税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

事務運営指針から見た個人の青色申告の承認の取消し

2009-07-31 06:46:28 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

事務運営指針から見た個人の青色申告の承認の取消し

平成12年7月3日付の個人の青色申告の承認の取消しの事務運営指針を見てみました。

青色申告の承認の取消しは、法150条第1項に掲げる事実及びその程度、記帳状況等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしくない場合について行うことととし、この場合の取扱基準の整備等を図ったものである。

1、帳簿書類を提示しない場合における青色申告の取消し
帳簿書類の備付け、記録又は保存は、単に物理的に帳簿書類が存在することのみを意味するにとどまらず、これを税務職員に提出することを含む。
したがって、税務調査に当たり帳簿書類の提示を再三にわたり求めたにもかかわらず調査対象者が正当な理由なくその提示を拒否した場合には、青色申告の承認の取消事由に該当する。

2、省略

3、隠ぺい、仮装等の場合における青色申告の承認の取消し
更正等に係る所得金額のうち不正事実に係る所得金額が、その更正等に係る所得金額の50%を超えるとき(不正事実に係る所得金額が500万円未満を除く。)

4、今後適正申告が期待できると認められる場合の取消しの見合せ
その年以前7年間、次のいずれをも満たし、かつ、今後適正な申告が期待できると認められるときは、青色申告の承認の取消しを見合わせる。
(1)青色申告の承認の取消しを受けていないこと。
(2)既往の調査による不正事実に係る所得金額が500万円に満たないこと。

5、相当の事情がある場合の個別的な取扱
上記3の形式基準の回避などがあっても、青色申告制度の趣旨から真に青色申告書を提出するにふさわしいかどうか事案に応じた処理を行うものとされています。

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リース資産の償却費の計算例

2009-07-30 06:33:33 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

リース資産の償却費の計算例

有形固定資産をリースで取得した場合の償却方法は、「リース期間定額法」によることとされています。

1、リース期間定額法の算式
リース資産の償却限度額=(リース資産の取得価額-残価保証額)×(その事業年度のリース期間の月数/リース期間の月数)

2、設例による計算
A社が機械を8年リースで取得した。その条件は1回のリース料60,000円で96回払い。残価保証額は400,000円。
同社の決算期は6月で、機械は3月に取得(リースの最初の支払いも同月から)した。 

リース資産の償却限度額=(5,760,000円-400,000円)×(4/96)=223,333円

3、会計処理
(1)3月の機械取得時
借方 リース資産 5,760,000 貸方 リース債務 5,760,000
(2)リース料支払時
借方 リース債務 60,000 貸方 現預金 60,000
(3)決算時
借方 減価償却額 223,333 貸方 減価償却累計額 223,333

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広大地の評価(相続税)

2009-07-29 06:40:34 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

広大地の評価(相続税)

相続税の財産評価の場合において、土地が広大である場合には、通常の評価方法ではなくて特別な方法によることとされています。

1、広大地の評価(相続税法財産評価基本通達24-4)の内容は次の通りです。

その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの(大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものを除く。以下「広大地」という。)の価額は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価する。

(1) その広大地が路線価地域に所在する場合
その広大地の面する路線の路線価に、広大地補正率を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額
以下省略。

2、広大地とは
上記1の財産評価基本通達の広大地の要件を整理してみますと、次のようになります。
(1)大規模工場用地や中高層の集合住宅等の敷地用地に適していないこと
(2)その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であること
(3)都市計画法の開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められること。

広大地の評価の詳細については、これから数回に分けて投稿を予定しています。

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制限行為能力者(被保佐人)

2009-07-28 06:42:06 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

制限行為能力者(被保佐人)

1、被保佐人とは
制限行為能力者のうち、未成年者や被後見人に比べはるかに判断能力を有しているが、法律的な保護を必要とする行為もあるという者で、家庭裁判所により補佐開始の審判を受けた者です。

2、被保佐人の保護
被保佐人には保護者として、保佐人が付けられます。
しかし、原則として保佐人はほとんど自分自身で有効な行為をすることができます。ただし、重要な行為(大きな損失の可能性のある行為)については、保佐人の同意を得ることとされています。この同意がなければその行為を取り消し初めからなかったことにできます。

3、保佐人の同意を必要とする行為
上記2の保佐人の同意が必要な重要な行為は次に掲げたものです。
(1)土地の売買、5年超の賃貸借
(2)建物の売買、3年超の賃貸借
(3)新築、改築、増築又は大修繕をすること
(4)借財又は保証をすること
(5)不動産以外の重要な財産の売買その他

