「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「冬桜」

2006-11-01 22:28:46 | 和歌

 数日前に、何時もの散歩道を歩いていたら、何と最早、桜が三つ・四つ綻びていた。

 この時節に咲く桜は、「咲いてもよろしいでしょうか」てな、誠に遠慮深い咲き方で、何とも言えず慎ましやかである。虚庵居士がメンバーの伊豆のゴルフ場でも、数本が十月下旬ないし十一月初旬に咲く。「狂い咲き」かしらんと疑問になるが、毎年決まって咲くところをみれば、狂い咲きでもないようだ。





 春に咲く染井吉野などの桜は、一般的に花柄がかなり長い。例えば「さくらんぼ」などは三・四センチもあって、あのブラブラするのがなんとも可愛いのだが・・・。ところが、今時分に咲く桜は花柄が殆ど無いので、梅の花付と良く似た咲き方をしている。ならば梅と桜はどう違うのかと問われると、植物学者ではないので、頭を掻きながら答えに窮する次第だ。

 梅ではない証拠は、素人カメラマンのピンボケ写真でご勘弁願いたい。






             気の早いさくらは秋の行かぬ間に

             枝のあちこち 綻びに けり

 

             妹ときて秋の深まる函南に
 
             さくらを観るとは思いもかけなくに
 


             木枯らしの吹き荒ぶ日も近からむ
 
             儚きさくらの命を想ひき