税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

過少申告加算税の正当事由の立証責任

2008-09-30 08:27:50 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、過少申告加算税の正当事由について東京地裁 平成17年第319号の判決をご紹介します。

1.事件の概要
原告が、所得税の申告につき税務署の職員に問い合わせたところ、その税務職員に誤った指導をされたため、期限までに譲渡所得に係る所得税の申告がで きなかったとして、被告である処分行政庁の過少申告加算税と延滞税の支払い義務がないことを求めた。

2.判事事項
(1)過少申告加算税
過少申告加算税は、過少申告の事実に基づき、課税の公平上、違反者に対し課されるものである。

(2)正当事由がある場合
過少申告加算税は、正当事由があればその部分については課されないとされています。その正当事由は、真に納税者の責めに帰すことができない客観的な事情があり、過少申告加算税の趣旨に照らしても、なお、納税者に過少申告加算税を賦 課することが不当又は酷になる場合というものと解するのが相当である。

(3)正当事由の立証責任
正当事由の立証責任は納税者が負う。

(4)本件の検討
原告は、税務署に土地の売却についての所得税の申告を電話で問い合わせたところ、譲渡の書類が自宅へ送付されるのはかなり先になり、この譲渡の 申告は期限までは間に合わない。したがって、確定申告期限は他の通常の所得のみ行えばよく、譲渡は書類が届いてからでよいとの説明を受けた。として いる。しかし、その税務署でその当時の可能性のある女性職員に確認をとったりしてもその原告の主張する事実の確認ができない。したがって、原告において、過少申告加算税を課さない正当事由に該当する事実が認められないとする。

正当事由の立証責任が納税者にあるということは、当然でしょうけれども、これを納税者が立証することはかなり難しいでしょうね。
この判例によると、税務署の職員の誤った指導は正当事由に当たるのでしょうか。皆さんはどう思われますか。

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居住用家屋とは

2008-09-29 08:26:51 | 所得税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は譲渡所得の特別控除における「居住用家屋」について、千葉地裁 平成16年第50号の判決をご紹介します。

1.事件の概要
原告が取得したマンションを売却し、その譲渡所得について居住用財産の譲渡の特別控除の適用を行ったのに対し、被告の原処分庁はそのマンションは居住用家屋に該当しないとして更正処分を行うとともに、重加算税を課した。

2.判事内容
(1)譲渡所得の特別控除における居住用家屋
譲渡所得の特別控除における居住用家屋とは、真に居住の意思をもって、客観的にもある程度継続して生活の本拠としているものである。

(2)本件売却マンションは居住家屋に該当するかの判断
以下の事実により、原告が、真に居住の意思をもって、本件マンションを継続して生活の本拠としていたとはいえないとしてします。
イ、原告はこのマンションを競売により取得し、数か月のうちに転売し、転売利益を得ていること。
ロ、原告の夫は、他の場所に居住し続けていること。
ハ、このマンションの電気及び水道の使用量が単身者の平均的な使用量に比べても著しく少なく、その一方で、その他の居住家屋での電気、水道及びガスの使用量は、従前と大きな変化がないこと。
ニ、このマンションの管理組合の担当者及び近隣に居住する者で、原告が、このマンションで生活していたことを認識していた者はおらず、他方、他の居住家屋の近隣に居住する者で、原告が他の場所に転居したことを認識していた者もいないこと。

(3)重加算税
原告は、真に居住の意思もなく、客観的にも生活の本拠と言えない本件マンションを、譲渡所得の特例を適用するため、住民登録を本件マンションに異動し、電気、水道及びガスの供給契約を締結するなどして、本件マンションを居住の用に供している外形を作出したもので、これは「課税標準等又は税額等の計算基礎となるべき事実の全部又は一部を仮装した」ものであり、重加算税は当然賦課される。

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営業権の評価

2008-09-26 08:19:41 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

相続税法の評価通達における「営業権の評価」が改正されましたのでそれについて整理をしてみました。

1.営業権の評価
平均利益金額×0.5-標準企業者報酬額-総資産価額×0.05=超過利益金額
超過利益金額×営業権の持続年数(原則として、10年)に応ずる基準年利率による複利年金現価率=営業権の評
価額
(注)医師、弁護士等のようにその者の技術、手腕又は才能等を主とする事業に係る営業権で、その事業者の死亡
等と共に消滅するものは、評価しない。

