今年3月に目黒区でひらかれた僕の写真展でのアンケートが先日届いた。主催者の方がまとめてシカゴまで郵送してくれたのだ。
毎度のことながら来場者の方々が感想や意見を残してくれるのは嬉しいし、それを読んでこちらも考えさせられたり、励まされたりするものだ。
そんなアンケートのひとつに、ある女性の興味深い感想が書かれていた。
「(前略)。。。黒っぽい色の写真には、額のガラスに自分自身が映り、写真と自分を一緒に見て更に考えさせられました。。。」
僕ら写真を見せる側からしてみれば、展示をする上で額の表面の反射は目障りになるので極力排除しようと気を使うものだ。しかし、ここでは逆にその反射のおかげで、一人の人間が「単に写真を見る」という行為から更に一歩踏み込んで思考を深く巡らせることが出来たわけだ。
その女性が実際に何を「更に考えさせられた」のかはわからない。ただ、平和な日本に住むその彼女にとっては、展示写真に写された光景は「非日常的」で「他人事」であったであろうことはある程度想像がつく。その「非日常的」な光景のなかに突然浮かびあがった自分自身の姿。。。写真に重なった自分の顔を発見することによって、自分が「他人」ではなくなってしまった、いや、「他人事ではすまされない」と気づかされたのかも知れない。
アンケートは無記名なので、僕はこの人については30代の女性であるということしかわからないし、ここに書いたことも僕の調子のいい憶測に過ぎない。しかし、展示された写真を見に来ただけだったのに、思わず自分自身のことも考えされる羽目になった、そんな感じだったのでないだろうか。
こんな機会をつくってくれるのも写真展ならではだな、などと変に感心しながら、一緒に送られてきた日本のチョコを頬ばりながらアンケートをじっくり読ませていただいた。
毎度のことながら来場者の方々が感想や意見を残してくれるのは嬉しいし、それを読んでこちらも考えさせられたり、励まされたりするものだ。
そんなアンケートのひとつに、ある女性の興味深い感想が書かれていた。
「(前略)。。。黒っぽい色の写真には、額のガラスに自分自身が映り、写真と自分を一緒に見て更に考えさせられました。。。」
僕ら写真を見せる側からしてみれば、展示をする上で額の表面の反射は目障りになるので極力排除しようと気を使うものだ。しかし、ここでは逆にその反射のおかげで、一人の人間が「単に写真を見る」という行為から更に一歩踏み込んで思考を深く巡らせることが出来たわけだ。
その女性が実際に何を「更に考えさせられた」のかはわからない。ただ、平和な日本に住むその彼女にとっては、展示写真に写された光景は「非日常的」で「他人事」であったであろうことはある程度想像がつく。その「非日常的」な光景のなかに突然浮かびあがった自分自身の姿。。。写真に重なった自分の顔を発見することによって、自分が「他人」ではなくなってしまった、いや、「他人事ではすまされない」と気づかされたのかも知れない。
アンケートは無記名なので、僕はこの人については30代の女性であるということしかわからないし、ここに書いたことも僕の調子のいい憶測に過ぎない。しかし、展示された写真を見に来ただけだったのに、思わず自分自身のことも考えされる羽目になった、そんな感じだったのでないだろうか。
こんな機会をつくってくれるのも写真展ならではだな、などと変に感心しながら、一緒に送られてきた日本のチョコを頬ばりながらアンケートをじっくり読ませていただいた。
いつも海外の厳しい現状を私たちに見せてくれてありがとうございます。
これからもいい写真を撮ってください。
3月の目黒区美術館区民ギャラリーでの写真展にお越しいただきました皆様、ありがとうございました。
開催期間中にお寄せいただきました募金額は50,160円となり、ポストカードの売上8,000円と合わせ計58,160円をご協力いただきました。心より感謝申し上げます。
50,160円はリベリア基金として高橋さんへ。ポストカード売上8,000円は制作元のKTフォトプロジェクト(戦争被害にあった子供たちの為に使われます。)へ送金させていただきました。
高橋さん・KTフォト松本さんをはじめ、足を運んでくださった皆様、後援いただきました企業様、期間中に手助けくださったお隣の絵画展・遊子舎様、開催にあたって助けてくれた友人・知人すべてに感謝です。
ありがとうございました。
私も立ち読みなので、確かな事は
言えないのですが、その本の中では肯定的に「ぼくの
見た戦争」とDays Japanがとらえらていたと思います。確かに帯の通り、観念的に報道写真を考察しているすごくアカデミックな本だと思いました。
凡人の私にとってハードルが高い内容だと感じたのは
確かです。
拝
http://blog.goo.ne.jp/kuniphoto/d/20060502
写真に写すのは「事実」であって、「真実」ではないと思っています。もし、写真で「真実」を伝えよう、などと公言している写真家がいたら、僕はちょっと胡散臭く感じてしまいますね。
した本が日本でも出てました。
今橋映子さんのフォト リテラシーという新書でした。
http://www.chuko.co.jp/new/2008/05/101946.html
私は本屋で少し立ち読みしましたが、
高橋さんの「ぼくの見た戦争」も触れられていました。ちょっとアカデミックで難しそうですが、
図書館で借りて読もうと思ってます。
写真のリテラシー力も必要な事かもしれません。
その時は、他の写真で高橋さんの撮った世界に入り込んで観ていたのに、この写真の前に立って自分の姿が映った時、写真の世界と観ている私の世界のあまりの違いに愕然とした感じでした。あまりにも遠い「距離」、、、ここにいる私達はどうすることが出来るのだろうか?などと思いをめぐらせた記憶が蘇ってきました。
非常に学ぶべき事がたくさんありました。
また、次回もよろしくお願い致します。