税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

新信託法(信託行為)

2007-09-28 08:17:54 | 法人税

信託行為

 おはようございます。税理士の倉垣です。

 いよいよ、新信託法が9月30日に施行されます。

この新信託法は、旧法が大正11年(1922年)に制定されてから初めての改正です。内容的にも85年ぶりですので、大きく変わっています。

 信託について、全く知識を持っていない人のために簡単な例を一つ上げておきます。

甲が自己所有の賃貸アパートの利益を孫の乙に与えようと思い、その管理を信頼している丙に頼み、アパートの所有権を丙に移転した。丙はそのアパートを管理し、家賃収入から経費を引いた利益を乙に与える。甲は信託の「委託者」であり、丙は「受託者」、乙は「受益者」、アパートが「信託財産」、甲から丙への財産管理依頼が「信託行為」です。

 今日は、信託行為について条文をみていきたいと思います。

 1.信託

この法律において「信託」とは、次に掲げる方法(信託行為)のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。第3条に同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他のその目的達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。

 2.信託行為

イ、信託契約(委託者と受託者との契約)

特定の者との間で、その特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びにその特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他のその目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(信託契約)を締結する方法

 ロ、遺言(委託者が遺言で信託を行う)

特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びにその特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他のその目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法

ハ、公正証書等によってする意思表示(委託者と受託者が同一人である)

特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他のその目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録でその目的、その財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

 

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp


経済的利益(利息相当額)

2007-09-27 08:23:39 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、給与に係る経済的利益のうち、利息相当額について所得税の取扱いをまとめてみました。

1.利息相当額の評価

会社が役員等に貸し付けた金銭の利息相当額については、その金銭が会社において他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかである場合には、その借入金の利率により、その他の場合には、貸し付けを行った日の属する年の前年11月30日を経過する時におけるいわゆる公定歩合に年4%の利率を加算した利率(その利率に0.1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)により評価します。

2.課税しない経済的利益(金銭の無利息貸付等)

会社が役員等に対し金銭を無利息又は上記1により評価した利息相当額に満たない利息で貸し付けたことにより、その貸し付けを受けた役員等が受ける経済的利益で、次の掲げるものについては、課税されない。

イ、災害、疾病等により臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員等に対し、その資金に充てるために貸し付けた金額につき、その返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける経済的利益

ロ、役員等に貸し付けた金額につき、会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、これにより利息を徴収している場合に生じる経済的利益

ハ、上記イ及びロの貸付金以外の貸付金につき受ける経済的利益で、その事業年度における利益の合計額が年5,000円以下のもの

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp

法人税法上給与に含まれる経済的利益

2007-09-26 08:17:37 | 法人税

おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、法人税法上、給与に含まれる経済的利益についてまとめてみました。

法人税法上、役員などの給与には様々な規制がありますが、その「給与」には「債務の免除による利益その他の経済的な利益」を与える場合も含まれます。

1..   債務の免除による利益その他の経済的な利益の例

法人が、次に掲げる行為をしたことにより実質的に役員等に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすもの(明らかに株主等の地位に基づいて取得したと認められるもの及び病気見舞、災害見舞等のような純然たる贈与と認められるものを除く)

イ、  役員等に対して物品その他の資産を贈与した場合におけるその資産の価額に相当する金額

ロ、  役員等に対して所有資産を低い価額で譲渡した場合におけるその資産の価額と譲渡価額との差額に相当する金額

ハ、  役員等から高い価額で資産を買い入れた場合におけるその資産の価額と買入価額との差額に相当する金額

ニ、  役員等に対して有する債権を放棄し又は免除した場合(貸倒れに該当する場合を除く)におけるその放棄し又は免除した債権の額に相当する金額

ホ、  役員等から債務を無償で引き受けた場合におけるその引受けた債務の額に相当する金額

ヘ、  役員等に対してその居住の用に供する土地又は家屋を無償又は低い価額で提供した場合における通常取得すべき賃貸料の額と実際徴収した賃貸料の額との差額に相当する金額

ト、  役員等に対して金銭を無償又は通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合における通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際徴収した利息の額との差額に相当する金額

チ、  役員等に対して無償又は低い対価の額で上記ヘ及びトに掲げるもの以外の用役の提供をした場合における通常その用役の対価として収入すべき金額と実際に収入した対価の額との差額に相当する金額

リ、  役員等に対して機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、その法人の業務のために使用したことが明らかでないもの

ヌ、  役員等のために個人的費用を負担した場合におけるその費用の額に相当する金額

ル、  役員等が社交団体等の会員となるため又は会員となっているために要するその社交団体の入会金、経常会費その他その社交団体の運営のために要する費用でその役員等の負担すべきものを法人が負担した場合におけるその負担した費用の額に相当する金額

