税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

ブログを投稿してから約一年経過

2007-06-30 18:47:20 | OFF
今日は平成19年6月30日で、来月から7月です。
平日のみですが、ブログを投稿し始めてから約一年休みなく投稿できたと我ながら感心しています。
時には、朝から顧問先へ直行などのためその日のブログ投稿を朝一番で投稿するのが難しい時もありましたが、そんな時は前日未明の0時を過ぎたところでブログの投稿をしたりしたこともありました。
内容も、もう少し易しく書いたほうが良いのではとか悩んだりしましたが、もうこのスタイルでこれから行けるところまでやっていこうと思います。


定期同額給与の改正(一定の改定事由)

2007-06-29 08:15:14 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は、役員給与の定期同額給与の規定の改正について書いてみました。

 

役員給与は、定期同額給与などを除き法人税では損金不算入です。

平成19年度の税制改正では、損金に算入される定期同額給与には一定の改定が行われた場合で、そのそれぞれの期間を通じて給与が同額である場合も含まれることとされています。

その一定の改定の事由として次の3つが規定されています。

 

  • その事業年度開始の日から3月を経過する日までの改定

  • 臨時改定事由(役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむをえない事情)による改訂

  • 業績悪化改定事由(経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由)による改訂(減額に限る)

 

例えば次のような事例の役員給与も定期同額給与として損金に算入されると思われます。

 

A社(3月決算)では報酬を支払う役員は取締役甲だけで、前期は役員報酬月額800千円であった。今期は職務の内容や収益予想により報酬月額1,000千円に増額することとし、平成19620日の株主総会で承認を得た。7月以後その決議通り役員報酬を支払っていたが、11月に当社商品に対する消費者の需要が競合他社から画期的なものが出たため大幅に減少し、得意先の倒産等もあいまって経営状況が悪化し、経営規模の縮小も考えなければならなくなった。そのため役員報酬も減額して月額300千円を期末まで支払った。


減価償却計算(定率法)

2007-06-28 08:25:49 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

本日は、減価償却の具体的計算の定率法です。新定率法は償却方法がその資産の耐用年数を通じて1つの方法ではなく、途中(耐用年数の終盤)で定額法のように切り替わりますので慣れるためには練習が必要ではないかと思いました。

平成
1941日以後に取得した減価償却資産の定率法による減価償却費の計算は、取得価額に耐用年数に応じた償却率を乗じて計算します。そして、その償却費が償却保証額(取得価額に保証率を乗じた額)を下回るようになったときは、その事業年度以後の減価償却費は、期首帳簿価額に改訂償却率を乗じて減価償却費を計算することとなります。

 

説例

A社(3月決算)、減価償却資産:パソコン、取得時期:平成1941日、取得価額:500千円、償却方法:定率法、


<CAPTION>別表第十(平成1941日以後に取得された減価償却資産の償却率、改訂償却率及び保証率の表)</CAPTION>
耐用年数 定額法の償却率 定率法の償却率 改定償却率 保証率
4 0.250 0.625 1.000 0.05274

 

事業年度 期首簿価 減価償却費 期末簿価
平成1941日から平成20331 500,000 312,500 187,500
平成2041日から平成21331 187,500 117,188 70,312
平成2141日から平成22331 70,312 43,945 26,367
平成2241日から平成23331 26,367 26,366 1



  

 

  

 

  

 

  


減価償却費の具体的計算(資本的支出2)

2007-06-27 08:18:36 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は、減価償却費計算で資本的支出があった場合、それも平成1941日以後に取得した資産について資本的支出があった場合の償却費の計算についてです。

原則としては、本体と資本的支出とを別個の資産(種類と耐用年数は本体と同じ)として減価償却費を計算します。

ただし、法人の選択により次の2つの方法も認められています。

 

本体(旧減価償却資産)と資本的支出(追加償却資産)とに新定率法を適用しているときは、その翌事業年度開始の時における旧減価償却資産の帳簿価額と追加償却資産の帳簿価額の金額の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を、新たに取得したものとする、つまり資本的支出と本体とを合体させる。

 

