税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

上場株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除

2010-02-28 13:33:24 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

譲渡株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除

平成21年以後の年分において上場株式等の譲渡損と上場株式等に係る配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る)との損益通算ができ、損益通算しても控除しきれない譲渡損失は3年間の繰越控除が認められます。

[設例]
平成21年に上場株式等の配当が500,000円あり、平成18年に上場株式等の譲渡損が600,000円発生していた。

上場株式等の配当500,000円につき申告分離課税を選択することにより、配当金額から3年前の上場株式等の譲渡損600,000円を控除すると、配当所得はゼロとなる。
※平成20年以前の年分に生じた上場株式等の譲渡損の金額で平成21年以後に繰り越されているものは、平成21年以後の年分の上場株式等の配当所得の金額から控除できる。

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事業所得の必要経費8(青色事業専従者給与2)

2010-02-27 07:55:43 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

事業所得の必要経費8(青色事業専従者給与2)

個人事業の事業に専従する同一生計の親族に支払った給与は一定の要件に該当すると必要経費に算入することができますが、今回は給与の他、退職金を支払った場合について検討しました。

[設例]
事業に専従する長女に1月から6月までの給与を600,000円と退職金2,000,000円を支払った。支払った。その長女は8月に結婚しその後年末までは専業主婦で所得はなかった。
なお、長女については青色事業専従者給与の届出の範囲内の給与を支給し、その額は相当である。

1、給与の必要経費算入
長女に支払った給与600,000円は、届出書の範囲内で、その額は相当なので事業の必要経費に算入されます。
しかし、退職金は青色事業専従者給与には含まれず、必要経費に算入できません。

2、配偶者控除の適用
長女の所得金額は給与所得が600,000円-570,000円=30,000円<=380,000円なので、控除対象配偶者の要件を充たし、その配偶者(夫)の所得税の計算上、配偶者控除額を控除できます。

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事業所得の必要経費7(青色事業専従者給与)

2010-02-26 07:29:53 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

事業所得の必要経費7(青色事業専従者給与)

個人事業の事業に専従する同一生計の親族に支払った給与は一定の要件に該当すると必要経費に算入することができます。

[設例]
事業に専従する長女に1月から6月までの給与を600,000円支払った。その長女は8月に結婚しその後年末までは専業主婦で所得はなかった。
なお、長女については青色事業専従者給与の届出の範囲内の給与を支給し、その額は相当である。

1、給与の必要経費算入
長女に支払った給与は、届出書の範囲内で、その額は相当なので事業の必要経費に算入されます。

2、配偶者控除の適用
長女の所得金額は600,000円-570,000円=30,000円<=380,000円なので、控除対象配偶者の要件を充たし、その配偶者(夫)の所得税の計算上、配偶者控除額を控除できます。

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事業所得の必要経費6(繰延資産)

2010-02-25 07:37:35 | 所得税
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事業所得の必要経費6(繰延資産)

個人事業者が支出した費用でその支出の効果が長期に見込まれるものは繰延資産として一時の費用とすることができません。繰延資産はその支出額の総額をその支出の効果の及ぶ期間に配分して費用化していきます。

[設例]
次の支出額のうち本年度の事業所得の必要経費に算入される金額を計算する。
1、すずらん灯(耐用年数15年)を建設するためにこの3月に支出した負担金300,000円
2、商店会の会館(商店会本来の用に供するもので耐用年数38年)の負担金400,000円を6月に支出した。
3、店舗の建物を賃借するため、本年9月に権利金2,000,000円を支払った。契約期間は3年であるが、契約更新の際に再び権利金の支払を要するかどうか不明である。

1、5年<15年 ∴5年
300,000円×10月/60月=50,000円
※共同的施設の設置負担金(負担者と一般公衆の共同利用)は5年と耐用年数とのいずれか少ない年数で償却する。

2、38年×70%=26.6年>10年 ∴10年
400,000円×7月/120月=23,333円
※負担者の属する協会などの本来の用に供される会館等の建設負担金は、耐用年数の70%と10年とのいずれか少ない年数により償却する。

3、2,000,000円×4月/60月=133,333円
※借家権利金は原則として5年で償却するが、契約期間が5年未満で更新時に権利金を支払うことが明らかであるものは契約期間で償却できる。

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事業所得の必要経費5(減価償却費4)

2010-02-24 07:31:43 | 所得税
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事業所得の必要経費5(減価償却費4)

広告宣伝用の事業資産の低額譲渡を受けた場合の所得税の取扱いについて検討してみました。

[設例]
物品販売業者が取扱商品の製造業者からその広告宣伝用の車両を本年6月に600,000円で譲受けた場合の所得税の取扱い。
その車両は製造業者が3,000,000円で取得したもので、耐用年数は6年、定額法の償却率は定額法で0.167である。

1、経済的利益の総収入金額算入額
3,000,000円×2/3-600,000円=1,400,000円>300,000円 ∴1,400,000円
※経済的利益の額は、資産の時価の3分の2の額から支出額を控除した額となります。ただし、その差額が30万円以下である場合は経済的利益はないものとされます。

2、減価償却費
(600,000円+1,400,000円)×0.167×7/12=194,833円
※支出額と上記1で計算された経済的利益の額との合計額が取得価額となります。

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事業所得の必要経費4(減価償却費3)

