「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「珊瑚樹の白花」

2014-06-28 00:23:10 | 和歌

 今年もまた珊瑚樹の白花が咲いた。花付は、例年になく数が多いようだ。

 数えたこともないが、一房に群れ咲く小花の数はどれ程だろうか。三次元に拡がった花房ゆえ、ざっと目見当だが千個ほどにもなろうか。

 掲載した写真は、満開前、七分咲の頃のものだが、それでも花房の存在感はかなりのものだ。

 「うつろ庵」の珊瑚樹は生垣仕立ゆえ、徒長を防ぎ、枝葉を透かせる剪定を繰り返していても、これだけの花房を付けて呉れた。
そんな手入れをせずに放置した立木では、花房が樹木を覆う例も時に見かけるが、緑葉に浮かぶ程度の房数が、観てもゆとりを感じさせて好ましい。自画自賛との声も聞こえそうだが、よろず侭ならぬ此の世では、せめて生垣くらいは住み人の好みに仕立てたいものだ。

 さは申せ、珊瑚樹の生垣の手入れは、並大抵の努力では鑑賞に堪える生垣を維持できないのが、辛いところだ。精力旺盛な珊瑚樹は忽ち徒長するので、かなり頻繁な剪定が必要だ。加えて肉厚の緑葉は、虫たちにとっては食欲をそそるご馳走だ。虫に食われ、穴だらけの葉は見るに堪えないので、消毒も欠かせないのだ。

 手の掛る珊瑚樹だが、初秋になれば見事な血赤珊瑚の実房が愉しみだ。




           律儀にも梅雨到来と時季あわせ

           珊瑚樹咲くかな白妙の房に


           花房に幾つの小花が咲くならむ

           米粒ほどのあまたの小花よ


           小粒なれど五弁の花びらそれぞれに

           蕊立ち上げて歓喜の笑みかな


           花房に集まる蝶や蜂達は

           花粉で装う 饗宴なるかな


           手の掛る珊瑚樹なれども秋立てば

           血赤珊瑚の実房のお返し