新定率法の適用を受ける資本的支出(追加償却資産)が同一の事業年度で複数ある場合で、その本体と合体することを選択しなかったものは、翌事業年度開始の時に、種類及び耐用年数の同じ資本的支出を一つにまとめて新たな資産として処理する。

 

資本的支出があった場合の減価償却費の計算に関しては、法人に複数の選択権が認められています。そのときには、本体が、平成19331日以前に取得されたものかそれとも平成1941日以後に取得されたものかの確認をまず行わなければなりません。

減価償却費の具体的計算(資本的支出があった場合

2007-06-26 08:21:51 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は、減価償却費の計算で、資本的支出があった場合の償却費計算です。今回は平成19331日以前に取得した減価償却資産につき、平成1941日以後に資本的支出があった場合に限定しました。

 

法人の所有する減価償却資産について資本的支出があった場合には、原則として、その本体と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却費を計算します。つまり、本体と資本的支出とを別々の資産として減価償却費を計算するということです。

ただし、法人の選択により、その資本的支出を本体に加算して減価償却を計算することも認められています。

 

説例

A社(3月決算)の所有減価償却資産は次のとおりです。

資産種類:機械装置、取得日:平成1841日、取得価額:2,000千円、償却方法:定率法、耐用年数:5年、旧償却率0.369,期首(平成1941日)簿価:1,262千円

 

当期(平成1941日から平成20331日)に次の資本的支出があった場合の償却費の計算と仕訳。

資本的支出の日:平成1941日、支出金額:500千円、新償却率:0.500

 

1.原則的方法

[償却費の計算]

機械本体の償却費 1,262千円×0.369464,940

資本的支出の償却費 500千円×0.500250千円

償却費計 464,940円+250千円=714,940

[仕訳]

借方 減価償却費 714,940円 貸方 減価償却累計額 714,940

 

2.例外

[償却費の計算]

機械本体及び資本的支出の償却費 (1,262千円+500千円)×0.369650,178

 [仕訳]

借方 減価償却費 650,178円 貸方 減価償却累計額 650,178


減価償却費の計算(今期償却費累計額が95%に達した場合)

2007-06-25 08:25:35 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は、減価償却計算の3回目ですが、前回平成19331日以前にすでに償却費累計額が95%に達していた資産の償却費の計算のお話をしましたが、今回は平成19331日以前に取得をしていた資産が平成1941日以後に償却費の累計額が95%に達する場合の償却費の計算です。

 

この資産は、平成19331日以前に取得した資産ですので、旧定率法に基づき減価償却を続けていき、償却累計額が95%に達した場合はその事業年度でいったんそこで償却を停止し、次年度からその帳簿価額を5年間で5分の1ずつ備忘価額1円まで償却することになります。

 

説例

A社(3月決算)の減価償却資産は次の通りです。

資産の種類:パーソナルコンピューター、取得日:平成1441日、取得価額:600千円、償却方法:定率法、耐用年数:4年、償却率:0.438、平成19331日の期末簿価:33,638

当期(平成1941日から平成20331日)の償却費の計算と仕訳。

[償却費の計算]

33,638円×0.43814,733

33,638円-14,733円=18,905円<30,000円 

33,638円-30,000円=3,638

[仕訳]

借方 減価償却費 3,638円 貸方 減価償却累計額 3,638

 

翌期(平成2041日から平成21331日)の償却費の計算と仕訳。

[償却費の計算]

30,000円-1円)×12/606,000

 [仕訳]

借方 減価償却費 6,000円 貸方 減価償却累計額 6,000


減価償却費の計算(償却費累計額が95%まで達した資産)

2007-06-22 08:10:57 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は減価償却費計算の第2回として、平成19331日以前に取得した資産で、すでに償却費累積額が取得価額の95%に達している資産の償却についてです。

 

その資産の減価償却は、平成1941日以後に開始する各事業年度において、次の算式により計算した金額を償却限度額として残存価額1円まで償却できることとなりました。

償却限度額=(取得価額の5%-1円)×各事業年度の月数/60

 

説例2

A社(3月決算)の減価償却資産は次のとおりである。

資産種類:車両、取得日:平成1051日、 取得価額:2,000千円、償却方法:定率法、償却率:0.319耐用年数:6年、平成19331日の簿価:100千円

 

