税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

期限後申告と加算税

2012-06-29 09:54:41 | 税金一般
期限後申告と加算税

申告書の提出が遅れると、本税のほかに無申告加算税が課せられます。

1、無申告加算税
期限後申告の提出があると、正当事由がある場合を除き、その納付税額の15%(50万円超の部分については20%)の無申告加算税が課せられます。

2、加算税の軽減
期限後申告の提出が、税務調査があったことにより更正又は決定を予知してなされたものでなければ、その税率は5%に軽減されます。

3、加算税が課されない場合
次のいずれにも該当する場合には、無申告加算税は課されません。
(1)期限内申告書の提出の意思があり、
(2)申告期限から2週間以内にその期限後申告書を提出したこと
※期限内申告書提出の意思があるとは、申告期限までに納税額の全額を納付等が必要。

法人税や地方税の申告期限を延長している会社でも、消費税は延長制度がないので、申告期限に遅れないように注意しましょう。

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「通常の地代」と「相当の地代」

2012-06-25 06:38:44 | 相続税・贈与税
「通常の地代」と「相当の地代」

●相続税法の財産評価において、「通常の地代」と「相当の地代」という用語が出てきます。
簡単に言うと、
「通常の地代」とは、借地権の取引慣行のある地域で、借地権の対価の他に支払う通常の地代のことです。
「相当の地代」とは、上記の地域において、借地権の対価を支払う代わりに、それを地代に織り込む場合の地代の額のことです。

●相当の地代の額は、相続税法の財産評価基本通達において、過去3年間の土地の相続税評価額の平均額の6%とされていますので、計算上算定できます。

●通常の地代の額は、取引上の通常地代ということで、財産評価基本通達では算定方法を規定していません。
これがどのくらいなのか、なかなか難しい。
家賃や土地の価額などは、家賃相場・土地の取引実績などで情報を入手することができるのですが、地代それも借地権の対象となる土地の使用対価の相場は難しい。かなり昔から土地を借りている人は、地代が本当にびっくりするほど安くて、これをこれからの土地の地代の基準とすることはふさわしくないと思ってしまいます。
でも、この「通常の地代」の額を算定しなければ、相続税をはじめとする資産税対策も不可能ですので、私は、土地の相続税評価額の2.5%(これは土地の時価の2%相当額)であるとして、計算をすることにしています。

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土地の使用貸借

2012-06-22 08:28:59 | 相続税・贈与税
土地の使用貸借

被相続人の土地の上にあるアパートが長男所有のものであり、その土地を父親から無償で借りている場合の土地評価額はいくらになるか。ただし、この土地の更地としての評価額は100,000千円であり、借地権割合と借家権割合はそれぞれ70%と30%とする。

土地の評価額は100,000千円です。
長男はこの土地を無償で使用しているので、使用貸借として、土地の評価減はありません。
また、たとえ土地の使用の対価を支払っていても、固定資産税相当額以下ならばやはり使用貸借となります。

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貸家建付地の評価(空き室)

2012-06-21 08:00:24 | 相続税・贈与税
貸家建付地の評価(空き室)

建付地(アパートなどの敷地)の相続税評価額は、土地の価額から貸家建付借地権相当額を控除して計算しますが、相続時点で現実に貸し付けられていることを前提とします。
したがって、空き室や空き家部分は更地価額とされます。

土地の評価額100,000千円で、その上にあるアパートが20室のうち、4室は空き室である場合の貸家建付地の評価はいくらになるか。ただし、借地権割合と借家権割合はそれぞれ70%と30%とする。

貸家建付地の評価額=100,000千円×(1-70%×30%)×16室/20室=63,200千円

※貸室などで、今まで継続して貸し付けられていて、相続時に一時的に空き室状態にあるものは、貸し付けられているものとして取り扱ってもよいこととされている。

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貸家建付地の評価

2012-06-20 09:46:54 | 相続税・贈与税
貸家建付地の評価

相続税の財産評価において、土地は路線価に基づいて評価しますが、そこにアパートなどを建築している場合には、評価額が低くなります。

相続税評価額が100,000千円の土地に、アパートを建築して賃貸している場合のその土地の価額は次のようになります。ただし、この土地の借地権割合と借家権割合はそれぞれ70%と30%とする。

1、貸家建付借地権
100,000千円×70%×30%=21,000千円
2、貸家建付地
100,000千円-21,000千円=79,000千円

もし、相続税率が50%のところにある場合には、10,500千円(=21,000千円×50%)もの相続税額の減額になる。

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相続税設例4

2012-06-19 09:30:02 | 相続税・贈与税
相続税設例4

相続財産500,000千円、相続人2人(子)という条件で、生前に相続人にそれぞれ100,000千円ずつ、生前贈与を行った場合を検討しましたが、今回は、生前贈与額を6,000千円ずつに変更してみましょう。長期分割生前贈与です。
初年度の生前贈与を実行した場合の税額を計算してみます。