2010-02-23 07:32:35 | 所得税
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事業所得の必要経費4(減価償却費3)

家事用の資産を事業の用に供した場合の減価償却費の計算を取り上げてみました。

[設例]
平成19年6月に2,000,000円で購入した車を平成22年3月から開始した事業の用に供した場合の減価償却費の計算。
車の償却方法は定率法で耐用年数は6年(定率法の償却率は0.417)

1、取得費の計算
2,000,000円-2,000,000円×(注1)0.112×(注2)3年=1,328,000円
注1 6年×1.5=9年 ∴定額法9年の償却率は0.112
非事業用資産については法定耐用年数に1.5を乗じた年数により、定額法に準じた方法によります。
注2 H19/6~H22/3→2年9月 ∴3年(6月以上切上)
償却期間は6月以上は1年、それ未満は切り捨てます。

2、減価償却費の計算 
1,328,000円×0.417×10/12=461,480円

※償却方法として定額法を選択した場合には、取得価額に定額法の率を乗じるだけですから簡単です。

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確定申告相談において2

2010-02-22 07:31:14 | 所得税
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確定申告相談において2

1、医療費控除の額
(1)年間支出額の総額を医療費控除額と誤解している人がありました。医療費控除額は個人支出額から保険金等で補てんされた額を控除した金額のうち、原則として10万円を超える額です。
(2)年間医療費が10万円以下なので医療費控除をあきらめている人。原則として医療費控除は10万円を超える額についてですが、正確には所得金額の5%と10万円とのいずれか少ない金額を超える額です。例えば所得金額が1,500千円で年間医療費が90,000円であると、医療費控除額は次のように15,000円となります。
1,500千円×5%=75,000円<100,000円 ∴75,000円
90,000円-75,000円=15,000円
(3)通院費(交通機関利用料金)は領収書がないので控除医療費に算入できないと思っている人。通院費は領収書がなければそれらを医療費の計算明細に記載し控除してもらいます。

2、確定拠出年金の加入者掛金の控除
確定拠出年金の掛金は「社会保険料控除」ではなく「小規模企業共済等掛金控除」です。

3、賃貸不動産の譲渡による所得
貸家の譲渡をした人で、譲渡金額を不動産所得の収支計算書の収入の額に記載している人がいました。貸家の譲渡前までの家賃収入は不動産所得の収支計算書の収入金額に記載しますが、譲渡金額そのものは所得の種類が異なり、分離譲渡所得金額となります。

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確定申告相談において

2010-02-21 08:47:47 | 所得税
確定申告相談において

毎年、確定申告時期になると我々税理士による納税者方に対して各会場で確定申告の相談に応じています。
私も自分の当番である相談会場に行ってきましたが、そこで質問のあった事項などを列挙してみました。

1、寡婦控除の計上漏れ
夫が死亡し、再婚していない場合には一定の要件のもと、寡婦控除が受けられますが、納税者がその制度を知らなかったケースがありました。

2、生命保険料の控除証明書の紛失
生命保険料の支払いがあり、それを通帳持参で証明できるという人がいましたが、確定申告で生命保険料控除を受けるためには「控除証明書」の添付が必要です。

3、社会保険料控除の範囲
本人の配偶者が年金から特別徴収された社会保険料(介護保険料など)を本人の申告で控除しようとした人がいましたが、年金からの特別徴収額はあくまでその配偶者が支払っているのであり、本人が支払っていないので本人の社会保険料控除額に加算することはできません。

4、振替納税について
振替納税にしているかどうかを忘れた人、また振替納税にしていることは覚えているが、本人のどの預金口座を振替口座に指定しているか分からなくなった人がいました。
振替納税にしているかどうかは、税務署から送付された申告書用紙の下部をみるとわかります。振替納税の口座名は申告書に表示されていないので、税務署に確認するか、もう一度別な口座を届け出る方法しかないです。

事業所得の必要経費3(減価償却費2)

2010-02-20 06:55:04 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

事業所得の必要経費3(減価償却費2)

前回は、中古資産の耐用年数で取得時に改良費の支出がない場合を取り上げましたが、今回はその改良費がある場合を設例でみていきます。

[設例]
中古の器具備品を500,000円で購入した。この器具備品の法定耐用年数は8年で経過年数は5年である。また、この器具備品の再取得価額は2,000,000円である。この場合の減価償却費計算の基になる耐用年数は

1、改良費300,000円を支出した場合の耐用年数
500,000円×50%<300,000円<=2,000,000円
耐用年数=(500,000+300,000円)÷(500,000円÷(※)4年+300,000円÷8年)=4.9年→4年(1年未満の端数切り捨て)
(※)(8年-5年)+5年×0.2=4年
改良費の額が取得価額の50%を超える場合には、上記のように取得価額と改良費のそれぞれの償却費の年額の合計金額で取得時の支出額の合計額を除して耐用年数を算出する。

2、改良費1,200,000円を支出した場合の耐用年数
1,200,000円>2,000,000円×50% ∴法定耐用年数8年
改良費の額が再取得価額の50%を超える場合には、法定耐用年数による。

3、改良費の額が少額(250,000円以下)の場合
耐用年数=(8年-5年)+5年×0.2=4年
改良費の額が少額(取得金額の50%以下)の場合の耐用年数は、法定耐用年数から経過年数を控除した年数と経過年数の0.2の年数との合計年数によります。

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