日本百名山 51、黒部五郎岳(2840m)
下は黒部五郎岳周辺図です。
赤丸は百名山、青丸は注目したい地名(過去に登った山もあります)
設定: カメラ:PRO、レンズ:10mm、風景:北アルプスの初夏、高さ強調1.5倍。
「黒部五郎は人名ではない。山中の岩場のことをゴーロという。
五郎はゴーロの宛字で、それが黒部川の源流近くにあるから、黒部のゴーロ、即ち、黒部五郎岳となったのである。
北アルプスには、ほかに野口五郎岳がある。
二つのゴーロの山を区別するため、黒部と野口を上に冠したのである。」
さて、余談ですが、この「野口」は、この山の属する大町市の集落「野口」に由来しています。
ちなみに、歌手の野口五郎はこの山の名前に由来しているそうですが、
なぜ百名山の黒部五郎にしなかったかは、その山の方が少し高かったからだそうです。
下らない理由です。山には登らないそうです。
「私は、・・・上ノ岳の方から匍松の間を通って、黒部五郎岳の肩(山頂直下の平坦地)に着くと、眼の下が、巨人の手でえぐり取ったように、大きく落ち込んでいる。
三方を高い壁に囲まれて、いかにも圏谷(カール)といった感じである。
その肩から私は頂上へ登った。・・・
私は愛する山の頂上に触れずにすぎることはできない。
霧のために何も見えなかったが、ガラガラした石を踏んで頂上に立ち、満足して肩へ引き返した。
肩から圏谷の底へ急斜面を降りる道には、真夏でもまだ若干の雪が残っている。
底から見あげたカールは実に立派である。
三方を岩尾根に包まれて、青天井の大伽藍の中に入ったようである。」
(新潮社刊、深田久弥著『日本百名山』より引用)