「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「万歳蘭」

2014-06-04 10:44:29 | 和歌

 「厚葉君が代蘭」の名前を忘れていて、思い出すのに難儀した。

 葉の姿は、大勢の若者が腕を挙げ、「万歳」をする姿が連想される。
「君が代蘭」の名前のイメージと「万歳」が何時しか混同して、虚庵居士の頭の中ではいつの間にか、「万歳蘭」との名前が出来上がっていたのだ。



 真っすぐに立ち上がった花茎から枝を出して、ふくよかな花が群れて咲く姿は、華やかさの中に尊厳さを感じさせる。 多くの人々が姿勢を正し「君が代」を斉唱する様を、この花は名前に頂いたのだろうか。

 昨今の義務教育の世界では、一部の教員の偏った主張で、入学式や卒業式などでの国旗掲揚や、国家の斉唱が制限されているのは由々しき事態だ。

 国旗や国歌が使われるのは大相撲やオリンピック等に限られるが、次世代を背負う若者達に、「日本」という国家を正しく認識させるには、日頃からの教育が肝心だ。中学校の正門近くの校庭に、「厚葉君が代蘭」が植えられていたのは、そんな教育現場の現実に反省を求めた、無言の教材かも知れない。

 世界で日本が勝ち抜くためには、産業技術を柱にした経済活動を逞しく展開することが大切だが、グローバルな活動では企業としての経営戦略と共に、常に国家意識を正しく持つことが大切だ。中露米仏などの国の指導者や、トップビジネスマンの抱く強い国家意識は、学校教育を経て培われていることを改めてかみ締めたいものだ。

 「厚葉君が代蘭」の名前につられて横道に逸れたが、日本国に「万歳」をする機会を、スポーツだけでなくもっともっと殖やしたいものだ。




           真っすぐに花茎のばしふくよかな

           白花咲かせる 厚葉君が代蘭は


           身を正し厚葉君が代 蘭の花は

           国歌斉唱 万歳三唱


           万歳の姿を思い何時の間に

           花の名前も 「万歳蘭」とは


           はからずも厚葉君が代 蘭の花に

           教育現場の「国家」を憂ひぬ


           校庭の厚葉君が代 蘭の花に

           日本の国の次世代託しぬ