ヲ、  法人が役員等を被保険者及び保険金受取人としてその保険料の額の全部又は一部を負担した場合におけるその負担した保険料の額に相当する金額

2.   給与としない経済的な利益

上記1の経済的利益で、それが所得税法上経済的利益として課税されないものであり、かつ、その法人がその役員等に対する給与として経理しなかったものは、給与として取り扱わなくてもよいこととされています。

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp

法人税法における退職金の取扱い

2007-09-25 08:20:24 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

きょうは、法人税法における退職給与の取扱いについてまとめてみました。

退職給与は、原則として損金に算入されますが、次のように損金不算入とされる額もあります。
なお、平成18年の税制改正により、役員退職給与の損金算入については損金経理要件はなくなりました。

1..役員退職給与の損金不算入

退職した役員に対して支給した退職給与の額が、当該役員のその法人の業務に従事した期間、その退職の事情、その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況等に照らし、その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額を超える場合におけるその超える部分の金額は損金に算入されません。

2.特殊関係使用人の退職給与の損金不算入

法人がその役員と特殊関係のある使用人に対して支給した退職給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)の額のうち不相当に高額な部分の金額は損金に算入されません。

(1)特殊関係使用人の範囲

イ、役員の親族
ロ、役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者
ハ、その他の者で役員から生計の支援を受けているもの
ニ、上記ロ、ハに掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

(2)過大特殊関係使用人退職給与額

その使用人に対して支給した退職給与の額が、その使用人のその法人の業務に従事した期間、その退職の事情、その法人と同種同規模の他の法人の使用人に対する退職給与の支給の状況等に照らし、その使用人に対する退職給与として相当であると認められる金額)を超える場合におけるその超える部分の金額は損金不算入とされます。

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp

役員給与の過大性の判定

2007-09-21 08:04:40 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、役員給与の過大性の判定についてまとめてみました。

役員給与は、原則として、損金不算入ですが、定期同額給与や事前確定届出給与など一定の要件を満たすものは損金に算入されます。

しかし、過大である部分は損金に算入されません。

過大な役員給与の額

1.次のイとロのうちいずれか多い金額。

イ、実質基準
、法人が各事業年度においてその役員に支給した給与(退職給与を除く。以下この1の同じ。)の額(3の金額を除く)が、その役員の職務の内容、その法人の収益及びその使用人に対する給与の支給状況、その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する給与の支給状況等に照らし、その役員の職務に対する対価として不相当に高額である部分の金額(その役員の数が2以上である場合には、これらの役員に係るその超える部分の金額の合計額)

ロ、形式基準
定款の規定又は株主総会等の決議により、役員に対する支給限度額を定めている法人が、各事業年度においてその役員(その支給限度額が定められている役員に限る。以下ロに同じ。)に対して支給した給与の額の合計額が、その事業年度に係る支給限度額を超える場合におけるその超える部分の金額。
この場合において、支給限度額に使用人兼務役員の使用人分を含めていないときは、使用人兼務役員に支給した使用人分給与の額(3の金額を除く)のうち、その法人の他の使用人に支給する給与等に照らし、相当であると認められる金額は役員給与の総額から控除する。

2.過大役員退職給与

退職した役員に対して支給した退職給与の額が、当該役員のその法人の業務に従事した期間、その退職の事情、その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況等に照らし、その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額を超える場合におけるその超える部分の金額

3.過大使用人兼務役員の使用人分賞与
他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給した使用人兼務役員の使用人分賞与

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp


事前確定届出給与(役員給与)

2007-09-20 10:10:15 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、役員給与の事前確定届出給与です。

役員給与は、原則として損金不算入ですが、定期同額給与のほか事前確定届出給与は不相当に高額な部分を除き損金に算入されます。

1.事前確定届出給与

損金に算入される事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与(定期同額給与及び利益連動給与を除くものとし、定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない法人が支給するものに限る。)以外の給与にあっては納税地の所轄税務署長にその定めに関する届出書を提出している場合におけるその給与に限る。)です。

2.直前届出

上記1の届出は、次のイに掲げる日(ロの臨時改定事由が生じた場合におけるその役員の職務についてしたそのロの定めの内容に関する届出については、つぎのイ又はロのうちいずれか遅い日。)までにしなければならない。

イ、株主総会等の決議により、その役員の職務につき上記1の定めをした場合におけるその決議をした日(同日がその職務の執行を開始する日後である場合にあっては、その開始する日)から1月を経過する日(同日がその事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から4月を経過する日後である場合にはその4月を経過する日とし、新設法人はその設立の日後2月を経過する日)

ロ、臨時改定事由(その臨時改定事由によりその臨時改定事由に係る役員の職務につき上記1の定めをした場合(その役員のその臨時改定事由が生ずる直前の職務につき上記1の定めがあった場合を除く)におけるその臨時改定事由に限る)が生じた日から1月を経過する日

