税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

株主持分:留保利益2(STOCK DIVIDENDS)

2008-05-30 08:20:29 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は英文会計の株主持分:留保利益2(STOCK DIVIDENDS)で株式配当についてまとめてみました。
会社は株主への配当を現金ではなくて自社の株式で行うことができます。これを株式配当といいます。

株式配当の会計処理は次のようになります。
1.低率の株式配当の場合(small stock dividend)
株式配当<正味発行済株数の20%~25%
株式の市場価額(market value)で留保利益(retained earnings)の借方に記入
2.高率の株式配当の場合(large stock dividend)
株式配当>正味発行済株数の20%~25%
額面金額で留保利益(retained earnings)の借方に記入

計算例
1.低率の株式配当の場合(small stock dividend)の例
発行済株式総数100,000株、額面金額$20,市場価額$25について10%の株式配当を行う。

イ、date of declaretion
借方 貸方
retained earnings 250,000(注)
Common Stock Dividend Distributable 200,000
Paid-in Capital in Excess of Par 50,000
(注)$25×100,000株×10%=$250,000
ロ、date of payment
借方 貸方
Common Stock Dividend Distributable 250,000
Common Stock 200,000

2.高率の株式配当の場合(large stock dividend)
上記の例で、配当を30%とする。
イ、date of declaretion
借方 貸方
retained earnings 600,000(注)
Common Stock Dividend Distributable 600,000
(注)$20×100,000株×30%=$600,000
ロ、date of payment
借方 貸方
Common Stock Dividend Distributable 600,000
Common Stock 600,000

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株主持分:留保利益1(Stockholders' Equity:Retainde Earnings)

2008-05-29 08:31:23 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は英文会計の株主持分:留保利益1(Stockholder's Equity:Retained Earnings)で、現金配当(cash dividends)についてまとめてみました。

会社が株主に現金を分配することを現金配当(cash dividends)といいます。会社は取締役会の決議により、留保利益(retained earnings)より株主に配当を支払うことができます。
配当に関しては3つの基準日があります。
基準日 内容
配当宣言(date of declaration) 取締役会が配当を決議した日
記録日(date of record) 配当を支払う株主を確定する日
支払日(date of payment) 配当支払日

会計処理は次のようになります。
1.date of declaration
借方 貸方
Retained Earnings **
Cash Dividends Payable **

2.date of record
No entry

3.date of payment
借方 貸方
Cash Dividends Payable **
Cash **

計算例
発行済株式数500株、配当は1株当たり$20
配当宣言(date of declaration) June 1
記録日(date of record) July 1
支払日(date of payment) Aug. 1

June 1(date of declaration)
借方 貸方
Retained Earnings 10,000
Cash Dividends Payable 10,000

July 1(date of record)
No entry

Aug. 1(date of payment)
借方 貸方
Cash Dividends Payable 10,000
Cash 10,000
注1、記録日(date of record)には仕訳なし。
注2、Cash Dividends Payableは流動負債勘定。(株主への配当金支払債務)


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資本5(Stock Ownership)stock issuance costs

2008-05-28 08:24:59 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は資本5(Stock Ownership)(株式発行費)stoc issuance costsの処理です。

株式を発行するためにはさまざまな費用が発生します。
弁護士費用(atorneys's fees),株券印刷費(printing expenses)、CPA報酬(CPA fees),引受業者への報酬(underwriters' fees)などです。
これらの費用の処理方法は2通り考えられます。
まず、株主からの払込金額の減額と考える方法。この方法では、stock issuance costsをPaid-in Capital in Excess of Parから控除します。
もう一つの方法は、この費用を繰延資産と考えて徐々に費用化する方法です。
米国会計では、前者の方法によっているようです。

計算例(払込資本より控除する方法)

ABC corporation incurs stock issuance costs of $5,000 for the issuance of 5,000shares os $100 par common stock at $120 per share.
The entry for the sock issuance would be:
ABCは額面$100の普通株式5,000株を1株$120で発行した。株式発行費用は$5,000であった場合の仕訳は
Cash 600,000
Common Stock 500,000
Paid-in Capital in Excess of Par 100,000

Paid-in Capital in Excess of Pa 5,000
Cash 5,000

日本では、株式の発行に係る費用は「株式交付費」として、新株発行のみでなく自己株式の発行の費用も併せて、支出時の費用として処理するか、繰延資産として株式交付の時から3年以内の効果の及ぶ期間にわたり定額法で費用化することとなっています。

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資本4(Stock Ownership)(現金以外の対価)

2008-05-27 08:30:41 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は資本4(Stock Ownership)(現金以外の対価)です。株式を現金以外の対価で発行する場合の英文会計での処理についてみていきます。この場合受け入れた資産の評価額をどうするかの問題があります。
市場価額(market value) 受け入れ資産の評価額
株式と資産のmarket valueのうちいずれかがより明確な場合 そのより明確なmarket valueによる
株式と資産のmarket valueがいずれも明確な場合 独立当事者間の公正な取引なのでそのままその資産のmarket valueによる
株式と資産のmarket valueの両方とも明確でない場合 第三者の評価に基づき取締役会が決定する

