「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「千両」 

2006-11-20 23:33:04 | 和歌

 千両の実が、大分色づいて来た。これから寒波がくれば、更に鮮やかに発色して、年末年始の頃には目を楽しませてくれるに違いあるまい。





 「うつろ庵」の千両は、檜の根元に鉢植えで置いてあったら、底から根を出して何時の間にか根付いてしまったものだ。檜の枝を塒にする鳥達が時々上から汚すが、千両は気にも掛けない態で逞しく華麗に育っている。

 念のため図鑑で調べたら、「万両」「千両」の他に、「百両・からたちばな」「十両・やぶこうじ」「一両・ありおどし」などが見つかった。赤い実の付き方はそれぞれ異なるが、百両・十両・一両など、低額になるほど実の数が少ないのは、世知辛い人間社会の現実を連想させて、苦笑いを誘われた。

 「うつろ庵」の千両は、正月の床の間を飾る定番であるが、それまでには門被り松の剪定も、年賀状書きも終わらねばなるまい。既に喪中欠礼のご挨拶状が何枚か溜まって、そろそろ気忙しい季節を迎えることになりそうだ。今年の年末には、キャメロン君を初めてを迎える予定だ、その準備もせねばなるまい。






             千両の紅の実の色付きて
 
             無言に告げるや歳の瀬迫るを 



             既にはや虚庵夫人はあれやこれ
 
             指折り数えて催促始めぬ 



             そのうちにそのうち為すを繰り返し 

             歳の瀬やがて駆けて来るらむ