2.平均利益金額等の計算

(1)平均利益金額
平均利益金額は、課税時期の属する年の前年以前3年間(法人にあっては、課税時期の直前期末以前3年間とする
)における所得の金額の3分の1に相当する金額
その計算された金額が、課税時期の属する年の前年(法人にあっては、課税時期の直前期末以前1年間とする)の
所得の金額を超える場合には、課税時期の属する年の前年の所得の金額とされる。
この場合における所得の金額は、事業所得の金額(法人にあっては、所得の金額に損金に算入された繰越欠損金
の控除額を加算した金額とする。)とし、その所得の金額の計算の基礎にすぎに掲げる金額が含まれているとき
は、これらの金額は、いずれもなかったものとみなして計算した所得の金額とする。
イ、非経常的な損益の額
ロ、借入金等に対する支払利子の額及び社債発行差金の償却費の額
ニ、青色事業専従者給与額又は事業専従者控除額(法人にあっては、損金に算入された役員給与の額)

(2)標準企業者報酬額
平均利益金額の区分 標準企業報酬額
1億円以下 平均利益金額×0.2+2,000万円
1億円超 3億円以下 平均利益金額×0.3+1,000万円
3億円超 5億円以下 平均利益金額×0.1+5,000万円
5億円超 平均利益金額×0.05+7,500万円
(注)平均利益金額が5,000万円以下の場合は、標準企業者報酬額が平均利益金額の2分の1以上の金額になるので、上記1の営業権の評価に掲げる算式によると、営業権の価額は算出されない。

(3)総資産価額
総資産価額は、相続税評価通達により評価した課税時期(法人にあっては、課税時期直前に終了した事業年度の
末日とする。)における企業の総資産の価額とする。

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役員の分掌変更等の場合の退職給与

2008-09-25 08:30:52 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

役員退職金の支給で、その役員が実際に会社を退職していないにもかかわらず、実質的に退職と同様の事情にある場合には、その退職金は法人税法上損金算入されます。

法人税基本通達9-2-32
役員が役員の分掌変更又は改選による再任等に際しその役員に対し退職給与として支給した給与については、その分掌変更等によりその役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められることによるものである場合には、これを退職給与として取り扱うことができる。
(注)本文の「退職給与として支給した給与」には、原則として、法人が未払金等に計上した場合のその未払金等の額は含まれない。

役員退職金の損金算入時期は、原則としてその額が具体的に確定した日(株主総会の決議の日など)の属する事業年度ですが、役員の分掌変更等の場合の退職給与の場合は、上記通達の注書により未払金計上を除外していますので注意しないといけません。

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中小企業経営承継円滑化法(支援措置)

2008-09-24 08:20:36 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は中小企業経営承継円滑化法の2つ目の柱である「支援措置」を取り上げてみました。

経済産業大臣の認定を条件に、保険や融資の特例を受けることができます。

1.経済産業大臣の認定
次に掲げる者は、それぞれに該当することにつき、経済産業大臣の認定を受けることができます。

(1)会社である中小企業者(金融商品取引所に上場されている株式又は店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。)
その中小企業者における代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、死亡したその代表者(代表者であった者を含む。)又は退任したその代表者の資産のうちその中小企業者の事業の実施に不可欠なものを取得するために多額の費用を要することその他経済産業省令で定める事由が生じているため、その中小企業者の事業活動の継続に支障が生じていると認められること。

(2)個人である中小企業者
他の個人である中小企業者の死亡等に起因するその他の個人である中小企業者が営んでいた事業の承継に伴い、その他の個人である中小企業者の資産のうちその個人である中小企業者の事業の実施に不可欠なものを取得するために多額の費用を要することその他経済産業省令で定める事由が生じているため、その個人である中小企業者の事業活動の継続に支障が生じていると認められること。

2.中小企業信用保険法の特例
上記1の認定を受けた中小企業者に対し、事業に必要な資金の借り入れに関する普通保険、無担保保険、特別小口保険の別枠を設ける。

3.日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例
上記1の認定を受けた中小企業者の代表者に対して、事業活動の継続に必要な資金の貸付けをすることができる。

4.指導及び助言
経済産業大臣は、中小企業者であって、その代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、従業員数の減少を伴う事業の規模の縮小又は信用状態の低下等によってその中小企業者の事業活動の継続に支障が生じることを防止するために、多様な分野における事業の展開、人材の育成及び資金の確保に計画的に取り組むことが特に必要かつ適切なものとして経済産業省令で定める要件に該当するものの経営に従事する者に対して、必要な指導及び助言を行うものとされています。

