今日、たまたま出逢った言葉。
「哲学者のように考え、美術家のように見、そして詩人のように感じ、書く。」
かって、「昆虫記」を著したアンリ・ファーブルを同時代のフランスの
劇作家、エドモン・ロスタンが評した言葉。
この昆虫記を日本で初めて訳したのが明治・大正の奇人、アナルキスト、
大杉栄。彼もこの言葉に深い感銘を受けていたらしい。
その彼の二人目の相思相愛の妻が、大正時代の奔放かつ稀有なる文学者で
あった女流作家、伊藤野枝。
二人ともに関東大震災直後、当時の無言の大衆の追従、盲目、支持を背景
にした国家権力に暴殺され、まさに非業の死を遂げた。
昨日のお昼ご飯は、庭で採れた春菊と豆腐の味噌汁、それにレンティル豆と
ナス、セロリ、キノコなどをしっかり炒めたペーストや赤パプリカ、アボカド
などをたっぷり載せた野菜ボート、そして、同じく庭で採れた葡萄で初めて
作った一杯のジュース。
何の関係もないような一つの言葉、一つの歴史、一つの食事。
夏の終わり、雹が降る金曜日の夜。
ただひとり、キッチンに座る僕の中では、その三つが響き合う。