税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

使用人兼務役員の意義と範囲

2007-09-13 18:00:20 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

前回は、役員の意義と範囲でしたが、今回は役員のうち「使用人兼務役員の意義と範囲」についてです。
役員に対する給与は法人税法上原則として損金不算入ですが、使用人兼務役員に支給する給与のうち使用人としての職務に対応する分は損金算入とされています。

1.使用人兼務役員の意義

使用人兼務役員とは、役員のうち次のすべてに該当する者をいいます。
イ、特定の役員(社長、専務など)でないこと。
ロ、使用人としての職制上の地位を有すること
ハ、常時使用人としての職務に従事していること

2.使用人兼務役員の範囲から除外される特定の役員

次のいずれにも該当していないこと
イ、代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人
ロ、副社長、専務、常務、その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
ハ、合名会社、合資会社及び合同会社の業務執行役員
ニ、取締役(委員会設置会社の取締役に限る)、会計参与及び監査役並びに監事
ホ、.同族会社の役員のうち、次の要件のすべてを満たしている者。

(イ)その会社の株主グループにつきその所有割合が最も大きいものから順次その順位を付し、その第1順位の株主グループ(同順位の株主グループが2以上ある場合には、その2以上の株主グループをすべて同順位とする。以下同じ)の所有割合を算定し、又はこれに順次第2順位及び第3順位の株主グループの所有割合を加算した場合において、その役員が次に掲げる株主グループのいずれかに属していること。
  • 第1順位の株主グループの所有割合が50%超である場合におけるこれらの株主グループ
  • 第1順位及び第2順位の株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合がはじめて50%超になるときのこれらの株主グループ
  • 第1順位から第3順位の株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合がはじめて50%超になるときのこれらの株主グループ
(ロ)その役員の属する株主グループの所有割合が10%超であること

(ハ)その役員(その配偶者とこれらの者の持ち株割合が50%超となる会社を含む)の所有割合が5%超であること

3.使用人としての職制上の地位

「法人の使用人としての職制上の地位」とは、その法人の機構上定められている使用人たる職制上の地位をさすから、部長、課長のほか、工場長、支店長、営業所長、支配人、主任等はこれにあたるが、取締役等で総務担当、経理担当というように単に法人の特定部門の職務を総括しているにすぎないものは、使用人としての職制上の地位を有していることにはならない。
ただし、事業内容が単純で使用人が少数であるなどの事情により、法人が特に機構として使用人としての職務上の地位を定めていない場合には、その常時従事している職務が他の使用人の職務内容と同質である限り、しいてこの「使用人としての職制上の地位」の要件は要求しないことになっています。

4.常時使用人としての職務に従事

最後に、使用人として職務に常時従事することが求められています。したがって、非常勤役員は使用人兼務役員になれません。

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役員の意義と範囲

2007-09-12 08:36:19 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は法人税法における役員の意義と範囲をまとめてみました。
法人税では、従業員に対する給与は損金算入されるのに対し、役員給与は原則損金不算入です。このように役員と従業員の区別は法人税の課税上重要な問題です。

1.法定の役員

会社法等による法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人は法人税法上も役員です。

2.みなし役員

次に掲げる者で、法人の経営に従事している者は法人税法上、役員とみなされます。

イ.法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限る。次のロに同じ。)以外の者。

ロ.同族会社の使用人のうち、次の要件のすべての満たしている者。

(イ)その会社の株主グループにつきその所有割合が最も大きいものから順次その順位を付し、その第1順位の株主グループの所有割合を算定し、又はこれに順次第2順位及び第3順位の株主グループの所有割合を加算した場合において、その使用人が次に掲げる株主グループのいずれかに属していること。
  • 第1順位の株主グループの所有割合が50%超である場合におけるこれらの株主グループ
  • 第1順位及び第2順位の株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合がはじめて50%超になるときのこれらの株主グループ
  • 第1順位から第3順位の株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合がはじめて50%超になるときのこれらの株主グループ
(ロ)その使用人の属する株主グループの所有割合が10%超であること

(ハその使用人(その配偶者とこれらの者の持ち株割合がが50%超となる会社を含む)の所有割合が5%超であること)

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同族会社(その2)特別規定

2007-09-11 08:12:06 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は同族会社の2回目で、法人税の特別な規定をまとめてみました。