4、相手方の保護
(1)相手方の催告権
一定の期間を付して相手方より被保佐人の行為につき取消をするのかどうか催告することができます。
もしその期間内に確答がなければ、催告の相手が被保佐人本人の場合には取消、保佐人の場合には追認したものとみなされます。
(2)法定追認
保佐人による履行の請求・履行・その行為によって得た財産の譲渡などがあると追認したものとみなされます。
(3)取消権の行使期間
取消権は被保佐人が行為能力者者となった時から5年の経過により時効により消滅します。
また、行為の時より20年経過すると取消できなくなります。
(4)被保佐人が相手をだましたとき
被保佐人が自分が能力者であるなど相手方をだまして契約をしたときなどはその契約はもはや取り消せません。

5、保佐人の権限について
以上のように保佐人は被保佐人の行為につき、同意や追認をすることができますが、未成年者や成年被後見人の場合と異なり法定代理人ではありません。

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離婚時の年金分割制度

2009-07-27 06:37:53 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

年金分割制度

離婚等をしたときに厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分割する制度です。
平成19年4月から実施の下記1の「合意分割制度」と、平成20年4月から実施の下記2の「第3号分割制度」があります。

1、合意分割制度
(1)保険料納付記録の分割
平成19年4月以降に成立した離婚については、婚姻期間中の厚生年金の保険料の納付記録(夫婦合算)を、当事者で分割するすることができます。
(2)分割方法
夫婦で婚姻期間中の保険料の納付記録合計を按分(合意又は裁判手続き)し、社会保険事務所に分割の請求(離婚成立の翌日から2年以内)をします。分割を受ける側の持分は50%が限度です。

2、第3号分割制度
(1)保険料納付記録の分割
平成20年4月1日以降の婚姻期間中の第3号被保険者期間については、離婚をした場合に、妻(第3号被保険者)からの請求(離婚成立の翌日から2年以内)により夫(第2号被保険者)の厚生年金の保険料納付記録を自動的に2分の1に分割することができます。
(2)分割方法
上記1の合意分割のように分割割合の合意や裁判手続きを得る必要はありません。妻からの請求だけで分割ができます。

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人間失格

2009-07-26 07:17:26 | OFF
「人間失格」 太宰治

生まれて初めて、太宰治の「人間失格」を読みました。集英社から発行されている文庫本です。
そういえば太宰治の作品は、学生時代に教科書に載っていた「走れメロス」しか読んだことはなかったですね。
この「人間失格」は168ページと短く、しかも各ページの文字も大きくてとても読みやすかったと思います。
内容は、私に強烈な印象を与えました。
時間をおいて、もう一度読み直してみて、もう少し客観的な立場に立たないと人に発表する感想文としてまとまらないような気がします。今は個々の場面場面の話はできるのですが、どういう風にこの作品全体を私の中で位置付けすべきかまとまりを見せていません。

この太宰治の作品が置かれていた書店のコーナーは、お客に一番アピールする特等席におかれていましたが、その他文学作品としては三島由紀夫の「金閣寺」などが、またスピノザの哲学書、ケインズの経済原論などすごい本が置かれていました。いつの間に日本国民は勉強家になったのでしょうか?

ファイナンシャルプランナーの試験

2009-07-25 07:25:11 | OFF
ファイナンシャルプランナーの試験

いま「ファイナンシャルプランナーの2級」を受験するために試験勉強をしています。今年の春、FP3級に合格したものですから続いて2級に挑戦します。

私の本業の税理士業務の資産税(相続や譲渡関係)の周辺知識の拡大を図るため、ちょうど手ごろな試験だと思ったものですから。

しかし、内容は広くて苦労しています。特に、社会保険の医療制度、公的年金や資産運用、生保損保関係、不動産関係はかなり集中してやらないと合格は難しい感じになります。でもこれらは、いままで私にとってあまり整理されてなかった分野ですので、この試験を契機に顧問先へのサービスの質向上のためにもいい機会だと思って学生時代に戻ったようなつもりで毎日ほんの少しづつ勉強を続けているところです。

制限行為能力者(成年被後見人)

2009-07-24 06:40:09 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

制限行為能力者(成年被後見人)

1、成年被後見人とは
成年被後見人とは正常な判断力がなく、家庭裁判所により成年被後見人の審判を受けた者です。

2、成年被後見人の保護
成年被後見人には、保護者として、成年後見人が付けられ、その成年後見人が代理・取消・追認を行うことになります。
同じ制限行為能力者の未成年者は、事前に法定代理人の同意を得て、自ら有効な行為を行うことができますが、成年被後見人はたとえその行為について後見人の同意を得たとしてもその行為は取り消すことができます。
また、未成年者は、損をしない行為(例えば単に権利を得たり、単に義務を免れる行為)は単独で有効な行為を行うことができますが、成年被後見人にはこのような規定はありません。とにかく取り消せるのです。
ただし、日用品の購入等だけは単独で有効な行為ができます。

