので細かいところは修正の余地がある。第一にチェック機関を「議会」と呼ぶと誤解があるだろうから名称自体を変えた方がよいであろう。その他多々あろうが基本姿勢は今も変わらない。

もし3月13日に予定されている名古屋市議選で河村氏の「減税日本」が過半数を制すれば「ねじれ現象」は確かに解消するが、逆にそのような翼賛議会は存在する必要がない。まさに税金の無駄遣いである。今回の結果は地方議会無用論を大きく力づけるものであった。だから次ぎに河村氏に期待することは名古屋市議会の廃止で、それこそ全国自治体を席捲する先魁となっていただきたいものである。

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