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意志と表示の不一致(錯誤)

2008-09-22 08:28:42 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は意志と表示の不一致(錯誤)です。前2回の「心理留保」と「虚偽表示」と異なり、錯誤は表意者本人がその真意と表示が異なることを認識していません。いわゆる勘違いで、値段の桁数や売買物を間違えた場合がこれに当たります。

1.原則無効
民法95条本文で「意志表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」として、錯誤は原則無効と規定しています。

2.表意者に重過失がある場合
錯誤はその表示に対応する意思が本人の勘違いによりないものですから原則無効ですが、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができないとされています。(民法95条但書)
条文では、この場合の無効を主張できないのは表意者本人の側からと規定していますが、判例は他の誰もその無効を主張できないいう見解をとっています。

3.要素の錯誤
錯誤の場合、表意者が無効を主張できるのは法律行為の「要素」に錯誤があった場合としていますが、その要素とは法律行為の重要部分ですので、売買契約における「目的物」や「価額」は当然要素とされると思われます。
ここで問題になるのは、「動機」の錯誤がどうなるかです。
例えば、「道路や鉄道ができるから土地の価格が上昇するだろう。」というような動機です。判例はこのような動機の錯誤は、要素の錯誤には当たらないとしています。
ただ「動機が相手方に表示され意思表示の内容となった場合」には動機は要素の錯誤になりうるという立場をとっているようです。

4.詐欺
動機の錯誤が相手方の詐欺によるものである場合には、意思表示を有効とし、その後詐欺による取消しをすることとなります。もし、その動機が相手方に表示され意思表示の内容となっているときは、表意者の選択により、錯誤による無効か詐欺による取消しを選択することとなります。

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後継者が取得した株式等以外の財産に関する遺留分の算定に係る合意等

2008-09-19 08:20:46 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は中小企業経営承継円滑化法の遺留分の算定に関する合意で、株式等以外(事業用資産)についての規定を確認しておきます。

1.後継者が取得した株式等以外の財産に関する遺留分の算定に係る合意等
旧代表者の推定相続人は、遺留分に関する株式等の合意をする際に、併せて、その全員の合意をもって、書面により後継者がその旧代表者からの贈与又はその贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続、遺贈若しくは贈与により取得した財産(その特例中小企業者の株式等を除く。)の全部又は一部について、その価額を遺留分算定の財産の価額に算入しない旨の定めをすることができます。

2.推定相続人間の公平を図るための措置
(1)旧代表者の推定相続人が、遺留分に関する合意をする際に、併せて、その全員の合意をもって、その推定相続人間の衡平を図るための措置に関する定めをする場合においては、その定めは、書面によってしなければならない。
(2)旧代表者の推定相続人は、上記(1)の合意として、後継者以外の推定相続人がその旧代表者からの贈与又はその贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続、遺贈若しくは贈与により取得した財産の全部又は一部について、その価額を遺留分算定財産の価額に算入しないことができます。

民法の遺留分の特例に関する合意で、株式等以外の事業用資産や、後継者以外の推定相続人に関する特例を設けることにより事業承継の円滑化を図る趣旨だと思われます。

3.効力の発生要件
上記1、2の合意も、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可を条件に効力が発生します。

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中小企業経営承継円滑化法の中小企業とは

2008-09-18 08:30:27 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

中小企業経営承継円滑化法上の「特例中小企業者」と「中小企業者」の定義を調べてみました。

1.特例中小企業者
特例中小企業者とは、中小企業者のうち、一定期間以上継続して事業を行っているものとして経済産業省令で定める要件に該当する会社(金融商品取引法に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は店頭売買有価証券登録簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。)をいう。

2.中小企業者
中小企業者とは、次のいずれかに該当する者をいう。

(1)資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次の(2)から(5)の業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

(2)資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であって、卸売業((5)の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

(3)資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であって、サービス業((5)の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

(4)資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人であって、小売業((5)の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

(5)資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの

政令で定める業種は次のように定められています。
イ、ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ、チューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く。)の場合、資本金3億円以下又は従業員900人以下
ロ、ソフトウェア・情報処理サービス業の場合、資本金3億円以下又は従業員300人以下
ハ、旅館業の場合、資本金5千万円以下又は従業員数200人以下

中小企業(資本金と従業者数はいずれかの要件を満たせばうよい)
資本金 従業者数
製造業 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5千万円以下 50人以下
サービス業 100人以下

