「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「生垣の箱根空木」

2014-06-20 14:26:49 | 和歌

 「箱根空木」が生垣から乗り出して、咲いていた。

 白い花と淡いピンクの花が入り混じって咲くので、変化に富んだ雰囲気を醸しだす箱根空木だ。女性の衣装の、「付け下げ」の絵模様を見るような気分だ。

 一房の中でも紅白が入り混じるのは、不思議なことだ。草花はその株毎に、一種類の花で統一されるのが一般的だが、紅白の花を咲き分ける種類は、数少ないようだ。木瓜も、時により紅白の花を咲き分けるケースもある様だが・・・。

 植物学にはトンと疎い虚庵居士であるが、
多分花の色を司るDNAが不安定で、何かの条件次第で一つのDNAが+になったり、或いは-に変化したりする結果ではあるまいか。箱根空木はその様な不安定なDNAを持っているので、紅白入り混じり、変化に富んだ花房を付けるのであろう。
人間様は結果的に、その変化を楽しませて貰っているのだ。

 住宅地では、箱根空木を庭木に植えて楽しんでいるが、箱根のお山では自生種にもよくお目に掛る。かつて箱根の旧道を登ったことが想い出された。道端や木陰に咲く箱根空木に出会って、ホッと一息ついたのが懐かしい。そんな一株を自宅の庭に移植したのが、園芸種の始まりに違いあるまい。




           生垣ゆ乗りだして咲く一枝の

           箱根空木は紅白咲き分け


           一房の中でも紅白咲分けて

           見事な演出 変化の妙かな


           いかにして箱根空木は紅白を

           咲分けるらむ お気に召すまま


           箱根越え山路を行けば木の間より

           小花覗けり箱根空木の


           山路来て息たえだえに腰下ろせば

           木蔭に咲くかな箱根空木は