1、贈与税
{(10,000千円-1,100千円)×40%-1,250千円}×2人=4,620千円

2、相続税
(1)遺産総額
500,000千円-10,000千円×2人=480,000千円
(2)遺産に係る基礎控除額
50,000千円+10,000千円×j2人=70,000千円
(3)課税遺産総額
480,000千円-70,000千円=410,000千円
(4)法定相続分に応ずる取得金額
410,000千円÷2人=205,000千円
(5)相続税の総額
205,000千円×40%-17,000千円)×2人=130,000千円

3、税負担額計
1+2=134,620千円

4、納税額の比較
生前贈与のほうが有利、3,380千円(=138,000千円-134,620千円)税額が減少する。
生前贈与も一度に行わずに、贈与税の税率を見ながら、長期にわたって実行すると、節税効果が表れる。

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役員に貸与する社宅の家賃

2012-06-18 09:54:21 | 所得税
役員に貸与する社宅の家賃

役員に社宅を貸与する場合には、家賃をいくらにするかという問題がある。所得税の取扱いを整理してみた。


1、原則的な家賃(所得税基本通達36-40)
家賃(月額)={家屋の固定資産税の課税標準額×12%(木造以外は10%)+敷地の固定資産税の課税標準額×6%}÷12
使用者が他から借り受けて貸与した社宅等でその使用者の支払賃料の50%相当額が上記計算額を超えるものは、その50%相当額とされる。

2、小規模宅地等(所得税基本通達36-41)
床面積が132?(木造以外は99?)以下の場合の家賃の計算は次によることとされている。
家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%+12円×その家屋の総床面積/3.3?+敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%
※敷地だけを貸与した場合は、この取扱いは適用されない。

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相続税設例3

2012-06-15 07:06:09 | 相続税・贈与税
相続税設例3

相続財産500,000千円のうち、土地200,000千円を子に250,000千円で売却した場合。

1、所得税・住民税
(250,000千円-250,000千円×5%)×20%=47,500千円
2、相続税
(1)遺産総額
500,000千円-200,000千円+250,000千円-47,500千円=502,500千円
(2)遺産に係る基礎控除額
50,000千円+10,000千円×2人=70,000千円
(3)課税遺産総額
502,500千円-70,000千円=432,500千円
(4)法定相続分に応ずる取得金額
432,500千円÷2人=216,250千円
(5)相続税の総額
(216,250千円×40%-17,000千円)×2人=139,000千円
3、税負担額計
1+2=186,500千円
4、比較
不利、48,500千円(=186,500千円-138,000千円)税額の負担が増加する。

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相続税設例2

2012-06-14 06:37:26 | 相続税・贈与税
相続税設例2

前回の相続財産500,000千円、相続人2人(子)という条件で、生前に相続人にそれぞれ100,000千円ずつ、背生前贈与を行った場合を検討してみる。

1、贈与税
{(100,000千円-1,100千円)×50%-2,250千円}×2人=94,400千円
2、相続税
(1)遺産総額
500,000千円-100,000千円×2人=300,000千円
(2)遺産に係る基礎控除額
50,000千円+10,000千円×j2人=70,000千円
(3)課税遺産総額
300,000千円-70,000千円=230,000千円
(4)法定相続分に応ずる取得金額
230,000千円÷j2人=115,000千円
(5)相続税の総額
(115,000千円×40%-17,000千円)×2人=58,000千円
3、税負担額計
1+2=152,400千円
4、納税額の比較
生前贈与のほうが不利、14,400千円(=152,400千円-138,000千円)税額が増える
これは、贈与税のほうが相続税よりもずっと税金の負担額が多くなるため

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相続税設例1

2012-06-13 06:58:52 | 相続税・贈与税
相続税設例1

相続財産500,000千円、相続人2人(子)の場合の相続税の総額を計算してみる。

<相続税の総額の計算>
1、遺産にかかる基礎控除額
50,000千円+10,000千円×2人=70,000千円

2、課税遺産総額
500,000千円-70,000千円=430,000千円

3、法定相続分に応ずる取得金額
各相続人
430,000千円÷2=215,000千円

4、相続税の総額
(215,000千円×40%-17,000千円)×2人=138,000千円

相続対策として、生前に相続人に贈与又は売却等をした場合の税額の検討を次回以降行う予定です。

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