政令で定める業種(資本金と従業者数はいずれかの要件を満たせばうよい)
資本金 従業者数
ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ、チューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く。) 3億円以下 900人以下
ソフトウェア・情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5千万円以下 200人以下

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遺留分に関する民法の特例2

2008-09-17 09:24:52 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

遺留分の算定に関する合意は、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可があってはじめてその効力が発生します。

1.経済産業大臣の確認
(1)確認
遺留分に関する合意をした後継者は、次のいずれにも該当することにつき、経済産業大臣の確認を受けることができます。
イ、その合意がその特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
ロ、その申請をした者がその合意をした日において後継者であったこと。
ハ、その合意をした日において、その後継者が所有するその特例中小企業者の株式等のうちその合意の対象とした株式等を除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の100分の50以下の数であったこと。
ニ、全員の合意で、書面により後継者以外の推定相続人がとることができる措置に関する定めをしていること。

(2)確認の申請
上記(1)の確認の申請は、経済産業省令で定めるところにより、合意をした日から1月以内に、一定の書類を添付した申請書を経済産業大臣に提出してしなければならない。

(3)合意をした後継者が死亡した場合
合意をした後継者が死亡したときは、その相続人は、上記(1)の確認を受けることができない。

(4)確認の取消
経済産業大臣は、上記(1)の確認を受けた者について、偽りその他不正の手段によりその確認を受けたことが判明したときは、その確認を取り消すことができます。

2.家庭裁判所の許可
遺留分に関する合意は、上記1の確認を受けた者がその確認を受けた日から1月以内にした申立てにより、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力が生じます。
家庭裁判所は、遺留分に関する合意が当事者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを許可することができません。
また、上記(1)の確認を受けた者が死亡したときは、その相続人は、家庭裁判所の許可を受けることができません。

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遺留分に関する民法の特例1

2008-09-16 08:29:41 | 相続税・贈与税

おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の「遺留分に関する民法の特例」を取り上げてみました。

1.後継者が取得した株式等に関する遺留分の算定に係る合意
(1)旧代表者の推定相続人は、そのうちの一人が後継者である場合には、その全員の合意をもって、書面により、次の定めをすることができます。
イ、
贈与株式等を遺留分算定基礎財産から除外
その後継者がその旧代表者からの贈与又はその贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続、遺贈若しくは贈与により取得したその特例中小企業者の株式等の全部または一部について、その価額を遺留分算定の財産の価額に算入しないこと。
ロ、贈与財産の価額をあらかじめ固定すること
上記(1)の株式等の全部または一部について、遺留分算定の財産の価額に算入すべき価額をその合意の時における価額とすること。
ただし、その価額は弁護士、公認会計士、税理士などによって証明されたものに限ります。

(2)旧代表者の推定相続人は、上記(1)の合意をする際に、併せて、、その全員の合意をもって、書面により、次に掲げる場合に後継者以外の推定相続人がとることができる措置に関する定めをしなければいけません。
イ、その後継者が上記(1)の合意の対象とした株式等を処分する行為をした場合
ロ、旧代表者の生存中にその後継者がその特例中小企業者の代表者として経営に従事しなくなった場合

2.合意をすることができない場合
後継者が所有するその特例中小企業者の株式等のうちその定めに係るものを除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の100分の50を超える数となる場合は、上記1の合意による定めをすることができない。後継者が所有するその特例中小業者の株式等のうちその定めに係るものを除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の100分の50を超える数となる場合は、上記1の合意による定めをすることができない。

3.定義
(1)特例中小企業者
中小企業者のうち、3年以上継続して事業を行っている会社(金融商品取引法に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は店頭売買有価証券登録簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。)

(2)/span>旧代表者
特例中小企業者の代表者であった者(代表者である者を含む。)であって、その推定相続人のうち少なくとも一人に対してその特例中小企業者の株式等(議決権制限株式等を除く)の贈与をしたもの

(3)推定相続人
相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち被相続人の兄弟姉妹及びこれらの者の子以外のもの

(4)/span>後継者
旧代表者の推定相続人のうち、その旧代表者からその特例中小企業者の株式等の贈与を受けた者又はその贈与を受けた者からその株式等を相続、遺贈若しくは贈与により取得した者であって、その特例中小企業者の総株主(議決権を制限された株主を除く)又は総社員の議決権の過半数を有し、かつ、その特例中小企業者の代表者であるもの

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