「厚葉君が代蘭」の名前を忘れていて、思い出すのに難儀した。
葉の姿は、大勢の若者が腕を挙げ、「万歳」をする姿が連想される。
「君が代蘭」の名前のイメージと「万歳」が何時しか混同して、虚庵居士の頭の中ではいつの間にか、「万歳蘭」との名前が出来上がっていたのだ。
真っすぐに立ち上がった花茎から枝を出して、ふくよかな花が群れて咲く姿は、華やかさの中に尊厳さを感じさせる。 多くの人々が姿勢を正し「君が代」を斉唱する様を、この花は名前に頂いたのだろうか。
昨今の義務教育の世界では、一部の教員の偏った主張で、入学式や卒業式などでの国旗掲揚や、国家の斉唱が制限されているのは由々しき事態だ。
国旗や国歌が使われるのは大相撲やオリンピック等に限られるが、次世代を背負う若者達に、「日本」という国家を正しく認識させるには、日頃からの教育が肝心だ。中学校の正門近くの校庭に、「厚葉君が代蘭」が植えられていたのは、そんな教育現場の現実に反省を求めた、無言の教材かも知れない。
世界で日本が勝ち抜くためには、産業技術を柱にした経済活動を逞しく展開することが大切だが、グローバルな活動では企業としての経営戦略と共に、常に国家意識を正しく持つことが大切だ。中露米仏などの国の指導者や、トップビジネスマンの抱く強い国家意識は、学校教育を経て培われていることを改めてかみ締めたいものだ。
「厚葉君が代蘭」の名前につられて横道に逸れたが、日本国に「万歳」をする機会を、スポーツだけでなくもっともっと殖やしたいものだ。
真っすぐに花茎のばしふくよかな
白花咲かせる 厚葉君が代蘭は
身を正し厚葉君が代 蘭の花は
国歌斉唱 万歳三唱
万歳の姿を思い何時の間に
花の名前も 「万歳蘭」とは
はからずも厚葉君が代 蘭の花に
教育現場の「国家」を憂ひぬ
校庭の厚葉君が代 蘭の花に
日本の国の次世代託しぬ