1.使用人兼務役員の範囲の制限

役員給与は使用人兼務役員の使用人分給与を除き、原則として損金不算入とされています。
同族会社の役員のうち、持ち株割合が一定額以上ある役員などは、使用人兼務役員として認められません。

2.利益連動給与の損金算入の不適用等
業務執行役員に支給する利益連動給与で一定の要件を充たすものは損金算入されますが、これは同族会社には適用されません。

3.特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入

特殊支配同族会社が支給したその業務主宰役員の給与の額のうち給与所得控除額相当額は損金不算入とされています。

4.行為計算の否認

税務署長は、同族会社に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができます。

5.留保金課税

特定同族会社(資本金が1億円以下の会社を除く)が一定額以上の所得を留保すると、基本税率による法人税の他に特別税率による法人税額が加算されます。
特定同族会社は、株主等の一人とその同族関係者がその会社の発行済み株式の50%超を保有する会社です。

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同族会社(その1)定義

2007-09-10 08:14:40 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、法人税法の同族会社の定義についてまとめてみました。

同族会社とは、その会社の株主等の3人以下と特殊関係にある個人および法人の有する持ち株割合がその会社の発行済み株式総数の50%超であるその会社のことです。

[特殊関係のある個人]

 個人株主の親族や使用人などです。

[特殊関係のある法人]

 その株主(個人株主については特殊関係者を含む)の子会社、孫会社、曾孫会社、兄弟会社です。
この場合気をつけなければいけないのは、これらの特殊関係を判定する場合の基準が、従前の全社的持株比率だけでなく、実質的な支配力の判定もすることです。
つまり、その会社の合併などの重要事項や役員の報酬額などいずれかの決定につき過半数の議決権を有するかどうかによりこの特殊支配関係を判断します。
合資会社などの持分会社については持株数ではなく、株主等の数で判定します。

株主等の3人以下と特殊関係者がその会社の合併などの重要事項や役員の報酬額などいずれかの決定につき過半数の議決権を有する場合や、合資会社などの持分会社の株主等の過半数を占める場合にも、その会社は同族会社と判定されます。

次回の「同族会社」は同族会社の法人税の特別規定を予定しています。

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リース取引(法人税)

2007-09-07 08:15:22 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、リース取引を法人税法がどのように規制しているか簡単にまとめてみました。

1.売買とされるリース取引

リース取引は、賃貸人から賃借人へリース資産の売買ばあっとものとして取り扱われます。

2.金融取引とされるリース取引(セール・アンド・リースバック)
譲受人から譲渡人へ賃貸(リース取引)が行われることを条件に資産の売買があった場合において、賃貸に至るまでの状況を総合的に判断して、その取引が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、その売買はなかったものとし、かつ、その譲受人から譲渡人に金銭の貸借があったものと取り扱われる。

3.賃貸人ににおける延払基準の適用
リース資産の引渡時に、譲渡損益の計上するのが原則ですが、一定の延払基準の要件に該当する場合には課税の繰り延べができます。

4.減価償却
賃借人は、リース資産につき減価償却を行いますが、「所有権移転外リース取引」により取得した資産については、「リース期間定額法」により減価償却を行うことになります。
なお、リース料として損金経理した金額は、償却費として損金経理した金額に含まれるとされています。

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Closing Entries(決算仕訳)

2007-09-06 08:24:25 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、英文会計の帳簿の締切のための仕訳です。

1、収益の科目残高を「Expense and Income Summary」勘定の貸方に振り替える。
2、費用勘定の借方残高を「Expense and Income Summary」勘定の借方に振り替える。
3、「Expense and Income Summary」勘定の残高を「Capital」勘定へ振り替える。
4、Drawing(資本の引出)勘定の残高を「Capital」勘定の借方へ振り替える。

次の勘定残高のClosing Entries(決算仕訳)を行います。
Taro, Capital $20,000
Taro, Drawing $50
Service Income 50,000
Interest Income 800
Rent Expense 1,000
Salaries Expense 13,000
Depreciation Expense 2,000
Interest Expense 3,000

1 Service Income 50,000
Interest Income 800
Expense and Income Summary 50,800
2 Expense and Income Summary 19,000
Rent Expense
1,000
Salaries Expense
13,000
Depreciation Expense
2,000
Interest Expense
3,000
3 Expense and Income Summary 31,800
Taro, Capital
31,800
4 Taro, Capital 500
Taro, Drawing
500

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Adjusting entries(決算修正仕訳)