2、変更届出期限

直前届出をしている法人がその届出の内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に起因するものであるとき(次のロに掲げる事由に基因する変更にあっては、その定めに基づく給与の額を減額するものであるときに限る。)は、それぞれイ又はロの区分に応じそれぞれに掲げる日(変更届出期限)までに一定の事項を記載した書類を提出する。

イ、臨時改定事由 その臨時改定事由が生じた日から1月を経過する日

ロ、業績悪化改定事由 その業績悪化改定事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1月を経過する日(その変更前のその直前届出に係る定めに基づく給与の支給の日がその1月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日。)

3、やむを得ない事由がある場合

税務署長は、届出期限又は変更届出期限までに所定の届出がなかった場合においても、その届出がなかったことについてやむをえない事情があると認めるときは、その届出期限又は変更届出期限までにその届出があったものとして上記1の適用をすることができるとされています。

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp


相続税の申告書の提出先

2007-09-19 18:02:20 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は相続税の申告書の提出先、つまり相続税の納税地について書いてみました。

相続税の納税地をまとめると次のようになります。

納税地(申告書の提出先)
被相続人の死亡時の住所が日本国内にある 被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署長
被相続人の死亡時の住所が国内にない 相続人等の住所が国内にある 相続人等の住所地を管轄する税務署長
相続人等の住所及び居所が国内にない 納税地を定めて、納税地の所轄税務署長に申告をする。その申告がないときには、国税庁長官がその納税地を指定し、これを通知することとされている。

以上のように、相続税の申告書は、通常は当分の間、被相続人の死亡時の住所地の所轄税務署長に提出しますが、被相続人が国外に居住している場合には、相続人の住所地の所轄税務署長等となります。

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp

使用人の給与に対する法人税法の規制

2007-09-18 08:23:00 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、法人税の使用人給与に対する規制についてです。
法人税法は、使用人給与は原則として損金算入を認めていますが、役員と特殊関係のある使用人給与の不相当に過大な額の損金不算入と、使用人賞与の損金算入時期について規定を設けています。

1.過大な使用人給与の損金不算入

法人がその役員と特殊関係のある使用人に対して支給した給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)の額のうち不相当に高額な部分の金額は損金に算入されません。

(1)特殊関係使用人の範囲

イ、役員の親族
ロ、役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者
ハ、その他の者で役員から生計の支援を受けているもの
ニ、上記ロ、ハに掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

(2)過大使用人給与額

その使用人に対して支給した給与の額が、その使用人の職務の内容、その法人の収益及び他の使用人に対する給与の支給状況、その法人と同種同規模の他の法人の使用人に対する給与の支給の状況等に照らし、その使用人の職務に対する対価として相当であると認められる金額(退職給与にあっては、その使用人のその法人の業務に従事した期間、その退職の事情、その法人と同種同規模の他の法人の使用人に対する退職給与の支給の状況等に照らし、その使用人に対する退職給与として相当であると認められる金額)を超える場合におけるその超える部分の金額である。

2.使用人賞与の損金算入時期

法人がその使用人に対して賞与(臨時的な給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む)のうち、退職給与、他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの及び新株予約権によるもの以外のものをいい、使用人兼務役員に支給する使用人分賞与を含む)を支給する場合にはその賞与の額は次の区分に応じそれぞれに掲げる事業年度において支給されたものとして、所得金額が計算されます。

(1)労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が到来している賞与(使用人にその支給額の通知がされているもので、かつ、その支給予定日又はその通知をした日の属する事業年度でその支給額につき損金経理をしているものに限る) その支給予定日又はその通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度

(2)次に掲げる要件のすべてを満たす賞与 使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度

イ、その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること。
ロ、イの通知をした金額をその通知をしたすべての使用人に対しその通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から一月以内に支払っていること。
ハ、その支給額につきイの通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

(3)その他の賞与 その賞与が支払われた日の属する事業年度。

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp


定期同額給与(役員給与)

2007-09-14 08:16:47 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、役員給与の定期同額給与を取り上げてみました。
役員給与は、使用人兼務役員の使用人分給与を除き、原則として損金不算入です。
しかし、定期同額給与とこれに準ずるものについては、不相当に高額な部分を除き損金算入とされます。

1.定期同額給与

支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(定期給与)でその事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの

2.定期同額給与に準ずるもの

(1)給与改定があった場合

次に掲げる改定(以下「給与改定」という)がされた場合における当該事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又は当該事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの

イ、事業年度開始日から3月経過日まで(特別の事情がある場合で、定期給与の額の改定が3月経過日後、継続して毎年所定の時期に行われる場合にはその時期)にされた定期給与の改定。

ロ、当該事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」という)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(イに掲げる改定を除く。)

ハ、当該事業年度においてその法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」という。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限り、イ及びロに掲げる改定を除く。)

(2)利益供与

継続的な利益供与額のうち、その利益の額が毎月概ね一定であるもの

倉垣税理士事務所の公式WEB http://kuragaki.jp