税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

東日本大震災に係る税制特例法3(平成23年4月13日)

2011-04-30 14:38:13 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

東日本大震災に係る税制特例法3(平成23年4月13日)

法人税における東日本大震災に係る税制特例法

1、震災損失の繰戻し
平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する事業年度において、法人の欠損金額のうちに震災損失金額がある場合には、その震災損失額全額については2年間遡って還付可能とする。

2、被災代替資産等の特別償却
(1)特別償却
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、被災した資産の代替として取得する資産などについて、特別償却が認められる。
(2)償却率
イ、建物・構築物 15%(中小企業者は18%)
ロ、機械装置・船舶・航空機・車両 30%(中小企業者は36%)
※、平成26年4月1日以後に取得した場合には償却率は上記の2/3となる。

3、特定の資産の買換え
法人が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、次の買換えをする場合には、その買換資産につき圧縮記帳(課税繰延割合100%)ができる。
(1)被災地区内の土地等又はこれらとともに譲渡する建物若しくは構築物(平成23年3月31日以前に取得されたものに限る)を譲渡して国内にある土地等又は減価償却資産の買換え
(2)被災区域外の土地等、建物又は構築物から、被災区域内の土地等又は減価償却資産への買換え

4、買換え特例に係る買換資産の取得期間等の延長
東日本大震災により買換資産を予定期間内に取得することが困難な場合には、予定期間が2年間延長される。

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東日本大震災に係る税制特例法2(平成23年4月13日)

2011-04-29 07:47:12 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

東日本大震災に係る税制特例法2(平成23年4月13日)

所得税における東日本大震災に係る税制特例法
1、被災事業用資産の損失の特例
(1)損失額の前年(平成22年)への必要経費算入
(2)損失額の繰越期間を5年間とする

2、震災関連寄附金
(1)寄附金控除の限度額の拡大
平成23年、平成24年、平成25年分の所得税において、震災関連寄附金の控除限度額を総所得の80%に拡大する。
(2)税額控除税度の導入
認定NPO法人等の被災者の救援活動等に関する寄附金につき税額控除制度を導入する(税額控除率40%、所得税額の25%を限度)。

3、住宅ローン控除
住宅ローン控除の適用を受けていた住宅が東日本大震災により居住できなくなっても、引き続き税額控除を適用できるようにする。

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東日本大震災に係る税制特例法案(平成23年4月13日)

2011-04-28 06:18:52 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

東日本大震災に係る税制特例法案(平成23年4月13日)

所得税の特例

1、雑損控除の特例
東日本大震災により住宅や家財について生じた損失について、前年(平成22年)分の総所得金額等から雑損控除ができる。

2、雑損失の繰越控除の特例
上記1の雑損控除額の控除不足額の繰越控除期間を5年とする。

3、災害減免法の特例
東日本大震災により住宅や家財について被害を受けた者は、前年(平成22年)に被害を受けたものとして、災害減免法の適用を受けられる。

次回は、個人に対する被災事業用資産の損失の特例などを予定しています。

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農業生産法人2(会社の形態)

2011-04-27 06:21:33 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

農業生産法人2(会社の形態)

農業生産法人の設立は農事組合法人の他、株式会社や持分会社でもできます(農地法2条3項)。

1、株式会社
公開会社でない株式会社に限ります。
公開会社とは、「発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡によるその株式の取得についてのその株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社(会社法2条5号)」です。
したがって、発行株式のすべてについて譲渡制限を設けてないと株式会社は農事生産法人にはなれません。

2、持分会社
持分会社とは、合名会社、合資会社又は合同会社をいいます(会社法575条1項)。
持分会社の社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができないこととなっています(会社法585条1項)。

農業生産法人は株式会社でもできますが、閉鎖的な会社でなければなりません。

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農業生産法人(1104)

2011-04-26 06:22:53 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

農業生産法人(1104)

法人が農地を耕作目的で取得するのは、原則として農業生産法人でなければできません(農地法第3条2項)
農業生産法人は、次の1に掲げる法人形態で設立し、2から4までの要件を満たす必要があります。

1、法人形態
(1)農事組合法人、(2)株式会社、(3)持分会社

2、事業(農地法第2条3項1号)
主な事業が農業であること

3、構成員(農地法第2条3項2号)
その法人の構成員は、すべて法人に対して農地の権利を移転した者または設定した個人や法人の農業に常時従事する者など特定の者に限られる。

4、経営責任者(農地法第2条3項3号)
役員のうち過半数がその法人の常時従事者で、かつ、その常時従事者の過半数がその法人の農業に必要な農作業に年間所定日数従事する必要がある。

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研究開発費と設備

2011-04-25 06:20:52 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

研究開発費と設備

1、会計処理

研究開発費は、すべて発生時に費用として処理しなければならない(研究開発等に係る会計基準三)。
(注1)研究開発費を構成する原価要素について
特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置や特許権等を取得した場合の原価は、取得時に研究開発費とする。