3、取引の相手方への配慮
成年被後見人と取引をした相手方は、2で述べたように、成年被後見人は単独ではほとんど有効な行為はできず、取り消される恐れがあり、常に不安定な立場に置かれています。
そこで取引の相手方のため次のような取り扱いがあります。
イ、相手方の催告権
取引の相手方は成年後見人に対して、1か月以上の期間を付け、その行為を追認するかどうか催告することができます。もしその期間内に成年後見人から確答がなければその行為を追認したものとみなされます。
ロ、成年被後見人が詐術を用いた場合
この場合は成年被後見人は保護されませんから、その行為を取り消すことはできません。
ハ、取消権の時効による消滅
成年被後見人が行為能力者となった(例えば成年被後見人の審判の取消し)日から5年間で取消権は時効により消滅します。
また、契約から20年経過したときも取消権は消滅します。
ニ、法定追認
成年後見人による履行の請求や、契約で得たものの譲渡などがあるともはや成年被後見人の行為は取り消せなくなります。成年後見人が追認したものとみなされます。

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平成21年税制改正(住宅耐震改修特別控除の改正)

2009-07-23 06:47:49 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

平成21年税制改正(住宅耐震改修特別控除の改正)

1、制度の概要
居住者が、平成18年4月1日から平成25年12月31日までの間に、地方公共団体が作成した一定の計画の区域内において、その者の居住用家屋(昭和56年5月31日以前建築)について住宅耐震改修をした場合には、次の2により計算した住宅耐震改修特別控除額を、その者のその年分の所得税の額から控除できます。
なお、この改修工事が住宅借入金等特別控除の要件も満たしている場合には、両方の控除を重ねて適用できます。

2、税額控除額
住宅耐震改修特別控除額(20万円を限度)=(次のイとロのいずれか少ない金額)×10%
イ、住宅耐震改修に要した費用額
ロ、住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額

3、手続き要件
所得税の確定申告書に次の書類を添付する必要があります。
イ、住宅耐震改修特別控除額の計算明細書
ロ、住宅耐震改修証明書
ハ、住民票

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平成21年税制改正(住宅特定改修特別税額控除の創設)

2009-07-22 07:04:56 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

平成21年税制改正(住宅特定改修特別税額控除の創設)

既存住宅につき特定の改修工事(一定のバリアフリー改修工事及び一定の省エネ改修工事)をした場合の住宅特定改修特別税額控除が創設されました。

1、特定居住者が改修工事を行う場合
特定居住者が、その者の所有する家屋で、自己の居住の用に供する物について、一定のバリアフリー改修工事(高齢者等居住改修工事等)又は一定の省エネ改修工事(一般断熱改修工事等)をして、平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間に、その家屋をその者の居住の用に供したときは、一定の要件のもとに、一定の金額がその年分の所得税の額から控除することとされました。

[控除額の計算]
住宅特定改修特別税額控除額=A+B (20万円(太陽光発電設備工事を含む一般断熱改修工事等の場合は30万円)を限度)
A=(次のイとロのいずれか少ないほうの金額(200万円を限度))×10%
イ:高齢者等居住改修工事等に要した費用の額
ロ:高齢者等居住改修工事等の標準的な費用の額
B=(次のイとロのいずれか少ないほうの金額(200万円(太陽光発電設備工事を含む一般断熱改修工事等の場合は300万円)を限度))×10%
イ:一般断熱改修工事等に要した費用の額
ロ:一般断熱改修工事等の標準的な費用の額

2、特定居住者以外の居住者が改修工事を行う場合
特定居住者以外の居住者が、その者の所有する家屋で、自己の居住の用に供するものについて、一定の省エネ改修工事(一般断熱改修工事等)をして、平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間に、その家屋をその者の居住の用に供したときは、一定の要件のもとで、一定の金額をその年分の所得税の額から控除することとされました。
[控除額の計算]
住宅特定改修特別税額控除額=(次のイとロのいずれか少ないほうの金額(200万円(太陽光発電設備工事を含む一般断熱改修工事等の場合は300万円)を限度))×10%
イ:一般断熱改修工事等に要した費用の額
ロ:一般断熱改修工事等の標準的な費用の額

3、適用ができない場合
これらの改修工事について、住宅借入金等特別控除又は特定増改築等住宅借入金等特別控除を適用する場合には、その改修工事についてはこの住宅特定改修特別税額控除は適用されません。
また、この控除は、平成21年分でこの控除を適用した場合は、平成22年分においては適用できません。

特定居住者の定義等詳しい内容は後日このブログに投稿を予定しています。

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