2007-09-05 08:16:53 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

発生主義のもとで、収益と費用を適正な期間に帰属させるために期末にAdjusting entries(決算修正仕訳)を行います。
Adjusting entries(決算修正仕訳)には、次のようなものがあります。
Prepaid expense(前払費用)
Unearned revenue(前受収益)
Accrued expense(未払費用)
Accrued revenue(未収収益)
Depreciation expense(減価償却費)

Prepaid expenseの例
家賃を1年分、10月1日に$120,000前払いした。決算は12月31日。
イ、支払時にPrepaid expense処理した場合

10/1 Prepaid Expense 120,000
Cash
120,000
12/31 Rent Expense 20,000
Prepaid Expense
20,000

ロ、支払時に費用処理した場合

10/1 Rent Expense 120,000
Cash
120,000
12/31 Prepaid Expense 100,000
Rent Expense
100,000

Depreciation expenseの例
Furniture costing $120,000, purchased June 30, is being depreciated for piriod of five years.
Show the adjusting entry for December 31.
6月30日、家具$120,000(償却期間5年)を購入した。
12月31日の修正仕訳は?
12/31 Depreciation Expense 12,000
Accumulated Depreciation
12,000
$12,000÷5year×6/12=$12,000

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株式移転の手続き

2007-09-04 08:14:52 | 新会社法

おはようございます。税理士の倉垣です。

既存の会社が完全親会社を新たに設立するのには「株式移転」が便利です。

 

株式移転とは、1又は2以上の会社(株式移転完全子会社)がその発行済株式の全部を新たに設立する会社(株式移転設立完全親会社)に取得させることをいいます。

 

手続きは、次の順序で行われます。

1.   株式移転計画の作成

2.   株主総会の承認

3.   登記

 

[株式移転計画]

移転計画で次の事項などを決めます。

株式移転設立完全親会(目的、商号、住所、その他会社設立時の必要事項)

株式移転完全子会社の株主に交付する株式移転設立完全親会社株式の割当て等

 

[承認株主総会]

株式移転の株主総会の承認は、株主総会の特別決議が必要です。

 

[登記]

所定の日(承認株主総会日等)から2週間以内に登記を行う。

この登記により、株式移転設立完全親会社が成立し、株式移転の効力が発生する。

 

[その他]

移転対価の柔軟化:移転対価は株式だけでなく、社債や金銭等でもよいこととなりました。

所定の書類の備置き:承認株主総会の開催前と登記の後、一定期間所定の書類を本店に備置かなければなりません。

反対株主の買取請求権:株式移転に反対の株主に株式買取請求権が認められています。

公正取引委員会への届出:一定規模以上の株式移転は、株式移転成立の日から30日以内に公正取引委員会へ届出る必要があります。

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Financial Statements

2007-09-03 08:24:24 | 会計

おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、英文会計の財務諸表(Financial Statements)です。
Financial Statementsは次の4つです。
Income Statement(損益計算書)、Capital Statement(資本計算書)、Balance Sheet(貸借対照表)、Statement of Cash Flows(キャシュフロー計算書)

作成の順序は
IncomeStatement

Capital Statement

Balance Sheet

Following informations are account balances of AAA Co. as of December 31, 2007. Prepare an income statement, a capital statement, a balance sheet.

Accounts Payable $21,000 Miscellaneous Expense $500
Cash 13,000 Equipment 42,000
Capital, January 1, 2007 18,000 Accounts Receivable 9,500
Salaries Expense 12,000 Notes Payable 23,200
Supplies 4,400 Rent Expense 800
Drawing 20,000

AAA Co.
Income Statement
Year Ended December 31, 2007
Admission Income $40,000
Expenses
Rent Expense
$800
Salaries Expense
12,000
Miscellaneous Expense
500
Total Expense 13,300
Net Income $26,700

AAA Co.
Capital Statement
Year Ended December 31, 2007
Capital, January 1, 2007 $18,000
Add: Net Income $26,700
Less: Drawing 20,000
Increase in Capital 6,700
Capital, December 31, 2007 $24,700

AAA Co.
Balance Sheet
December 31, 2007
Assets
Cash $13,000
Accpimts Receivable 9,500
Supplies 4,400
Equipment 42,000
Total Assets $68,900
Lialilities and Capital
Accounts Payable $21,000
Notes Payable 23,200
Total Liabilities $44,200
Capital 24,700
Total Liabilities and Capital $68,900

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