地図を楽しむ

地図と共に歩く。里山歩きや、ウオーキングに、そして時には読書に・・・

映画「白い氷河の果てに」(K2登頂)を観る前に

2010-03-06 | 日記
山の大先輩から、「白き氷河の果てに」 という映画を見に行かないかと誘われ、よくわからないまま、仲間たちと同行することにしました。

見に行くとなると、少しは下調べしておかなければと思い、ブログに取り上げてみました。

取り上げた山は、世に 「K2」 といわれ、整理番号がそのまま、固有名詞になった山で、ヒマラヤ山脈のエベレスト(8,848m)に次ぐ、世界で2番目に高い山です。標高8611m。
しかし、登山者の間では、世界で一番、むつかしい山だそうです。
パキスタンと中国の間にあるカラコルム山脈にそびえたつ山です。

位置は、次の地図にプロットしてみました。国境のはっきりしないカシミール地方にあります。



ところで、予備知識として調べたところ、「8000m峰」(Eight-thousander)といわれる山はすべてアジアのヒマラヤ山脈とカラコルム山脈にあるんですね。そして、7000m級の山もアジアにだけしかないんです。
下調べしておいて良かった。

ついでに、そのほかの高山を大陸別で見ると、

○、ヨーロッパ: 
モンブラン (4,810 m)はアルプスの最高峰。モンテローザ (4,609 m)、マッターホルン (4,478 m)、グランコンバン (4,312 m)、グランド・ジョラス (4,208 m)、アイガー - (3,975 m)

○、アフリカ: 
キリマンジャロ (5,895 m)は アフリカ最高峰 。ケニア山 (5,199 m) 、ルウェンゾリ山 (5,110 m)。5000m級はこの3箇所。

○、北アメリカ: 
マッキンリー(6,194 m) 北アメリカ最高峰 。ローガン (5,959 m)、フォーレイカー (5,304 m)

○、南アメリカ:
アコンカグア (6,959 m) - アルゼンチン、南アメリカ最高峰 。ワスカラン (6,768 m)、サハマ (6,549m)、チンボラソ (6,310 m)と6000m級

○、オセアニア: 
プンチャック・ジャヤ (4,884 m)、マウナ・ケア (4,205 m) - ハワイ (海底からの高さが)世界最大の海火山。

○、南極: ヴィンソン・マッシーフ (4,897 m)、エレバス山 (3,794 m)・・・日本の富士山より高い山が2つも南極にあるなんて・・・?

そして、
○、日本: 
富士山(3、776m)、北岳(3,192m)、穂高岳(3,190m)・・・

こうしてみると、世界はやはり広いですね。

ただし、真冬の南極の山のように、高さだけで、登山の難易度は判断できないでしょうが・・・

だいぶ、横道にそれましたが、

この映画は、1977年(昭和52年)に日本人隊員47名(日本山岳協会)が8月8日に日本隊初登頂を成し遂げたときの記録映画だそうです。
映画鑑賞の後、感想を書いてみるつもりですが・・・。
下の衛星写真は、たぶん「K2」の近くだろうと想像して取り上げてみたものです。




追伸:
観てきました。
下手な感想を書くと、感動が歪曲するように思いますので、自分の感想は述べません。
ドキュメンタリー映画の迫力の凄さに、ただただ沈黙するのみでした。

この映画監督の門田龍太郎さんが書いておられた文章の一部だけを付記します。

「・・・若者たちは熱に浮かされたように、それでいて全く秘そかに冷静に行動し、この世界一難しい山に挑んだ。ベースキャンプでは子供のようにはしゃぎ、どんぶり飯をおかわりする若者が、7,000m、8,000mの高地で、必死に薄い空気と闘い、続発する雪崩におびえながら、一歩一歩氷壁を登る。その姿は永遠に歩き続けなければならない人間の姿そのものに見えた。・・・」
そして、隊員(47人)のチームプレイの素晴らしさに感動を覚えました。挑戦、そして人間関係の成果が登山の醍醐味であり、魅力ではないのでしょうか。

そして、この映像を完成させた喜びを門田監督さんは
「登山には成功、不成功があるでしょう。だが映画には凡作と秀作しかありません。登頂が成功しても駄作ができる可能性はあります。登山が失敗しても、優れたドキュメンタリーができる可能性は,それ以上にあります。」と述べておられました。

私は、この映画が、秀作であることを、何の疑念もなく語れます。
ありがとうございました。