「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「馬堀自然植物園 その1」

2014-06-22 14:13:24 | 和歌

 「うつろ庵」から三十分程の距離にある、「馬堀自然植物園」を訪ねた。

 横須賀市立馬堀小・中学校と隣接した手付かずの広大な山林を、在るがままの状態で、学童や市民に開放している自然植物園だ。起伏に富んだ山の中に、ごく細い山道や階段を整え、生い茂る樹木にはそれぞれ名札を掲げ、国内の分布状況や利用法などをごく簡単に解説している。



 入り口の近くには、管理室を兼ねた展示・研修室があって、時には学童の授業にも利用されるのであろう。自然植物園に足を一歩踏み入れると、散り敷いた分厚い落葉がふんわりと心地よい。

 山道へ連なる細道の脇には、チョロチョロと清流が流れていて、歓迎のご挨拶が嬉しい。しばらく山裾の細道を辿ると、崖の下にポッカリと暗闇の洞窟が見えた。見ればその洞窟から湧水が流れ出ていて、ここが水源地なのだ。 フラッシュをセットして、岩を掘った洞窟の奥をカメラに収めた。



 洞窟の水源地を過ぎると山道は急傾斜になって、階段が続いていた。息が切れると、樹木の名札に目をやるのも大変だが、管理人さんは心得たもので、そんなところでは樹の名前だけが大書してあった。

 階段には落葉と共に、樹木の花も散り敷いていた。樹木に疎い虚庵居士ゆえ、何の花なのか定かではないが、「マテバシイ」の花であろうか。



 見上げれば、逞しい大樹が隣りの樹と枝を絡ませて立ち上がっていた。
「タブノキ」の名札には、樹の汁は「黄八丈」の染物に利用されるとの解説があった。八丈島には行ったこともないが、八丈島にもこの「タブノキ」が生い茂っていて、染物に利用されているのであろう。


           学校に続く裏山 学童の

           自然植物園とはお見事


           学童に倣って自然 植物園に

           足踏み入れてお勉強かな


           清流の水音に聞くご挨拶

           山の自然をお愉しみあれと


           樹の名札の 足元からの若芽みて

           大樹の梢の若葉を偲びぬ


           散り敷ける落葉・落花を踏みしめて

           山の自然と言葉を交わしぬ