当期(自平成1941日至平成20331日)の減価償却費の計算と仕訳。
償却費の計算

償却費=(100千円-1円)×12/6020千円

仕訳

借方 減価償却費 20千円 貸方 減価償却累計額 20千円

減価償却の具体的計算1(新旧両資産がある場合)

2007-06-21 08:23:03 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は減価償却の具体的計算として、同種の資産で平成19331日以前に取得したものと平成1941日以後に取得したものとがある場合を取り上げてみました。

 

説例1

A社(3月決算)の所有している減価償却資産は次のとおりである。

資産 項目 内容
車両1 取得日 平成1741
取得価額 3,000千円
耐用年数 6
償却方法 定率法
償却率 0.319
期首簿価 1,391,283
車両2 取得日 平成1941
取得価額 2,500千円
耐用年数 6
償却方法 定率法
償却率 0.417

 当期(自平成19年4月1日至平成20年3月31日)の償却費の計算と仕訳
 

償却費の計算

車両1 1,391,283円×0.319443,819

車両2 2,500千円×0.4171,042,500

償却費合計 443,819円+1,042,500円=1,486,319

 

仕訳 
借方 減価償却費 
1,486,319円 貸方 減価償却累計額 1,486,319

 

減価償却資産の償却率は平成19331日以前に取得の資産については別表第9で、平成1941日以後に取得した資産については別表第10によります。

寄付金控除

2007-06-20 08:11:24 | 所得税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は、寄付金控除について控除限度額の改正と現物を寄付した場合の計算方法の確認をしてみました。

 

居住者が特定寄付金を支出した場合には、その年分の所得金額から寄付金控除額が控除されます。

 

特定寄付金とは、国等、公益法人で財務大臣によって指定された法人への寄付や政党などに対する一定の要件を満たす寄付などです。

 

寄付金控除額の変更
寄付金控除額は平成18年の税制改正によって控除限度額が引き上げられましたが、平成19年の税制改正によりさらに控除限度額が増加されました。

控除額=(特定寄付金の額の合計額と総所得金額等の40%のいずれか低い金額)-5千円

 

〔現物で寄付をした場合の控除額の計算〕

寄付を土地などの現物で行った場合には、その現物の時価そのもので寄付の額を計算するのではなく、その時価から譲渡益の部分を控除した金額で寄付金の額を計算します。

言い換えれば現物の取得費と譲渡費用の合計額が寄付金の額になります。

 

次に簡単な説例を作ってみました。

Aは国に土地(時価10,000千円、取得費5,000千円、譲渡費用300千円)を寄付した。

Aの本年の所得は事業所得20,000千円、配当所得100千円であった。

項目 計算
寄付金控除限度額 (20,000千円+100千円)×40%=8,040千円
寄付金の額  10,000千円-{10,000千円-(5,000千円+300千円)}=5,300千円
特定寄付金の額  8,040千円>5,300千円 ∴5,300千円
寄付金控除額 5,300千円-5千円=5,295千円

 

 

 

 

不動産所得計算上の損失(土地等の借入利息)

2007-06-19 08:12:40 | 所得税

おはようございます。税理士の倉垣です。

 

今日は、不動産所得の計算上生じた損失のうちに土地等の借入金の利息がある場合の損益通算について確認してみました。

 

不動産所得の計算上生じた損失額は、原則として他の所得金額から損益通算として控除できるのですが、その損失額のうち土地等の借入金の利息相当額は所得税の計算上生じなかったものとみなされ、したがって損益通算もできません。

 

1.     不動産所得の計算上生じなかったものとみなされる損失額

次の区分に応じ、次に掲げる金額です。

土地等の借入利息額が不動産所得の損失額を超える場合 その損失額

土地等の借入利息額が不動産所得の損失額以下である場合 土地等の借入利息額

2.     土地建物を一括取得した場合の負債の計算

個人が土地と建物を一括取得した場合で、これらの資産を取得するための負債の額を土地と建物に区分することが困難であるときは、この負債をまず建物の取得の対価の額に充てたものとして計算することができます。

 

平成4年からこの特例が設けられて、それまで利用されていた借入金でワンルームマンションを購入し節税する方法が効果を失いました