税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

既存契約(適用初年度開始前のリース契約)の取扱い

2008-10-03 08:15:43 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

所有権移転外ファイナンス・リース取引で、適用初年度開始前に発生したものの取扱いは次のようにすることと されています。

1.売買処理に変更
(1)当初から変更
当期首までの、賃貸借処理と売買処理の損益の差額の累計額を当期の特別損益として計上する。

(2)当期首に変更
イ、利息相当額を控除しない
前期末のリース料未経過額の総額を、当期首にリース資産とリース債務に計上する。
ロ、利息相当額を控除
利息法:前期末のリース料未経過額から利息相当額を控除した額をリース資産とリース債務に計上し、以後リー
ス料の利息を利息法により計算する。
定額法:前期末のリース料未経過額から利息相当額を控除した額をリース資産とリース債務に計上し、以後リー
ス料の利息を定額法により計算する。

2.賃貸借処理を継続
この場合、賃貸借処理をしている旨その他の必要な注記が必要です。

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リース取引の会計処理

2008-10-02 08:24:10 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日はリース取引の会計処理で、特に簡便法に重点を置いて調べてみました。

1.リースの判定
(1)オペレーティング・リースとファイナンス・リース
リースは物件の賃貸借ですが、次のイ及びロの要件を満たすリースがファイナンス・リースで、それ以外のリー スがオペレーティング・リースとされています。
イ、ノンキャンセラブル
ロ、フルペイアウト

(2)所有権移転外ファイナンス・リース
ファイナンス・リースのうちリース物件の所有権が借手に移転するものを所有権移転ファイナンス・リースとい い、それ以外のものを所有権移転外ファイナンス・リースをいいます。

2.会計処理(借手)
(1)オペレーティング・リース
通常の賃貸借処理と同様に処理します。

(2)ファイナンス・リース
イ、所有権移転ファイナンス・リース
(イ)取引開始時
貸借対照表にリース資産とリース債務を支払リース料の現在価値額で計上する。
(ロ)リース料支払時
支払リース料を利息と元本部分たるリース債務に分けて計上する。この場合利息の計算は利息法による。
(ハ)決算時
減価償却費の計上。償却方法は他の固有資産と同様です。
(ニ)少額又は短期のリース資産の簡便法
リース料総額が基準額以下又はリース期間が1年以内のリース資産については賃貸借処理をすることができます。

ロ、所有権移転外ファイナンス・リース
(イ)取引開始時
貸借対照表にリース資産とリース債務を支払リース料の現在価値額又は貸手の購入価額等(貸手の購入価額等
が明らかでない場合は、借手の見積現金購入価額)のいずれか低い額により計上する。
(ロ)リース料支払時
支払リース料を利息と元本部分たるリース債務に分けて計上する。この場合利息の計算は利息法による。
(ハ)決算時
リース期間を耐用年数、残存価額をゼロとして償却費を計上する。
(ニ)少額又は短期のリース資産の簡便法
所有権移転リースと同様にリース料総額が基準額以下又はリース期間が1年以内のリース資産については賃貸借処をすることができます。
その他、重要性の乏しいリース取引で、リース契約1件当たりのリース料総額が300万 円以下のリース取引も賃貸処理が認められます。
(ホ)リース資産総額に重要性が乏しい場合
リース資産総額に重要性が乏しい場合には、次のいずれかの簡略的な方法を採用することができます。
  • リース料総額から利息相当額を控除しない方法(リース資産と債務をリース料総額で計上します。)
  • 利息相当額をリース期間に定額法で配分する方法
(3)中小企業への適用
所有権移転外ファイナンス・リース取引の借手は、通常の賃貸処理が認められています。ただし、未経過リース料を注記しなければいけません。

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機械装置と器具備品

2008-10-01 08:24:11 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

機械装置と器具備品の区別に関して、平成19年11月30日の裁決事例が参考になります。

[事件の概要]
医療用検査機器を「機械装置」として請求人が、中小企業等投資促進税制の適用対象資産としたのに対し、原処分庁が「器具備品」であるため同税制の適用は認められないとした事件でした。

1.原処分庁の見解の根拠
機械装置とは税法上,設備という集合体として,集団的に生産手段等に用いられるものをいう。検査用機器の場合,検査の項目ごとに個々の機器が独立して働くものであるので,設備という集合体としての総合償却資産とは認められない。というものでした。

2.国税不服審判所の判断
それ自体で固有の機能を果たし、独立して使用されるものは「器具備品」で、そうでないものを「機械装置」というとして、原処分庁と同じ見解をと取っています。

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