「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「夕化粧・ゆうげしょう」 

2006-09-20 01:14:22 | 和歌


 白い「白粉花」が咲いていた。

 字に書いてみて、白い「白粉花」というのも奇異な表現であることに気付いた。「おしろいばな」は赤・ピンク・白・黄色など色々あるので、ためらいも無く『白い「白粉花」が』と書いたのだが・・・。

 この花の名前は、黒い種子を潰すと「おしろい」に似た白い粉が出てくることから、子供達の遊びでも「おしろい花」と呼んできたことが由来らしい。
この花を摘んでひょいと投げれば、竹とんぼの様に花はくるくると回りながら落ちたので、それを競って遊んだのも懐かしく想い出される。

 タイトルの「夕化粧・ゆうげしょう」は、「白粉花」の別名であるが、夕方になって花が咲くことと「おしろい」を重ねたものであろう。浴衣を着た女性が、鏡に向かって「夕化粧」するのは、艶っぽい情景だ。この名前は、世の男共の憧れを花に託したものに違いあるまい。






             ままごとに欠かせぬ花かなおしろいを
   
             頬に塗るさま母をならいて   



             夕されば友だちはみな帰りしに
   
             さみしくひとり おしろい花つむ   



             つみとった花を投げ上げ回らねば  
 
             児はこだわりてくり返しつむ