税理士 倉垣豊明 ブログ

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棚卸資産に関する会計基準2

2008-10-28 08:27:09 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

棚卸資産の評価の会計処理をもう少し詳しく見ていきます。

通常の販売目的で保有する棚卸資産の評価は、取得価額を原則としつつ、期末の正味売却価額が取得価額よりも 下落している場合には、その正味売却価額をもって貸借対照表価額をすることとされています。

1、売却市場において市場価額が観察できないとき
この場合には、合理的に算定された価額を売却価額とします。これには、期末前後での販売実績に基づく価額を 用いる場合や、契約により決められた一定の売価を用いる場合を含みます。

2、営業循環過程から外れた滞留又は処分見込等の棚卸資産
このような合理的に算定された価額によることが困難な場合には、正味売却価額まで切り下げる方法にかえて、 その状況に応じ、次のような方法により収益性の低下の事実を適切に反映するよう処理をします。
(1)帳簿価額を処分見込価額(ゼロ又は備忘価額を含む。)まで切り下げる方法
(2)一定の回転期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法

3、再調達原価によることができる場合
製造業における原材料等のように再調達原価のほうが把握しやすく、正味売却価額がその再調達原価に歩調を合
わせて動くと想定される場合には、継続適用を条件として、再調達原価(最終仕入原価を含む。)によることが できます。

4、複数の売却市場に参加し得る場合
企業が複数の売却市場に参加し得る場合には、実際に販売できると見込まれる売価を用います。また、複数の売 却市場が存在し売価が異なる場合であっても、棚卸資産をそれぞれの市場向けに区分できないときは、それぞれ の市場の販売比率に基づいた加重平均売価等によります。

5、棚卸資産評価の単位
収益性の低下の有無に係る判断及び簿価切下げは、原則として、個別品目ごとに行います。ただし、複数の棚卸
資産を一括りとした単位で行うことが適切であると判断されるときには、継続適用を条件に、その方法によるこ
とができます。

6、売価還元法による場合
売価還元法を採用している場合においても、期末における正味売却価額が帳簿価額よりも下落している場合には 、その正味売却価額をもって貸借対照表価額をします。
ただし、値下額等が売価合計額に適切に反映されている場合には、値下額及び値下取消額を除外した売価還元低 価法によることができます。

7、洗替え法と切放し法
前期に計上した簿価切下額の戻入れに関しては、棚卸資産の種類ごとに洗替え法と切放し法を選択適用できま
す。
また、売価の下落要因を区分把握できる場合には、物理的劣化や経済的劣化、若しくは市場の需給変化の要因ご とに選択適用できます。この場合、いったん採用した方法は、原則として、継続して適用しなければなりません


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