計算例
ABC Corporation issues 500 shares of $100 par common stock in exchange for a land. The market value of the land is $70,000; the market value of the shares is unknown. The journal entry is:
ABC会社は額面$100の普通株式500株を発行して土地を受けイ入れた。土地の市場価額は$70,000で株式の市場価額は不明である。この場合の仕訳は、
Land 70,000
Common Stock 50,000
Paid-in Capital in Excess of Par 20,000
(注)土地のmarket valueが明確なので、受け入れ資産の土地の評価額はその土地のmarket value$70,000で評価します。

If in the previous example the market value of the land was unknown while the market value of the stock was $60,000 the entry would be:
もし前例で土地の市場価額が不明で、株式の市場価額が$60,000であった場合の仕訳は、
Land 60,000
Common Stock 50,000
Paid-in Capital in Excess of Par 10,000
(注)株式のmarket valueが明確なので、受け入れ資産の土地の評価額はその株式のmarket value$60,000で評価します。

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資本3(Stock Ownership)(LUMP-SUM SALES OF STOCK)

2008-05-26 08:27:13 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は資本3(Stock Ownership)で株式の抱き合わせ発行(LUMP-SUM SALES OF STOCK)についてまとめてみました。会社が普通株式(Common Stock)と優先株式(Preferred Stock)を一括して発行した場合、その発行価額の合計額をどのようにしてCommon StockとPreferred Stockに配分するかの問題があります。この場合の会計処理をみていきます。

市場価値(market Value) 配分方法
両方のmarket Valueがわかる場合 時価で按分(proportional method)
片方のmarket Valueだけわかる場合 合計額から片方のmarket Valueを控除(incremental method)

次に計算例を作成しました。
1.時価で按分(proportional method)の計算例
The ABC Corporation issues 500 shares of $100 par common stock and 800 shres of $30 par preferred stock for a lump sum of $150,000.
the market values per share are $120 and $50, respectibely.
Determine the amount, to allocate to each class and prepare the journal entries.
ABCは額面$100の普通株式500株と1株$30の優先株式800株を合計$150,000で発行した。
市場価額は普通株式$120、優先株式$50です。
払込金額の各クラスの株式への配分と仕訳を示す。

イ、 market valueの計算
種類 market value
common $120×500株=$60,000
preferred $50×800株=$40,000
total $100,000

ロ、 発行価額の総額$150,000を時価により各クラスの株式に配分します(proportinal method)。
種類 market value 按分額
Common $60,000 $150,000×0.6=$90,000
Preferred $40,000 $150,000×0.4=$60,000
Total $100,000 $150,00

ハ、仕訳
各種類の株式に按分された発行価額を基に、額面金額とそれを超える部分の金額に分割して仕訳をします。
Cash 90,000
Common Stock 50,000
Paid-in Capital in Excess of Par-Common 40,000
Cash 60,000
Preferred Stock 24,000
Paid-in Capital in Excess of Par-Preferred 36,000

2.合計額から片方のmarket Valueを控除(incremental method)の計算例
この処理は発行価額の合計金額から、分かっている種類のmarket Valueの金額を控除した残りが、他の種類の株式の発行価額になります。計算例は上記1より容易に推測できますので省略します。

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資本2(Stock Ownership)(無額面株式)

2008-05-23 08:29:32 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は英文会計の資本2(Stock Ownership)(無額面株式)です。
前回は額面株式の発行の会計処理についてでしたが、今回は無額面株式についてまとめてみました。
会社が無額面株式を発行した場合の会計処理は次のようになります。
会計処理
原則 発行価額の全額をcommon stock又はpreferred stockとして処理
取締役会が一定額(stated value)を割り当てた場合 1.stated valueの額をcommon stock又はpreferred stockとして処理
2.発行価額とstated valueの額の差額をPaid-in Capital in Excess of Stated Valueへ記入する

例えば、会社が無額面株式200株、stated value$100を$24,000で発行した場合の仕訳は次のようになります。
Cash 24,000
Common Stock 20,000
Paid-in Capital in Excess of Par 4,000

日本の新会社法ではすべて無額面株式で、原則として払込金額全額が資本金額となりますが、その2分の1を超えない範囲で資本準備金とすることが認められています。(会社法445条)

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資本1(Stock Ownership)

2008-05-22 08:27:01 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は英文会計の資本1(Stock Ownership)です。
以前この内容について投稿したことがありましたが、またBATIC(国際英文会計)の試験が近付きましたので再度内容をより簡潔にまとめてみました。

会社は株主から授権された範囲内で株式を発行することができます。その場合その発行価額は額面、プレミアム、ディスカウントの3つの場合があります。
それぞれの場合の仕訳を表にします。
発行価額 仕訳
借方. 貸方
額面 Cash
Common Stock
プレミアム Cash
Common Stock
Paid-in Capital in Excess of Par
ディスカウント Cash
Paid-in Capital in Excess of Par
Common Stock
(注)Paid-in Capital in Excess of Parは額面金額と入金額の差額