2、税務処理
法人税法上は、研究開発に関する設備は有形固定資産である機械や器具備品として減価償却の対象とすることとなる(法人税法施行令54条1項1号、2号)。
耐用年数は、「開発研究用減価償却資産の耐用年数表」によることとなる。

したがって、研究開発に使用される設備は会計上は取得価額全額を費用処理ですが、税務上は償却限度額超過額は自己否認しなければなりません。

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「すばらしい数学者たち」

2011-04-24 13:59:39 | OFF
本の紹介です。最も面白かったところもご紹介します。

「すばらしい数学者たち」矢野健太郎 新潮文庫

無限に部屋のあるホテル(p287)
ヒルベルト「無限!これほど人間の精神をゆり動かすものはない」
有限の場合に常識とされていることが無限が介入してくるとくずれる例

満員であるホテルに客が来た。マネージャーはどうする
1、1人の客の場合
(1)有限個数の部屋のホテル 満員と断る
(2)無限に部屋のあるホテル
まず次のアナウンスをする。「1号室の客は2号室へ、2号室の客は3号室へ、……今の部屋から番号が1つ多い部屋へ移動をお願いします。」
それから新しい客を空いた1号室へ案内する。

2、100人の客の場合
(1)有限個数の部屋のホテル 満員と断る
(2)無限に部屋のあるホテル
まず次のアナウンスをする。「1号室の客は101号室へ、2号室の客は102号室へ、……今の部屋から番号が100多い部屋へ移動をお願いします。」
それから空いた1号室から100号室までに100人の客を案内する。

3、無限の客の場合
(1)有限個数の部屋のホテル 満員と断る
(2)無限に部屋のあるホテル
まず次のアナウンスをする。「1号室の客は2号室へ、2号室の客は4号室へ、……今の部屋の番号の2倍の番号の部屋へ移動をお願いします。」
それからすべての客を奇数番号の部屋へ案内する。


「哲学入門」

2011-04-23 13:13:13 | OFF
今週読んだ本の紹介です。やさしく哲学を解説した本でした。

「哲学入門」畠山創 中経出版

1、カント(p90)
「認識は経験によって始まる」ことと「認識には経験に起源を持たない要素が含まれている」ことを同時に認めて「合理論」と「経験論」を調停した。
「よさ」とは「意志(動機)のよさ」で、「意志が道徳的法則にしたがっているとき」その意志は「よい」とされる。

2、現代(p110)
近代:人間の無限性を信じた時代
現代:人間の有限性を垣間見ていく時代

3、実存主義(p128)
人々は主体性をなくし、平均的・匿名的な行動をとるようになってしまっているのではないか。匿名的な自己を脱し、まさに今ここに生きている人間としての自分、すなわち「実存」を取り戻すことを主軸に哲学を展開する動きが起こった。

不動産所得と管理会社

2011-04-22 06:13:10 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

不動産所得と管理会社

よく不動産所得を有する人が管理会社方式で節税を検討しますが、本当にそうなのでしょうか。
設例で検討してみましょう。

1、不動産所得5,889千円、給与所得27,370千円、所得控除2,055千円(配偶者控除380千円含む)
2、不動産所得の内訳
賃料収入16,272千円、必要経費9,733千円(管理料508千円含む)、青色申告特別控除額650千円

税額計算
所得計 5,889千円+27,370千円=33,259千円
課税所得金額 33,259千円-2,055千円=31,204千円
所得税額 31,204千円×40%-2,796千円=9,686千円
住民税 31,204千円×10%=3,120千円
税額計 9,686千円+3,120千円=12,806千円

[管理会社方式]
管理会社に管理料として、賃料の30%支払、役員給与として配偶者に4,400千円支払う。

本人の税額は所得税8,088千円、住民税2,721千円、合計税額10,809千円となり、1,997千円(=12,806千円-10,8096千円)税額が少なくなりますが、次のように配偶者の税額と社会保険料の負担が発生します。
配偶者の税額 422千円(所得税162千円、住民税260千円)
社会保険料 480千円(=40千円×12月)
したがって、世帯単位では、1,095千円(=1,997千円-422千円-480千円)の税額等の負担減となります。

この設例では、あまり負担額は減りませんでした。もっと、不動産所得の金額が多くなると節税効果もより期待できるかもしれません。

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農地の納税猶予制度(営農困難事由の発生)

2011-04-21 06:31:12 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

農地の納税猶予制度(営農困難事由の発生)

相続税の農地の納税猶予の適用を受けている特例農地等を譲渡等した場合には、原則として、相続税の納税の猶予期限が到来し、猶予税額と利子税を合わせて納付しなければなりません。

農地の納税猶予制度は、相続人の終生営農を原則として要求していますが、一生農業を継続するのはたいへんのことです。病気やけがなどにより、又はその他の経済的な原因により農業を続けることができなくなることもあるでしょう。

その場合の対策として、どのような救済策があるのか事前に検討しておく必要があるでしょう。
相続税法においても、病気やけがの場合、一定の要件に該当した場合に救済制度があるようです。
農業生産法人に農地を現物出資した場合にも、特例がありそうです。

特例農地等の営農困難時の対策についてこれから少しずつ検討をしていこうと思っています。

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