「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「さつき」 と 「小判草」

2014-06-18 01:06:45 | 和歌

  遅咲きの「さつき」が咲いていた。
 横須賀の「さつき」は、五月の初旬から咲き初めて、中頃から下旬には満開となるが、六月になって咲くのはかなりの遅咲きだ。

 遅咲きの「さつき」が気になっていたが、「さつき」の花とじゃれるかの様に「小判草」が咲いているのに気付いて、カメラに収めた。

 うろ覚えで頼りない記憶だが、この小判草はヨーロッパが原産らしい。日本人の爺様にも面白い男が居て、この珍しい草を態々日本へ移入して、鑑賞用に愉しんだらしい。

 何時の間にかそれが野生化して、たまたま遅咲きの「さつき」とじゃれ合っている姿を、虚庵居士も愉しませて貰っている次第だ。

 幾世代を経てのご対面かは知る由もないが、この様な「オモロイ」草に興味を抱き、態々ヨーロッパから移入した先人の感性と、遊び心には感服だ。

 草花の名前に、「小判草」との命名も気が利いているではないか。
ごく細い茎に吊り下げられ、如何にも重そうに穂を垂れている姿も、小判の重さを連想させて、抜群の命名だ。




           遅咲きの皐の花に目をとられ

           気付くに遅れぬ小判草どの


           ごく細き茎に小判を吊るすとは

           こうべを垂れる小判草かな


           そよ風に重き小判の穂を揺らせ

           さつきにじゃれる小判草かも


           小判草 そ文字はおなごか嫋やかに

           しなだれかかる仕草は艶やか


           斯くばかり心くすぐる草なれば

           遊び心の移入を讃えむ