次に計算例を作成しました。
The ABC Corporation is authorized to issue 200 shares of $100 common stock.
Prepare the jounal entries for the issuance if the price per share is:
(a) $70
(b) $100
(c) $120
ABC会社は授権発行株数200株のうち普通株式100株を発行した。発行価額が次の場合株式発行の仕訳を示す。
(a) $70
(b) $100
(c) $120

(a)
Cash 14,000
Paid-in Capital in Excess of Par 6,000
Common Stock 20,000

(b)
Cash 20,000
Common Stock 20,000

(c)
Cash 24,000
Common Stock 20,000
Paid-in Capital in Excess of Par 4,000

日本では新会社法で額面株式はなくなりましたが、米国ではまだあります。
普通株式の発行価額と額面との差額はPaid-in Capital in Excess of Parで処理します。
もし会社が優先株式を発行すると、preferred stockという勘定科目を使用します。


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人格のない社団等(法人税)

2008-05-21 08:16:34 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日はP.T.A.や各種同業者団体などの法人格のない団体に対する法人税の課税について調べてみました。

1.人格のない社団等
人格のない社団等とは、法人でない社団または財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。(法人税法2条8号)

[法人でない社団の範囲](法人税基本通達1-1-1)
多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体のうち法人格を有しないもので、単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有して統一された意志の下にその構成員の個性を超越して活動を行うものをいい、次に掲げるようなものはこれに含まれない。
イ、民法の組合契約による組合
ロ、商法の匿名組合

[人格のない社団等についての代表者又は管理人の定め](法人税基本通達1-1-3)
人格のない社団等についての代表者又は管理人の定めがあるとは、その社団または財団の定款、寄付行為、規約等によって代表者又は管理人が定められている場合のほか、その社団または財団の業務に係る契約を締結し、その金銭、物品等を管理する等の業務を主宰する者が事実上あることをいうものとする。したがって、法人でない社団又は財団で収益事業を行うものには、代表者又は管理人の定めのないものは通常あり得ない。

2.納税義務の範囲
人格のない社団等は法人とみなして、法人税法が適用されます。(法人税法3条)
人格のない社団等は収益事業を営む場合に限り法人税を納める義務があります。(法人税法4条1項)

3.課税所得の範囲
人格のない社団等の各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について各事業年度の所得に対する法人税が課税されます。非収益事業から生じた所得は非課税とされています。
[収益事業]
販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう。(法人税法2条13号、施行令5条)

4.税率
税率は年800万円以下は22%、年800万円超は30%となっています。これは、普通法人の中小企業(資本金1億円以下)の税率と同じです。

法人格のない社団または財団は、法人格はなくても社会生活上、独立性を有しているので法人税法上これを法人として取り扱うが、課税は収益事業のみとされています。

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事業承継税制(相続税額の延納)

2008-05-20 08:29:54 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

平成21年度の税制改正で、中小企業の事業承継税制として株式評価額の80%に対応する相続税額を延納できることとなりそうです。

1.相続税額の延納
事業承継の経済産業大臣から許可を受けた非上場の中小企業株式等の課税価格の80%に対応する相続税額が延納されます。ただし、その許可を受けるためには雇用確保をはじめとして5年間の事業継続要件が要求されています。

2.適用時期
平成21年度の税制改正ですが、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)」の施行日以後の相続等にさかのぼって適用することとされ、その施行日は平成20年10月1日の予定です。

3.民法の特例
先代経営者の推定相続人であることについて、経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分権利者全員との合意内容につき家庭裁判所の許可を受けると民法の遺留分につき特例を適用することができます。
遺留分の計算を事業承継者の取得した自社株を除外して計算することです。

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相続時精算課税制度(手続)

2008-05-19 08:26:50 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は相続時精算課税制度の適用手続などをみていこうと思います。

1.適用手続
相続時精算課税の適用を受けようとする者(相続時精算課税適用者)は、その贈与者(特定贈与者)ごとに、相続時精算課税選択届出書を贈与税の申告期限までに納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
相続時精算課税選択届出書には、相続時精算課税適用者の生年月日や特定贈与者との続柄など一定の事項を記載し、相続時精算課税適用者の戸籍の謄本など所定の書類の添付が要求されています。
相続時精算課税適用者はこの特定贈与者から贈与により受けた財産についてはこの届出書提出年分以降はこの相続時精算課税制度の適用を受けます。
この相続時精算課税制度届出書は撤回ができません。

2.年の中途で推定相続人となった場合
年の中途で贈与者の推定相続人となった者は、その年の推定相続人となった時前にその贈与者から贈与により受けた財産については、相続時精算課税制度の適用を受けられません。
届出書を提出する年は、受贈者について暦年課税分と相続時精算課税分の両方が発生する可能性があります。。

3.特定贈与者の推定相続人でなくなった場合
相続時精算課税選択届出書を提出した者は、その特定贈与者の推定相続人でなくなった場合でも、その特定贈与者から贈与により取得する財産については相続時精算課税制度を適用します。

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